ウィーン・プレミアム・コンサート:福岡公演 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2024. 4. 4 (木) 19 : 00 ~   福岡シンフォニーホールにて

 

<ウィーン・プレミアム・コンサート>

~黄金のホールに響く音色をあなたに~

 

モーツァルト:セレナード 第13番 ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」K.525

モーツァルト:フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313

 

J.シュトラウス II世:喜歌劇「ジプシー男爵」序曲

J.ランナー:ワルツ「求婚者たち」Op.103

ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「前へ!」Op.127

J.シュトラウス II世:ワルツ「千夜一夜物語」Op.346

ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「遠方から」Op.270

エドゥアルド・シュトラウス:ポルカ・シュネル「誰と一緒に踊る?」Op.251

J.シュトラウス II世:ワルツ「我が家で」Op.361

J.シュトラウス II世:ポルカ・シュネル「インドの舞姫」Op.351

 

(アンコール)

ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「休暇旅行で」Op.133

 

フルート:エルヴィン・クランバウアー

トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン

(コンサートマスター&芸術監督:フォルクハルト・シュトイデ)

 

  

 

私にとっては5年ぶりハッのこのコンサート。も~めちゃめちゃ楽しみでした笑い泣き

今回も長いです(自分用の備忘録なんでスルーしてください)。

まずウィーン・プレミアム・コンサート と私の歴史・・・(なんつってw)

 

「ウィーン・プレミアム・コンサート」は2018年までは「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン」と銘打って各地で公演を開催、2019年からは今の名称になった。

2000年から毎年来日公演を行っていて今回で19回目(たぶん)。(2020年~22年は新型コロナの影響で開催されず)

トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーンはウィーン国立歌劇場、ウィーン・フィルのメンバーを中心にベルリン・フィル、ウィーン響などなどヨーロッパで活躍する演奏家も加わった、この公演のために編成された約30名の室内オーケストラで指揮者はたてない。このオケのコンサートマスター&芸術監督を務めるのが、ウィーン・フィルのコンマスのフォルクハルト・シュトイデ氏。

私は2013年以来毎回聴きにいっていたのだが、昨年の久々の来日公演は九州は熊本しかなかったので聴きに行けず汗 (今までの公演の感想はコチラ (ちなみに2013年と14年分はまだブログを始めていなかったのでなし:2015年2016年2017年2018年2019年

 

私にとってはクラシックを聴き始めたごくごく初期にこの公演に出会い、さらにクラシックを聴くようになるきっかけにもなったので想い入れがある。特にコンマスのシュトイデさんファンになるきっかけ、ひいては彼のリサイタルを通じてカルテットなど室内楽も好きになるきっかけとなった。

 

 

こちらは2020年4月8日に開催予定だった幻の公演のフライヤー コロナのため中止に

 

というわけで私にとっては今回が8回目ビックリマーク アクロスでの公演は実に8年ぶりビックリマーク

今回のツアーは全国8か所(名古屋は名古屋フィルとの共演)で3月28日から4月7日まで行われ、福岡公演は5公演目だった。

まずは無料パンフに載っていたシュトイデさんのメッセージから載せとこにやり

 

親愛なる聴衆の皆様、「ウィーン・プレミアムコンサート2024」にようこそお越しくださいました! おそらく今年も皆様の中に、何年も前からこのコンサートへご来場くださっている方が多くいらっしゃるでしょう。(中略) このように忠実なファンがたくさんいらっしゃることに気付くと、いつも心が熱くなり、感謝の気持ちがあふれます。今年もまた皆様にお会いできることが我々の誇りです。そして「新たに我々の網にかかった」(注:「新しいお客様」を意味するウィーン風のシャレ言葉のこと)方々には心よりご挨拶を申し上げます。(中略)指揮者をおかない30人の演奏家からなるトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーンは正真正銘のオーケストラですが、弦楽四重奏のように演奏します。私たちはお互いを良く聴き合って、見合って演奏することで、それぞれの音楽的表現を自由に、そして責任を持って演奏することができます。それ故に私たちのコンサートは唯一無二です。そして・・・”MA-MO-NA-KU"開演です。

 

以下曲解説は当日もらったパンフ内の奥田佳道先生の解説を抜粋、簡潔にまとめてそれぞれ書きます。

 

 

前半はモーツァルトを2曲。最初は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

 

1787年夏に歌劇「ドン・ジョヴァンニ」とほぼ同時進行で作曲 (彼の自作品目録によると8月10日)。アイネ・クライネ~は彼自身の命名で彼の記載によると当初はメヌエット楽章が二つあったようだが彼の没後に自筆譜がドイツの音楽出版社に渡った時点で今の4楽章構成になっていた。 近年この作品の初演が、当時のウィーン大学の植物学教授ニコラウス・ヨーゼフ・フォン・ジャカンの邸宅で行われたのでは、という仮説が発表された。モーツァルトはジャカン教授の息子や娘と親しく、曲をプレゼントしたりクラヴィーアのレッスンをしたりゆかりの室内楽曲や歌曲も多く、結構な数の手紙も残っている。1787年はジャカン教授が60歳になる年だったので、彼への祝宴の場で演奏されたのでは、という説だそう。(奥田佳道氏の解説より)

最初このプログラムを見たときは、正直「あぁ~、アイネ・クライネかぁ~ぼけー」と思わないでもなかった。 

ところが・・・皆さんが弾き始めた途端、な、なんて素晴らしい音なのービックリマークビックリマークおーっ!おーっ! とびっくりハッこれは大げさでもなんでもなくほんっとにそう。

申し訳ないが普段聴いている九響の音とも全然違う! 澄んだ音、vividな音がホールいっぱいに広がった。とても小編成のオケとは思えない。ひとつひとつの音符や旋律が元気にそこここに飛び跳ねているよう。この曲ってこんなにワクワクする曲だったんだー! 演奏家によってこんなに違うんだー!と終始目から鱗でした。 いややっぱり彼らの音楽はめちゃめちゃいい!ラブ

どうせ各楽章毎に拍手が起こるんやろなと思っていたけどみんな静かに最後まで聴いていたのもよかった。

 

2曲目は同じくモーツァルト「フルート協奏曲第1番」。ソリストはウィーン響のソロ・フルーティストのエルヴィン・クランバウアーさん。

 

旅行先のドイツ、マンハイムで知り合ったフェルディナント・ドジャンの依頼で1777年から翌年にかけて書かれた作品。ドジャンの依頼によるフルート作品は何を何曲かいたかはわかっていないが、近年、マンハイム・パリ旅行出発前の1777年夏にザルツブルクで作曲されたフルート協奏曲ト長調 (姉ナンネルの命名祝日にザルツブルクの宮廷楽士が演奏したそう)が本作品ではないか、という説が発表された。

本作品の第2楽章ではオーケストラのフルート2本も活躍するが、当時ザルツブルク宮廷ではオーボエ奏者が持ち替え (!)でフルートを吹いたそう。

ちなみにフルート協奏曲第2番K.314は、オーボエ協奏曲ハ長調 (これも旅行前にザルツブルクで書かれた)からの編曲だが、モーツァルト自身の編曲かどうかは謎だそう。(奥田佳道氏の解説より)

この曲の実演を聴くのは初めて。フルートのクランバウアーさん、とても素晴らしかった!!・・んだけどちょっとトラブルが・・汗 

この日は私ら夫婦の隣に老夫婦が座っていた。左から私⇒オット⇒じーちゃん⇒ばーちゃんの並びだったんだけど、じーちゃんの左耳に入れてる補聴器のハウリング(だと思う)がひどくて・・ネガティブ 私らの前を横切ってじーちゃんが着席する際に補聴器が目に入り、一抹の不安をおぼえたのが的中してしまった汗 補聴器のハウリングのトラブルはよく耳にはしていたものの、実際に自分が体験したのは初めて。1曲目のときは時々、という感じでまだ我慢できたけどこの曲になったらもうほとんどずう~っとキーン!と鳴っていたダウン フルートの音が共鳴しやすいんだろうか、知らんけどもw 私は時々めまいや耳鳴りがするんだけど、まさにその耳鳴りの音と同じで~泣 途中からは大げさではなくもう吐き気がし始めてオエー 演奏を聴くどころではなくなったあせる 

補聴器のハウリングって本人は自覚ないっていうじゃないですか。どうしたらいいんでしょうね? そのじーちゃんは結構高齢ぽかったし、人の良さそうな感じだったのでもう注意する気も起らず・・ダウンダウン 

 

 

 

休憩のときに係員に補聴器のハウリングのことを話したものの、若いにーちゃんじゃなんも対応できそうになかったのでw 勝手に席を移動することにした。

幸いなことに自席の2階最前列は結構空席があったので、そのじーちゃんからなるべく離れるべく左ブロックの端の方 (4-5mくらい離れた場所) へ席を変わったところ・・・キーン!が全く聞こえなかった!!笑い泣き ということはやっぱりハウリングじゃないかなぁ。もうあんな目には二度と遭いたくないな。正直吐き気がして気が狂いそうやった汗

 

というわけで、後半は存分に楽しめました笑い泣き

後半はシュトラウス・ファミリーなどのワルツやポルカ集。

オケの皆さん、弦も管も最高にうまいビックリマーク めちゃめちゃ楽しかった音譜 

シュトイデさんがすごいなと思うのは、こういう地方公演でもいつ何時でも&どんな曲でもめちゃ一心不乱に弾いていること。シュトイデ と書いて”本気 (マジ)”と読むにやり と言っていいw

シュトイデさんの音が私の席までばんばん響いてきた。

 

以下は奥田佳道先生による各々の曲解説です。(備忘録のためです)

J.シュトラウス II : 喜歌劇「ジプシー男爵」序曲

父親のヨハン・シュトラウスの60歳を祝うオペレッタとして書かれた (初演は1885年10月24日のヨハンの誕生日の前日)。舞台はハンガリーの村で土地の相続者として村に戻った豪族の息子バリンカイ(実はハンガリー領主の子息)とジプシー娘ザッフィ(実はトルコ総督の令嬢)の恋の話。トルコ総督が敗退時に埋めた莫大な軍用金(財宝)も物語の鍵となる。

ヨーゼフ・ランナー:ワルツ「求婚者たち」

ランナーとヨハン・シュトラウスは元々は同じ舞踏バンドのメンバーだったが、袂を分かちライヴァル同士となり互いに新作のワルツやポルカ、ギャロップを次々と発表、「ワルツ合戦」となる。ランナーはウィーンの王宮舞踏会場レドゥッテンザールの楽長&音楽監督に就任し大活躍するが1843年に感染症のため急逝した。この曲は1835年秋にブタペストで初演、募兵活動の際に踊られたハンガリーの民族舞曲ヴェルブンコシュのリズムやノスタルジックな旋法がほのめかされる名曲。

ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「前へ!」

ヨハンの2歳下の弟ヨーゼフはウィーン工科大学出身の設計技師で発明家だったが1853年に指揮者・作曲家としてデビュー。兄以上の才能を示したが演奏中に倒れ42歳で亡くなった。

本作品は1862年に書かれたポルカでティンパニの一撃も特徴。シュネルはfast, express, rapidの意。

ヨハン・シュトラウス II:ワルツ「千夜一夜物語」

1871年2月に彼自身初のオペレッタ「インディゴと40人の盗賊」が本人の指揮で初演されたが失敗。しかしこのワルツを弟のエドゥアルトが指揮して広まった。

ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「遠方から」

ヨーゼフは3拍子の3泊目(もしくは2拍目)に独特のアクセントを持つポルカ・マズルカも得意とした。1869年夏にヨーゼフは兄ヨハンのロシア行きに同行、パブロフスクに滞在中に二人は共同で「ピチカート・ポルカ」も創っている。本作品は、ヨーゼフがウィーンにいる妻カロリーネのことを想って書いたものといわれており、ロマンティックな情趣に満ち溢れている。

エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ・シュネル「誰と一緒に踊る?」

シュトラウスの3兄弟の末の弟のエドゥアルトはスター指揮者でもあり、1870年オープンのウィーン楽友協会大ホールで日曜午後に開催されていた彼の指揮による<プロムナードコンサート>は毎回大人気だった。本作品は1886年11月の<プロムナードコンサート>で初演された。長らく秘曲となっていたが、2023年のウェルザー=メスト指揮のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートで蘇った。

ちなみに同名の孫のエドゥアルト・シュトラウス II世も指揮者で1956年、1958年には東京交響楽団から招かれてウィンナ・ワルツやポルカなど指揮をしたそう。

ヨハン・シュトラウス II:ワルツ「我が家で」

1873年夏、金融危機の最中に開催されたウィーン万国博覧会のために作曲された。オリジナルは男声合唱団を伴った。「近隣、遠方を問わず、皆様ようこそ万博へ。ごゆっくりお楽しみください。我が家のようにくつろいでください。」という歌詞が添えられていた。

ヨハン・シュトラウス II:ポルカ・シュネル「インドの舞姫」

前述したように、彼の初のオペレッタ「インディゴと40人の盗賊」は失敗に終わったものの、この中のバレエ音楽やアリアの調べを再構成した愉しいポルカ。弟エドゥアルトの指揮のフォルクスガルテンえの公演で蘇った

 

万雷の拍手の中、いつものようにアンコール曲はコントラバスのニーダーハマーさんが日本語で紹介、そして「コレデオワリデス。」➡このセリフもなんだか懐かしー!ぶちゅー

ヨーゼフ・シュトラウスの「休暇旅行で」は途中奏者たちの威勢のいい掛け声がかかるのでより盛り上がった。

 

久々に聴いた彼らの音楽はとても素晴らしかった。

ちょっとしたワルツやポルカなどでもウィーン独特の拍の取り方が阿吽の呼吸でとても自然で (当たり前か)国内オケで聴くのとは正直かなり違う気もする。

来年以降も福岡公演がある限りは毎回聴きにいきます!

 

    

 

 

映像は過去の公演より。

 

    

会場の等身大パネル 前回気付かなかったのでやっと撮れた!

左がシュトイデさんで右は今回のソリストだったクランバウアーさん

 

 

ブーケ2おまけブーケ2:アクロスが開館30周年記念ということで入り口にはこんなオブジェが。4方向から美しい花が楽しめました。

 

真正面から「アクロス30周年」で「30」

 

 

横から

 

 

反対側の横から

 

 

裏側

中をよく見ると~~

 

下差し

 

アクロス福岡飛び出すハート

 

 

これが実際のアクロス福岡

 

横から見ると階段状になってます

開館30周年おめでとうございますバースデーケーキ