Webディレクターの生活 -4ページ目

Webディレクターの生活

Webディレクターがデジタルの在り方を考えるブログ。

特に九州で影響力の高い「売れる広告社」のノウハウ本。

ネット業界に身を置くプレイヤーにとって、
身近な内容に感じる人とそうでない人と、分岐する内容と思うが、
LPやECサイトに縁が無いと感じる人ほど、
一度読んでみることを強くお勧めしたい。


本書に書かれている内容は、
実際に現場でテスト&トライアルを重ねた結果であり、
そういった感覚的でない、実際にユーザーが購入した数値や傾向は、
根拠ある情報として、十分に見るべき価値がある。


例えば、申し込みアイコンの色を、
「赤色アイコン」VS「黄色アイコン」VS「緑色アイコン」VS「青色アイコン」VS「紫色アイコン」など、複数のアイコンを用意し、テストを重ねた結果、何度やっても「緑アイコン」が最もレスポンスが高いらしい。

通常、これを知らないディレクターやデザイナーが制作すると、
緑寄りのサイトでない限り、緑色は選択しないだろう。

ユーザーが実際に選んだというデータは、

デザインの色選択を見つめ直す機会になる。


本書の内容は、そのまま知識として受け取れ止めるのではなく、

原理原則を読み取り、それぞれのプレイヤーのフィールドに置き換えて考え、
応用できれば、より価値ある本になるのだろうと思う。
<ネット広告&通販の第一人者が明かす>100%確実に売上がアップする最強の仕組み/ダイヤモンド社
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結論から言うと、
プレゼンのための
準備をすること

準備をすることで、
相手に伝わる総量は、
準備をしない場合と比べ、
歴然の差が生じる。

多くの人は、
プレゼンに用いる資料の作成
には力を入れる。

しかし、それはあくまで資料の準備であって、
プレゼンのための準備ではない。

もうひとつ誤解しがちなこと。

一般的に、プレゼンの機会というのは、
多くの聴衆がいる講演や、張り詰めた競合コンペだけではない。

社内外のあらゆるシーンにおいて、
話をする機会さえあれば、それはプレゼンの機会と言える。

仕事慣れしているベテランほど、
プレゼンの準備をしないから、勿体ないと思う。

言い換えれば、
勿体ない人が多いから、

少しでも準備をするだけで、
非常に差がつきやすい。

繰り返し。

プレゼンのための、
準備をしよう。


先日、多数の出席者がある業界会合のできごと。


ある発表者の方が、


「今日ご出席の皆様にこのような話をするのは、
 馬の耳に念仏ですが、、、」と仰った。


一瞬辺りが「?」な空気になった(ような気がする)。
恐らく発表者は、「釈迦に説法」の意味で使用したつもりだろうが、
「馬の耳に念仏」では、間逆の意味になってしまう。

誰でも誤った意味で言葉や諺を覚えてしまい、
気づかぬうちに使っていることがあるが、
こういうケースに直面すると、
自分が日頃使う言葉の意味を振り返ることも大事と思った。

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「馬の耳に念仏」
馬にありがたい念仏を聞かせても無駄である。
いくら意見をしても全く効き目のないことのたとえ。

「釈迦に説法」
知り尽くしている人にそのことを説く愚かさのたとえ。

出典:デジタル大辞泉

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馬の耳に念仏は、国語の学習以外で、
日常生活で使ったことのない(滅多に聞かない?)言葉だったので、
妙に新鮮だった。発表者に教えてあげられなかったことが悔やまれる。


社会人になりたての頃、
新規営業をやっていた。

仕事が来ることが当たり前だと、
仕事の有り難さは分からない。

仕事の本当の始まりとは何かとを
1人で学んでこい、という方針だ。

当時は、今の自分よりも遥かに
度胸も特別なスキルも無かったから、
相当苦労した。

商材がタブロイド紙の枠売りで、
ターゲットが特徴ある業界だったから、
癖があり、心の抵抗も強かった。

自ら作ったリストをもとに、
ひたすら電話をかけるが、
全然アポが取れない。

途中で電話を切られたり、
電話口で急に相手が話さなくなり、
自分の声だけ聞こえるようになると、
心底不安になった。突然電話を切られたりもした。


飛び込み営業も経験した。


怒鳴られたり、無言で扉を閉められたとき、
そのまま、消えてしまいたいと思った。

いざ、アポが取れても、
上手く話せなかったり、
まともに聞いてくれなかったり、

自分の椅子が用意されておらず、
立ったまま説明したこともあった。


新規営業という職種は、
世界で一番嫌われ者なのだと本気で思った。


そんな嫌われ者の中でも、
特に何もできない自分が悲しかった。


それでも、毎日続けていると、
次第にアポが取れるようになり、
アポ先でも、一通り話ができるようになった。

ある場所で仕入れた情報を
別のアポ先で活用したり、

アポ時間の合間にカフェで過ごしたり、
直行直帰で息抜きするという「スキル」も
身に付いてきた。

人間の適用力とは、不思議なものだと、
他人事のように感心した。


数ヵ月後、
ようやく2件の受注を果たした。


同期の中で最も遅く、
最も少額の受注であった。


初めての発注関係の
契約を交わす際、

店長さんから、
「これっきりにしないで、ちゃんと定期的に営業してくれよな。」

と言われた。


当時はその言葉の意味が分からなかった。


皆、営業が嫌いなのに。
必要なときは、客から連絡するわけじゃないのかな。


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その後、私は商材をWebに移し、
Webサイト構築を中心にキャリアを重ねていった。

その際、「新規営業」の機会があっても、
多くは顧客側から連絡があり、それをきっかけに、
出向き、見積りや提案を通して、受注を得ていく。

既に先輩方が築いた会社のブランドがあり、
既存顧客も多かったし、提供可能な強みもあった。

しかし、初期の入り方こそ異なるが
営業という行為は、そこでも必要であるし、
取引関係になった後も、仕事が継続したり、
途切れたりする。


大きな案件が一区切りし、
一定期間を経て、再び、
大きな仕事をさせて頂くこともあった。


そこでの営業の役割とは何であろうか。


私が思うに、ガチの新規営業であっても、
取引関係後の営業であっても、
本質的な役割は重なるところが大きいと思う。


上手な営業は、顧客が困っているとき、
何かを求めているとき、それを察して、
タイミングよくやってくる。


服を選んでいるときに、
即効で店員にロックオンされると委縮してしまうが、

いざ、サイズや色で相談をしたいときに、
その様子を見て、声をかけてくれる店員さんがいると、
必要以上に話をしてしまうし、予定以上の買い物をしたりする。


それを可能にするためには、
顧客のビジネス、取り巻く業界、担当のミッションなどを知っていたり、
顧客の情報を掴んだり、観察したり、想像したり、様々な要素が大切と思うが、
一言で言うなら、相手を知ることが必要だと思う。


一方、

私のWebキャリアのように、
相手からの相談を前提にする業態においても、
必ずプロジェクトの切れ間や、
新たな種蒔きを必要とするタイミングがあり、

そのときになって、さあ営業しようとなっても、
概して、顧客が望むタイミングであるとは限らない。

視点がサイドであり、
そこに顧客視点はない。

であれば、過去お取引頂いた顧客が、
例え現在は大きな取引がなかったとしても、

その後、顧客がどういう状況であるかと把握し、
我々のサービスを必要とするタイミングは無いか、

または、潜在的に情報提供が有益であるタイミングは無いか、
考えたり、検証したりするだけで、本当に声をかけるべく
必要なタイミングがみえてくる。

「ちゃんと営業してくれよな。」の言葉は、
やりっ放しにせずに、一緒に伴走してね、
という言葉だと今は感じている。

新規営業の経験は多くを学んだが、
正直、もう飛び込みはやりたくない。

しかし、営業は役割が大きく、
圧倒的に差がでる領域であると信じているし、
そのエッセンスは、初心を忘れずに、
これからも磨いていきたいと思う。


メディア芸術祭
第18回文化庁メディア芸術祭(国立新美術館)


メディア芸術祭の展示が
来週末から2週間、東京六本木の国立新美術館にて。

集中してインプットする良い機会ですし、
毎年足を運んでいます。

メディアに関わる仕事をしていない人でも
十分に楽しめる内容と思います。要チェック!

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帰りに美味しいコーヒーでも飲もう。
PC中心のWebサイトは終わった。
これからはモバイルサイトだ!

=「モバイルファースト!」と2005年以降に聞くようになり、
数年前からは、「スマホファースト!」と言われる。
基本的には同義である。

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モバイルファースト”とはスマホサイトを最初に作ること?
本来の意味を正しく理解すべし!

(web担当者Forum/生田昌弘の「Web担当者に喝!」)
-----

(リンク先から引用)

>スマートフォン向けサイトから作ればモバイル最適化ができると思っているWeb担当者や業者に喝!“モバイルファースト”とは、ユーザー中心&コンテンツ中心のWebサイト構築のことだよ。

>「お客さまのニーズへの最適化」。
これがモバイルファーストにおいても一番重要なのだと、
しっかり肝に銘じてほしい。



その通りだと思う。

スマホサイトが増え始めたとき、
ある案件でユーザーインタビューをした。

その際、以下のような感想を頂き、
驚いたことがある。


「(あるサイトを)PCで閲覧するときもあれば、スマホで閲覧することがある。
 PC画面に慣れているから、スマホ用のレイアウトが出てくると本当にストレスである。
 見づらくてもいいから、最初からPC画面を出してほしい!」


いかに、スマホ対応するかを専ら注力していた時期だったから、
「せっかく使いやすくなるのに!」と感じたが、
ユーザー中心に考えれば、当たり前と言えば当たり前だ。

ユーザーが使いやすい=デバイス画面最適化ではない
からだ。

ターゲットが誰であるか、
提供するコンテンツ(=バリュー)は何なのか
ユーザーは何を求め、どういった行動を取っているか、

それぞれ突き詰めれば、
ひたすらスマホ画面を最適化することが、
必ずしも正解にはならない。

一生懸命制作を進める人ほど、
分かっていても、つい忘れがちになるので、
肝に銘じておきたい。

誰かどこで決めたか定かでないが、
1時間設定のミーティング(以下MTG)が溢れている。

社内にしても、
社外の方と一緒に行うMTGにしても同様だ。

本来MTGは、何かを決める明確な目的があり、
それを定めた時間の中で話し合い、
決めるべきことを決める役割のはずで、
1時間という時間を消費することが目的ではない。

そうであれば、
内容によっては、15分や30分でも良いはずだし、
1時間で足りなければ、90分、2時間といった
長時間MTGでも良いはずだ。

また会議を行うことで、
事前の業務を中断しなければならないし、
移動が伴うものであれば、
時間体力のロスにも繋がる。

不必要なMTGに出席するほど、
生産性を低めてしまうのは明らかだ。


定例MTGにメスを入れよ


「明日のMTGって何する?」
「何か議題あったっけ?」

このセリフが飛び交う時点で、
そのMTGの絶対的な価値はない。

顔を合わせてコミュニケーションをとることが主旨であれば、
尚更1時間は不要のはずで、直接話したり、メールを飛ばしたり、
ランチに組み込んだり、やり方は多様のはずだ。


アジェンダと決めるべきことを明確にせよ


MTGを設定する場合、設定者は必ず主旨を明確にし、
アジェンダを伝え、何を決めるべきか、参加者に伝え、
必ず、決めるべきところを決め、
次のアクションとデッドラインをMTG中に定めること。

そうすることで、
次回MTGのアジェンダも明確になる。


必ず、5分前には終了させる



仕事柄多くのクライアントを相手にしてきたが、

「前のMTGが長引きまして…」と

開始時間になっても参加メンバーが集まらない企業は、
失礼ながら、意思決定が出来ない文化が背景にあることが多い。

もちろん必要なディスカッションが為されていたり、
より重要なことに時間を割いているならば仕方が無いが、
それであれば前述のように、90分、120分、150分と
予め長い時間を想定しておきたい。


権限を持つ人が最も意識するべき


MTGと生産性の話は、
多くのビジネス書でも書かれているように、
問題が蔓延し、メスも入れやすい領域のはずだが、

それでも、ダラダラMTGが蔓延してしまう所以は、
参加者の努力というより、
ファシリテート側/開催者の努力と
スキルの影響が大きいからだと思う。

その権限がある人ならば、今すぐに着手して欲しいし、
残念ながらその権限がなく、巻き込まれてしまっている人は
所属先が風通しが良い環境であれば、積極的に意見するべきだし、

大人の事情で逆らえない環境であれば、
自分が決定できる立場になった際に、すぐに改革するよう、
「自分だったらこうする」といったアイデアを温めておいて欲しいと思う。

何も考えない方が楽であるから、
一度決めても、元に戻ってしまうケースも多いが、
成果が出やすい箇所ゆえに、
懲りずに向き合わなくてはならない。

自戒を込めた話である。

お取引している某大企業の
プロジェクトオーナーは常務執行役員さんである。
打ち合わせにも出席され、その場で最終決定をして頂く。

今では珍しい話ではないが、
Webのカウンター部署の変遷を考えれば、
感慨深い話なのだ。


★ざっくりWebのカウンター部署の変遷★--------------------------
(※小規模会社や大手でも一部積極企業など例外もあり)

(1)ホームページ担当の時代
(2)IT部門の時代
(3)宣伝広報の時代
(4)マーケティングの時代
(5)マーケティング/経営企画/マネジメント層の時代
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その昔、多くの企業でHP(ホームページ)担当なる人がいた。

Webマスターとか呼び名はいろいろあったが、

「わが社のHPもそろそろ綺麗にしよう。
●●さんが上手に作れるらしいから担当になってもらおう」

という偉い人の掛け声で、
HP構築の知識がある人がそのまま担当になる。

その人が一生懸命HPを作るにあたり、
掲載情報の整理やデザイン面の強化などを理由に、
やがて外部業者に一部発注をしましょう、となる。
これは初期の代表パターン。

この時代は、デザインリニューアルの期待が高く、
プロとしてのデザインアウトプットが求められた。


次第に個人から組織で責任を担うようになるのが第2フェーズ。
多くはインフラ部門がフロントの面倒も見るようになる。

しかしIT部門は知識はあるが、
情報発信ミッションを担っていないため、
多くのWebサイトは味気なく、更新も積極的でない。
それが課題となり、次のフェーズに移行する。

今でも(3)の宣伝広報部門が管轄している企業は多いと思うが、
彼らは主にWebを情報発信ツールと位置付けている。

情報発信がミッションであるから、
積極的に改善が繰り返され、
メールマガジンやSNSの企業アカウントなど、
時代に合わせてそのツールも増えていく。

部署名に「コミュニケーション」と名が付く企業もあり、
情報発信に留まらず、ステークホルダーと企業やそのサービスを
エンゲージメントさせるなどの目的に繋がっていく。

(4)以降は、情報発信は手段であり、
いかにビジネスに結びつけるかの観点で
ミッションを背負っていることが多い。

売上に直結するECサイトを持つ企業の多くは、
(4)以降のカウンター部署であるし、
CRM、O2O、オムニチャネルといった取り組みも(4)以降が担っていく。


仕様説明からバリューの説明へ


対峙する相手が変わるということは、
求められるモノやコトが変わることを意味する。
すなわち、我々も変化していかなくては生き残れることはできない。

(1)(2)時代の我々は、例えるなら、我々はWebの先生であり、
持っている専門知識を惜しみなく披露すれば感謝されることが多かった。

ブラウザ、デザイン、SEOなど、ドヤ顔(かどうかはさておき)で、
クライアントにティーチングした経験がある人はそれなりにいるだろう。

しかし、そういった仕様説明は、
マーケティングに関わる立場からすると、
プロとして当然内包すべきもので、
もっと上位概念で語らなくては、話が通じなくなる。

Webサイトならば、
見やすい、使いやすいは当たり前、
で、このサイトの目的と価値は何?である。

Web先生から、
コンサルタントに転身する瞬間だ。

その施策の役割、そこから得られる価値、
投資対効果を踏まえたロードマップを作り、
計画的にデジタルに投資していく道筋を作り、
リードする。

限られた部門だけでなく、
関係する部署が増え、
全社横断的にデジタル施策を
遂行することも格段に増える。

そういう意味では、
コミュニケーション能力も従来より求められるようになったし、
従来のデジタルの知見だけでなく、
顧客のこと、市場のこと、(顧客の)競合のことなど、
クライアントビジネスを取り巻く知見が必須となった。

このように、たった10年の間に、
企業におけるデジタルの捉え方は大きく変わり、
それが管轄する部署を通じてもよくわかると思う。

その変化を傍観するのではなく、
常にこちらもその前を行くつもりで、
走り続けるというのが
我々に求められることだろうと思う。



「ディレクターが足りない」

各所から念仏のように、
ここ何年も聞いている言葉である。

制作会社に限った話ではなく、
自社サービスを持つ事業会社や、

ここ数年はエンジニアが着目されているが、
それでも、多くの領域を跨ぎ、制作を統括して、
最後までやり切るディレクターに対して、
一定のニーズがあるのは確かだ。


では何故ディレクター不足なのか

もともとニッチな職域であるからか、
客観的なデータはあまり見られない。
よって、ここでは私個人の仮説を述べてみようと思う。


・長くWebディレクターをする人が少ない


私もそうであったが、
Webディレクターは、
過酷な働き方をしている人が多い。

所属先によって役割は変わるが、
Webディレクターの多くは、制作で関わる全ての人を取りまとめ、
与えられた与件のもと、進行管理を司る制作の統括を担う。

しかし、デジタルの活用法が多様であるゆえ、
仕様が複雑化したり、二転三転することは日常茶飯事。
そのうえデッドラインは変わらず迫ってくる。

納品/リリース前の制作現場が自然と戦場のようになり、
全てを集約する立場のディレクターが、
徹夜コースになることは珍しくない。


彼らはスポーツ選手のように、
一時の通過点として充実感を覚えつつも、
将来どこかのタイミングで、働き方を変えようと考え出す。

働き方を変えるという意味は、
生産性を高め、肉体負担が少ないディレクターになるという意味ではなく、
(これはこれでとても大事なことであるが)

事業会社側でコントロールする側に回ること(=転職)だったり、
職域を変えて、ディレクター自体から卒業することを意味する。
結果として、ディレクターとしての数が減っていく。


・時代に適した「使える」ディレクターが少ない


「Webディレクター」という肩書きが出始めたのは、
2000年代に入ってからだと思うが、

90年代後半のWeb黎明期や2000年代前半に
Webサイトに従事していたプレイヤーたちは、

Webディレクションを主にするというよりは、
コーディングやプログラム、デザインなど、
手を動かす職域を兼任する働き方が主であった。

それが2000年中盤に、
大規模分業制が台頭してくると、
デザイナーやコーダーを司る制作のまとめ役を
「Webディレクター」とみなすようになる。


専門的に設計を担当するIA(インフォメーションアーキテクト)や
主に企画を考案するWebプランナー、
営業的なプロジェクト全体の統括役であるWebプロデューサーといった、
本来はWebディレクターの職域の中に
内包されていた肩書きが出始めたのもこの時期からだ。

大規模分業制の「Webディレクター」は、
デザイナーやコーダーを兼任せず、
むしろ、自分ではソースを書かない、画像に手を入れない、
いかに効率的に進行管理を行うか、に重きを置く働き方が主流になる。

この大規模分業制時代に、
Web業界の登竜門として、他業界からの転職、
会社によっては新卒採用の最初の職種として、
Webディレクターという肩書が増えていった。

しかし、フィーチャーフォンの台頭、
さらにスマートフォンが登場し、ソーシャルゲームの台頭を迎え、
再び、制作の職域を兼業できるディレクターの方が重宝されるようになる。

デバイスやメディアの垣根が曖昧になり、
横断的にプランニングしたり、進行したりしていくためには、
自らも技術やトレンドに精通していた方が効率が良くなった。

この時点で、かつて大規模分業時代に
制作管理に徹していたプレイヤーは、時代の波に乗って、
隣接する職域にジョブチェンジしていくプレイヤーもいれば、

変化に対応できなかったプレイヤーは付加価値が相対的に低くなり、
WebディレクターならぬWebオペレーターのような存在になってしまう。

皮肉なことに、時代によって価値がある、
使えるディレクターの定義が変わっているのだ。


・そもそも新しいWebディレクターが以前ほど生まれなくなった


新しい人材が「Webディレクター」として、
入り込まなくなったことも
特徴として上げられると思う。

Webに関わる業界に飛びこむ人自体は
少なくなっていないと思うが、
Webサイト構築を進める領域は(今は)花形ではなく、
専門学校のコースにおいても、アプリやCG/映像の方が主であるようだ。

つまり、若いディレクターが減り、
かつて若かったディレクターが高齢化する・・・。

なんだか暗い話のようだが、
では、これからのWebディレクターのあるべき像、
Webディレクターという立場は、どうなっていくのであろうか。

長くなってきたので、また次回。

その提案は、
なぜ、複数案なのだろうか。

自信がないから?
逆にあるから?

一方が抑えで、
もう一方は攻め?

FLASH全盛の時代であれば、
A案は、htmlベースの手堅く、見やすさを重視したデザイン
B案はフルFLASHの情緒感を全面に出したデザイン、
という複数案提示が多く見られた。

最近も、技術やトレンドが変わっただけで、
依然、見え方違いのデザイン案提示は見受けられる。


「見せ方の違いだけの複数案」
=単なる好みの選択に陥る



これらは戦略無き、
見栄え違いだけの複数案で、
そもそも相手に選択の基準を提示できていない。

見栄えを良くすることがゴールだった時代は良いが、
現代のような、良い悪いの基準が多くある状況の中、
決して賢い提案とは言えない。


では、
どうすればよいか。


それは、相手に選択してもらう基準を
提示できると良いと思う。


あるメーカーの企業Webサイトをリニューアルすることになり、
そのサイトの目的は、その企業の信頼感を高めることだとする。

A案は、オールターゲットを想定し、
製品をバランスよく見せ、トンマナも中間色を用いて、
誰が見ても、分かりやすい形にまとめた。

B案は、今後の注力ターゲットのシニア層を想定し、
他のターゲットでも対応できるが、よりシニアが使いやすいよう、
写真を選定し、文字の大きさに配慮し、柔らかいトーンに仕上げた。

ここでの判断基準は【ターゲット年齢】である。
どのターゲットに注力するか(又はバランスを取るか)という視点で、
クライアントに選択を委ねることになる。

ECサイトであれば、
例えば【どの商品群に注力するか】という基準によって、
レイアウトやデザインが変わってくるし、

会員制のファンサイトも、
会員獲得を主とするか、会員維持を主とするかによっても、
対応は異なってくる。

このように、客観的な判断の基準を定めることによって、
A案は----の価値をユーザーに提供できます、
B案は~~の価値をユーザーに提供できます、
といった、客観視点での提案が可能になる。

見せ方が異なるだけの、
A案、B案…との複数案提示に比べ、
明確にレベルが上がるので、
提案する側は意識すべきと思う。