Webサイトのカウンター部署の変遷 | Webディレクターの生活

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Webディレクターがデジタルの在り方を考えるブログ。

お取引している某大企業の
プロジェクトオーナーは常務執行役員さんである。
打ち合わせにも出席され、その場で最終決定をして頂く。

今では珍しい話ではないが、
Webのカウンター部署の変遷を考えれば、
感慨深い話なのだ。


★ざっくりWebのカウンター部署の変遷★--------------------------
(※小規模会社や大手でも一部積極企業など例外もあり)

(1)ホームページ担当の時代
(2)IT部門の時代
(3)宣伝広報の時代
(4)マーケティングの時代
(5)マーケティング/経営企画/マネジメント層の時代
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その昔、多くの企業でHP(ホームページ)担当なる人がいた。

Webマスターとか呼び名はいろいろあったが、

「わが社のHPもそろそろ綺麗にしよう。
●●さんが上手に作れるらしいから担当になってもらおう」

という偉い人の掛け声で、
HP構築の知識がある人がそのまま担当になる。

その人が一生懸命HPを作るにあたり、
掲載情報の整理やデザイン面の強化などを理由に、
やがて外部業者に一部発注をしましょう、となる。
これは初期の代表パターン。

この時代は、デザインリニューアルの期待が高く、
プロとしてのデザインアウトプットが求められた。


次第に個人から組織で責任を担うようになるのが第2フェーズ。
多くはインフラ部門がフロントの面倒も見るようになる。

しかしIT部門は知識はあるが、
情報発信ミッションを担っていないため、
多くのWebサイトは味気なく、更新も積極的でない。
それが課題となり、次のフェーズに移行する。

今でも(3)の宣伝広報部門が管轄している企業は多いと思うが、
彼らは主にWebを情報発信ツールと位置付けている。

情報発信がミッションであるから、
積極的に改善が繰り返され、
メールマガジンやSNSの企業アカウントなど、
時代に合わせてそのツールも増えていく。

部署名に「コミュニケーション」と名が付く企業もあり、
情報発信に留まらず、ステークホルダーと企業やそのサービスを
エンゲージメントさせるなどの目的に繋がっていく。

(4)以降は、情報発信は手段であり、
いかにビジネスに結びつけるかの観点で
ミッションを背負っていることが多い。

売上に直結するECサイトを持つ企業の多くは、
(4)以降のカウンター部署であるし、
CRM、O2O、オムニチャネルといった取り組みも(4)以降が担っていく。


仕様説明からバリューの説明へ


対峙する相手が変わるということは、
求められるモノやコトが変わることを意味する。
すなわち、我々も変化していかなくては生き残れることはできない。

(1)(2)時代の我々は、例えるなら、我々はWebの先生であり、
持っている専門知識を惜しみなく披露すれば感謝されることが多かった。

ブラウザ、デザイン、SEOなど、ドヤ顔(かどうかはさておき)で、
クライアントにティーチングした経験がある人はそれなりにいるだろう。

しかし、そういった仕様説明は、
マーケティングに関わる立場からすると、
プロとして当然内包すべきもので、
もっと上位概念で語らなくては、話が通じなくなる。

Webサイトならば、
見やすい、使いやすいは当たり前、
で、このサイトの目的と価値は何?である。

Web先生から、
コンサルタントに転身する瞬間だ。

その施策の役割、そこから得られる価値、
投資対効果を踏まえたロードマップを作り、
計画的にデジタルに投資していく道筋を作り、
リードする。

限られた部門だけでなく、
関係する部署が増え、
全社横断的にデジタル施策を
遂行することも格段に増える。

そういう意味では、
コミュニケーション能力も従来より求められるようになったし、
従来のデジタルの知見だけでなく、
顧客のこと、市場のこと、(顧客の)競合のことなど、
クライアントビジネスを取り巻く知見が必須となった。

このように、たった10年の間に、
企業におけるデジタルの捉え方は大きく変わり、
それが管轄する部署を通じてもよくわかると思う。

その変化を傍観するのではなく、
常にこちらもその前を行くつもりで、
走り続けるというのが
我々に求められることだろうと思う。