ジェームズ・マンゴールド監督、クリスチャン・ベイル、マット・デイモン、カトリーナ・バルフ、ノア・ジュプ、トレイシー・レッツ、ジョシュ・ルーカス、ジョン・バーンサル、レイ・マッキノン、レモ・ジローネほか出演の『フォードvsフェラーリ』。2019年作品。

 

第92回アカデミー賞音響編集賞受賞。

 

1960年代、自動車会社の大手フォード・モーターはイタリアの老舗自動車メーカーであるフェラーリを買収しようとするが失敗する。フェラーリを見返したいフォードは、ル・マン24時間耐久レースでの優勝を目指して元レーサーでカーデザイナーのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)に声をかける。シェルビーは旧知の仲でイギリス出身のレーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)と協力しあって、フォードGT40を改良していく。

 

LOGAN/ローガン』のジェームズ・マンゴールド監督の最新作。

 

僕はカーレースとかモータースポーツ、車の知識やそれらへの関心もないのですが(幼少期にスーパーカー・ブームがあったけどまったく興味がなくて、いまだにフェラーリとランボルギーニの区別もつかない)、予告篇を観て単純に面白そうだったので新年1本目の鑑賞映画に選びました。

 

カーレースの映画といえば数年前に観たロン・ハワード監督の『ラッシュ/プライドと友情』が結構好きだったし、マンゴールド監督の前作『ローガン』も見応えがあって、この『フォードvsフェラーリ』も評判がよくて手堅そうだったし。

 

映画評論家の町山智浩さんの作品紹介は聴いたんだけど、あまり記憶してなくて(いつも映画を観終えてからあらためて聴き直してます)、とりあえずレースシーンがかっこよさそうだなぁ、とそこんところを期待して。

 

ただ、実際に観てみると、本番の“ル・マン24時間レース”に至るまでが結構長い(上映時間153分)。

 

専門用語を使った会話が続くと字幕を読んでても意味がわからず、車そのものに興味がないのでところどころ退屈してしまった。レースシーンまだぁ?って。

 

 

 

多分、この映画を絶賛しているかたがたは、僕があまり興味をそそられなかった部分にこそ興奮したんでしょうけど。


クリスチャン・ベイルとマット・デイモンのコンビは見ていて楽しかったけど、僕はこの映画を観る前は(『ラッシュ』のふたりの主人公たちがそうだったように)異なる性格の彼らがいがみ合いながら友情を育んでいくような話だと思っていたので、最初から互いにわりと協力的だったことにちょっと肩すかしな印象を覚えたんですよね。

 

僕は劇場パンフレットを買っていないので詳しくは知りませんが、モデルになった実際のキャロル・シェルビーとケン・マイルズがレース参加に際して映画のようにフォードと激しく対立したのか、マイルズが映画で描かれてたほど素行に問題がある人物だったかどうかもよくわからないし。

 

フォードの副社長レオ・ビーブがあまりにわかりやすい悪役として描かれていたり(実際にはあのような人物ではないようだし)、マイルズの妻が急にレーシングカーのことに口を挟んできたりと、ところどころ腑に落ちない作劇も気になった。

 

 

 

この映画の舞台は60年代なんだけど、なんかあまり昔な感じがしなくて(車の形などで現在ではないのだろうことはなんとなくわかるが)、でも60年代といったらもうちょっと時代性が感じられるんじゃないのかと思ったりも。

 

あと、僕はル・マンのルールを知らないので、てっきりマイルズ一人が24時間ずっと運転し続けるのかと思ったら、別のレーサーと交替で運転していたり(でも、そのもう一人のドライヴァーはほとんど描かれない)、レースがどのような形で行なわれているのかすら映画観ててもよくわからなくて。

 

途中で無理やり子どもみたいな取っ組み合いの喧嘩させたりしていて、40越えたおっさんふたりが芝生の上でモノ投げ合ったり甘噛みし合ってる様子は確かに可笑しいし可愛くもあるんだけど。

 

ジェイソン・ボーンとバットマンのユル過ぎるケンカ

 

そして笑顔で仲直り。小学生かっ

 

でも、僕は巷で褒めちぎられているほど夢中にはならなくて、正直なところ、どちらが好みかといえば『ラッシュ』の方が好きだったかなぁ、と。

 

いや、観てよかったですけどね。作品そのものをクサすつもりはないですが。大きなスクリーンに映し出された、CGに頼らず本物にこだわったレースシーンは迫力ありましたし。

 

 

 

…ただ、なんていうか、これは命懸けで勝負に挑む男たちの物語に僕が心から入り込めない性格のせいかもしれませんが、家族もある身でなんでこんな走る爆弾のような代物に乗って順位を競う必要があるのだろう、というどこか冷めた気持ちが拭えなくて。

 

マイルズがたどった残酷な運命と、あえて苛酷で危険極まりない世界で生きる者の常人の理解を超えた「走らずにはいられない」彼のその想いに理屈を越えて胸が熱くなるところもあったし、この映画をきっかけに「栄光なき天才たち」の一人でもあったケン・マイルズにあらためて日の目が当たったことは素晴らしいと思いますが。

 

父の形見のレンチを息子はどんな思いでシェルビーから受け取ったのだろうか。

 

レーサーというのは狂気に取り憑かれた人々なのだろう。そしてそこに人々は熱狂する。

 

車体が浮いたような感覚になるほどの猛スピードで走る車。コースでのライヴァルとの接戦。それを疑似体験させてくれる映像と音。

 

主演のふたりは安定感があって(男同士の“ブロマンス”の要素がなくもないしw)、マイルズの息子ピーター役のノア・ジュプは『ワンダー 君は太陽』や『クワイエット・プレイス』に続いて売れっ子子役ぶりを発揮してるし、見応えあって普通に面白いと思いますよ。

 

 

 

ただまぁ、あまりに評判がいいのでちょっと期待し過ぎちゃったかな、と。

 

で、個人的に若干ピンとこないまま劇場をあとにしたんですが、その後、映画の背景について解説してくれている動画を観て、映画だけ観ていてもわからない知識を得ることでいろいろ補完されてちょっと面白さを感じるようにはなりました。

 

 

 

また、↑の動画でも語られているように、マンゴールド監督の『ローガン』やこの映画はハリウッドの大作映画と作家性のある作品の対決のような形で作られているのだ、と意識して観直してみると、より面白さが増すかもしれない。もう一度観たらもっと入り込めるだろうか。

 

自分一人ではその映画のよさがよくわからないなら、他の人たちの力を借りればいいんだよな、と思いました。それであらためて作品を楽しめればいいんだし。

 

それにしても、この映画でのフォードの描かれ方はなかなか容赦ないですね。“絶対王者”フェラーリには創始者のエンツォ・フェラーリに対しても最大限のリスペクトが感じられるのに(ちょっとマフィアっぽいけど)、フォードの社長ヘンリー・フォード2世の方はバカ殿みたいな扱いw

 

あちらの映画はこういうのが許されるのが素敵だよなぁ、と思いますが。

 

…もう、あと書くことがなくなっちゃったんで^_^;どうでもいいことを。映画の内容とは関係ないです。

 

以前から気になってたことなんだけど、ケン・マイルズ役のクリスチャン・ベイルの口許。

 

クリスチャン・ベイルはこの『フォードvsフェラーリ』で演じるケン・マイルズ本人に似せるためなんでしょう、だいぶ痩せぎすになってるんだけど、彼が喋る時、しばしば口を尖らせるのがすごく気になって。

 

 

 

 

同じように口許が気になるのがエマ・ストーンなんだけど、彼女もなんていうか、時々歯と唇の間に妙な隙間があるような口の動かし方をするんですよね。入れ歯が入ってるような。

 

ハリウッドの俳優は歯列矯正したり歯を全部とっかえたりする人が多いようだけど、彼らもそうなのだろうか、などと思ったり。もし今度ベイルさんやストーンさんの出演作品をご覧になることがあったら彼らの口の動きに注目してみてください。

 

…なんかペラッペラな感想でごめんなさい。観てから結構経つので内容をだいぶ忘れかけてて…(;^_^A

 

このレース映像は映画館で観てこそ!っていうスペシャル感はあったかな。興味が湧いたかたは劇場公開中にぜひどうぞ。

 

 

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