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フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。3

さて、先日から連載で書いている「フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。」も最終章になる。
まだ、見ていない人は、

フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。1


フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。2

を先に見ていただきたい。
核心に触れる前にフィリピンの社会的背景や、
過去のオークション会場が衰退、倒産していった理由も良くご理解頂けると思う。

フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。2
にも記載した通り、フィリピンのオークション運営にあたり下記の6つの問題によってオークションが衰退したり潰れていった。
逆に言えばそれらをクリアするのは今後フィリピンのオークション会社が勝って行くためには絶対条件であると言える。



1. ​サプライヤー(コンテナ供給業者)集めの難しさ
2. ​不良債権の増大
3. ​過度なネゴでの卸販売の罠
4. ​オークションオーナーの金銭に対する麻痺
5. ​売上の透明性
6. ​コンテナの品質維持


また、それに加えて様々な経営努力、創意工夫、マーケティング、ブランディングが要求されることになる。何故なら、フィリピンのマーケットは、一昔前のように、ジャパンサープラスなら何で買う、立地が良く大きな看板を掲げたら満員御礼という時代は終焉しようとしている。






成熟期に入ったフィリピンのジャパンサープラスビジネス

ちょうど日本のリユース市場が、
20年程前に導入期があり、粗利が高く誰でも簡単に利益が上がるという成長期が10年程前まで続き、
五年前ほどから成熟期に入ってからは淘汰の波が来たように、
フィリピンのリユース市場も成長期から成熟期に入ろうとしていると感じる。

成熟期とは、市場や認知度は確立されているが、反対に競合が増え、商品は消費者に行き渡り、価格競争が起こるため、経営努力をしなければ勝てない時期ということだ。





成功体験は企業を益々成功に導くが、時代が変われば失敗の方向にも傾く。
その成功体験の手法は新しい時代に決して正しいとは言えないからだ。

これからフィリピンのリユース市場は、オークションもリテールショップ(小売店)も、新しい時代が来ているからには、新しい勝ちパターンを追求しなくてはならないと思う。

では、新しい勝ちパターンとは何だろうか。


日本の古物市場とフィリピンのオークションの決定的な違い

ここで一つ、日本とフィリピンの古物市場の大きな違いに触れておきたい。

日本の古物市場は、売り人と呼ばれる業者がモノを持ち込み、
古物市場主がそれらを競りにかけ、
買い人と呼ばれる業者がそれらを落札するマーケットプレイスで、
売りも買いも古物商許可を保有する業者でなければ参加することもできない。

また、古物商許可を持っていても、その独特の雰囲気とルールに慣れていなければ落札することさえ難しい。

言わば、古物業界のための古物業界による、古物業界を守るための存在だと言っても過言ではない。


一方フィリピンのオークションはどうか?
もちろん、日本の古物市場のような側面も強い。
しかし、フィリピンにおいて古物営業法など存在しないため、
独自に業者以外参加できないというルールを作ったオークション会場以外、一般客も出入りが可能である。
一見同じような売り方の中に、根本的に違う性格を見ることができる。

また、次に大きく異なるポイントは、売り業者であるサプライヤーは即金で換金することができないという点であり、国も文化も習慣も、所得水準も違う、買い手の気持ちや、売れ筋商品も掴みにくいという点である。

これらの特性を理解した上で、
フィリピンのオークションの勝ち方を見出さなくてはならない。





フィリピンで勝ち抜くオークション


では、今後どのようなオークションが勝っていくのか?

ここでは、どの会社でもやらなくてはならない当たり前にやらなくてはならない経営努力は省き、

今までのフィリピンのオークション独自のポイントだけ触れたいと思う。



①安全なお金の流れの確保


これはどの商売でも共通することではあるが、東南アジア、特にフィリピンにはなおさら強調しておきたい項目なのであえて一番に挙げたいと思う。


フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。2


でも詳しく触れたが、フィリピンにおける多くのオークション会社の回収不可能な売掛金は増えるばかりだ。

つまり、商品を先に渡しての後払いや、チェック(約束手形)での支払い自体、この業界では成り立たないことを意味する。

つまり、お金をもらってから商品を渡す商売の基本を徹底するオークション以外は、バイヤーの食い物にされ倒産してしまう。どんなに客から文句を言われようが、日本の古物市場と同様に商品とお金は同時に交換するというルールを徹底しなくてはならない。





②一般客の取り込み


これは先程、日本とフィリピンの古物市場の違いにも触れたように、日本の古物市場には一般客は入れない。これは昔からの習慣と法律の壁の両方によるものだ。しかし、フィリピンにその法律は存在しない。

つまり、ヤフオクやイーベイが一般人に新たなショッピングとしてネットオークションを確立したように、

フィリピンのオークションもリアル版のオークションで一般客に対し、新たなショッピングの形態として展開ができる。

もちろん、たくさんの物量を同じ日に販売するためにはプロのバイヤーも呼ばなくてはならないが、

一般客を入れた方がもちろん売上も高くなる。

ヤフオクがあれば駅前にリサイクルショップを構えなくても、小売価格で売れるようにオークションでも小売価格で販売できるようになる。

これにより日本とは全く違うオークションビジネスの展開が可能になる。



③ブランディング


導入期や成長期は、商品があって、看板を出すだけで商売は成り立って利益がでる。
これは万国共通の法則だ。

しかし、成熟期に入ると消費者に商品は行きわたり、競合も増える。
つまり消費者はどこにでも手に入る商品となってしまうため、差別化を図る必要がある。

そこでブランディングを成功させられるジャパンサープラスに携わる会社以外は価格競争に巻き込まれて繁栄の道はない。





④ビッダーと社員に対する商品教育


フィリピンは経済成長しているとはいえ、日本のような先進国ではない。

ごく一部の富裕層は飛びぬけてはいるが、やはり一般の人間は日本と比べて全く豊かとはいえない。

それを象徴するかのようにフィリピンは人口は9000万人と言われているがルイヴィトンの正規店はマカティのグリーンベルトに一件あるだけである。


そんな環境下なので、ほとんどのフィリピン人は、ヴィトンの上代がいくらであるか分からないし、ノリタケの食器セットが一般サラリーマンの月収ほどの金額だとは夢にも思わない。

なので、商品価値が高い商品が入荷した場合、サプライヤーを満足させるため、また適正価格で商品を販売するためにも、販売に携わるスタッフに、そしてそれらを購入するビッダーにもそれを教育していく必要がある。


適正価格で販売できないとやがてサプライヤーは良い商品はコンテナに積込みすることをやめ、オークションの商品ラインナップの品質は向上することがなくなる。つまり、日本で売れないもの以外は入れるのをやめてしまう。


しかし、これからフィリピン人は経済成長すればするほど、高品質な商品以外は要らなくなってくるだろう。

この矛盾と、価格に対する意識のギャップをオークション主催者は埋める必要がある。


これはブランディングにも通じるところがあるが、物の魅せ方、売り方、説明の仕方、全てに工夫する必要がある。





⑤商品向上のためのサプライヤーとの連携


フィリピンは急激な経済成長に伴い消費者のニーズが日々変化しており、

また日本のリユース業界においても、業者に集まってくる商品が年々変化してきている。


そして、当時はフィリピンだけだった中古の家具や日用品における輸出先国も現在は、タイ、カンボジア、マレーシアなどの他の東南アジア諸国にも拡がり、フィリピンを制したからと言って安心できる状況ではない。


それらの変化を日本側のサプライヤーと現地のオークションサイドが綿密に連携をし、どんな商品を送ったら良いのか、どのくらいの単価になるのか、などの情報を常に共通認識が持てる、風通しの良い体制を作らなくてはならない。



⑥マーケティング力


マーケティングの本来の意味は、経営を潤滑にするための手段という広い意味があるが、ここで言うマーケティングは、集客や売上UPのための戦略と位置付けたい。


当社エコレグループの本業もWEBマーケティングである。

日本はつい10年前までWEBサイトを持っている企業時代が少なかった。

リサイクルショップの主流だった集客方法は看板とタウンページだった時代だ。


7~8年程前には、リユースの買取系のWEBサイトを、ヤフーやグーグルのPPC広告(pay per click)に出せばだれでも面白いように買取依頼を集客することができた。


ところが今は違う。徹底的にコンテンツにこだわり、デザインにこだわり、コンセプトにこだわり抜いたWEBサイトでなければ集客はほとんどできない時代になってきた。


口コミ、紙媒体でのCM、看板などのアナログでの集客に取って代わり、WEBサイトやSNS、メルマガなどのインターネット集客が主流になったことは、誰も疑わない。


フィリピンはどうだろうか。WEBマーケティングの視点から見るとまるで10年前の日本のレベルである。

フィリピン人の経営者の多くは、当時の日本のほとんどの経営者のように、「ホームページなんて、心が見えないものは商売には通用しない」、「日本人に根付くわけがない」と言っていたあの頃にそっくりである。


何を言いたいのかおわかり頂けると思うが、一般客を巻き込むオークションが前提であれば、なおさらマーケティングの上では、WEB戦略を制するオークション会場が勝っていけるということになる。




どこのオークションを選ぶべきか?


最後は、どのオークション会場を選べば良いのかという核心について紹介したいと思う。

自分が携わっているオークション会場だけに、宣伝のように聞こえてしまうのが恐縮ではあるが、当社が日本サプライヤー事務局として担当して携わっているATC JAPAN AUCTIONが答えになる。


公式サイト

• ATC JAPAN AUCTION 公式サイト

http://www.atc-japan-auction.com/

 

・ATC JAPAN AUCTION facebook ページ



 

・サプライヤー資料請求フォーム



 

 

ATC ジャパンオークションは、

 

・現地の中古品小売店の経営者、

・フィリピンビジネスや問題解決を30年以上行っているフィリピンのことを知り尽くした日本人、

・フィリピン、カンボジアへのリサイクル品の輸出を15年以上行っており、WEBマーケティングが専門の自分

 

といった、それぞれがフィリピンのオークションに必要な各専門分野で、現在それを本業としているプロ集団の集まりでもある。

 

もし、フィリピン輸出に興味を持つ方がいたら是非、問い合わせしてもらいたい。

これから長きに渡る結果をもって、このブログの内容が本当だということを証明していきたいと思う。

 


フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。2

これからの時代のフィリピンで勝ち抜くオークション会場の要件を述べる前に、過去のフィリピンにおけるオークション会場が衰退、倒産、分裂をしていった過去の実例に基づいて原因を分析してみたい。



1. サプライヤー(コンテナ供給業者)集めの難しさ

簡単に40 feetコンテナといっても、隙間という隙間、例えば家具や冷蔵庫の中にまでも無駄なスペースを極限にまでぎっしり詰めたコンテナを作るのは並大抵でないし、そのコンテナを作る体制が整えられる力のあるサプライヤー自体が少ない。

例え、既存サプライヤーがコンテナを送ることを何らかの理由でやめたとしても、常に新たなサプライヤーを補充してコンテナの本数を維持できるオークション会場でなければ長く維持することは難しい。
オークションはコンテナの確保が売上の源泉であり、最も重要な前提条件でもある。


2. 不良債権の増大

元々、フィリピンのオークションは日本の古物市場同様にリサイクルショップを中心としたバイヤーが競りに参加している。

最近はエンドユーザー(一般消費者)も参加可能なオークションも登場しているが、やはりそれを生業としているバイヤーの参加がなければオークションは成り立ちにくい。

多くのオークション会場は競り落とされた商品をチェックと呼ばれる約束手形により、二週間から一ヶ月ほど支払いに猶予を与えてバイヤーが参加しやすいというより、バイヤーに都合が良いオークションスキームを目指してきた。

バイヤーたちは、その猶予までに落札した商品の支払いをするのだが、ほとんどのこの業界のバイヤーは、企業というよりも資本力に乏しい自営業者のような人間が圧倒的に多く、
落札した商品をチェックの期限までに店で売りさばいて、その売り上げから支払いをしようという発想の人間が多い。

つまりは自転車操業で成り立っているのがフィリピンのジャパンサープラスのバイヤー達ということになる。
ジャパンサープラスのリサイクルショップがトレンディで誰がやっても飛ぶように商品が売れた時代はそれでも成り立っていた。

しかし、マニラ周辺におけるジャパンサープラスのマーケットは「フィリピンで勝ち抜くオークションとは1」にも書いた通り、既に成熟期にあり、昔のような勢いはない。
なので、リサイクルショップを何件も経営しているリサイクルショップ経営者が、自転車操業スタイルが通用しなくなり、支払いを遅延したり、支払いを踏み倒したりするバイヤーが増え始めている。

ビッグバイヤーと呼ばれるバイヤーは、一回のオークションで20万ペソから40万ペソ(約50万円から100万円)ほどの買い物をする。


大きなオークション会場は月間8回のオークションが開催されるので、反対にいうとチェックに一ヶ月の支払い期限を与えているオークション会場は1バイヤーに大凡160万ペソから320マンペソの売り掛けをも許すことができるということになる。


実際にかつては、有名なビッグバイヤーとして君臨していた複数店舗のリサイクルショップのオーナーは、自分が知るだけでもマニラ周辺の2箇所のオークションに230万ペソの売り掛けを払えずに逃げ回っているという。

これは、大きなオークション会場の数ヶ月分の利益に匹敵する。
一人のバイヤーの不良債権で手数料で成り立つオークションの運転資金が回らなくなる。
そこからは地獄のような悪循環の始まりである。

お金が回らないので商品を急いで売るために売上が下がったり、サプライヤーへの支払いが遅れたりしてサプライヤーが離れて行く。サプライヤーが離れるとさらにお金が回らなくなる。
そうやって潰れたり、苦戦するオークション会場も少なくない。



3. 過度なネゴでの卸販売の罠

オークションで厄介なのが、ネゴ(交渉による)販売である。

何故なら一見それはオークション運営において良い手段であるという錯覚を引き起こすからだ。

オークションを運営すると分かるが、時期や客層によって、オークション開始価格で誰も手を上げず、売れずに流れてしまう商品が必ず出てくる。
そこでオークション会社は、次回のオークションで競りに掛け直すか、常連のバイヤーにネゴで販売するかの選択に迫られる。

そこで多くのオークション会社は、ネゴで販売するという選択を選ぶところが多い。何故ならネゴは、手間もかからず、資金回収も早い上、相場に近い価格で販売できるからである。
しかし、そこに落とし穴が潜んでいる。

一旦ネゴでの販売をやりはじめると、売り手も買い手も便利なネゴの味をしめて、それがエスカレートし、コンテナが到着した瞬間に、良い商品は優良バイヤーを呼びネゴをして、余り物をオークションに出品しているというオークション会場もあるくらいである。
そうなると、ビッグバイヤー達はネゴするだけで、良い商品が手に入るので面倒なオークションには参加しなくなる。

また、そのオークションには良い商品が出品されなくなり、ビッダー達からは、あのオークションはゴミだけだと囁かれ始めてゆっくりと衰退が始まる。



4. オークションオーナーの金銭に対する麻痺

オークションは、一般的には手数料のみで運営され、売り上げのほとんどはサプライヤーの売り上げとして返金される。

売り上げは言わばサプライヤーの預かり金というイメージである。
サプライヤーへの売上の送金時期は、オークション会場にもよるが、平均的にはコンテナが到着してから60日、長いところだと90日というオークションも存在する。

一ヶ月に50万ペソ/コンテナを10 本を売るオークション会場であれば、500万peso(約1250万円)の売上になる。

オークション会場によっても手数料や締め方の仕組みは違えど、ほとんどサプライヤーや現地のブローカー(日本でいう乙仲業者)への支払い、家賃や人件費など諸々のコストで売上のほとんどは消えてしまう。

しかし、人間は大きな現金を前に分別が付けられる人ばかりではない。
その預り金であるサプライヤーの売り上げに手を付けてしまう人間もいる。

その心理はこうだ。
目の前に支払い期限が少し先のコンテナの売上があるとする。
しかも、次々とコンテナ入庫の予定もギッシリと入っている。
10 万円くらいを私的に使ってみても、オークション運営には支障がない。
また次も同じように使ってみる。やはりオークション運営には影響がない。

こうしてこれが癖になり、本来サプライヤーへの預かり金に手を付け始める。

フィリピンにおいて、10万円は大金である。
用途や場面によっても異なるが、一般的に日本とフィリピンのサラリーマンの給与比較から換算すると7~10倍ほどの貨幣価値のギャップがあるという感覚が近い。
フィリピン人にとって10万円は、日本人の70万円から100万円に対する感覚に近いのではないだろうか。
それが月間1250万円というと、フィリピンではどれほど大金なのかが、お分かりいただける思う。

そうやって最後にはサプライヤーへの支払が遅延し始める。
始めは、それらしい言い訳をするが段々とその言い訳が通用しなくなり、サプライヤーも不審になりコンテナ送るのを控え始める。
そこからは誰もが予想できる展開が待っている。



5. 売上の透明性


先程の4と同様に、これもオークションオーナー側の「少しくらいなら大丈夫。」とか、「見えなければ問題ない」という経営者のモラルの問題から生まれるリスクがこれになる。

日本のオークションとは違い、サプライヤーは基本的にオークションの売り上げに関しては、オークション会場からのレポートを信用するしかない。

家具や家電、日用品のオークションは車や重機のオークションとは違い、多額の開発費がかかるIT管理システムにコストを割くのが難しいから、売り上げレポートはエクセルデータでの事後報告となってしまうことが多いからだ。

日本側のサプライヤーと信用で成り立っているフィリピンのオークションだけれども、そのバランスが下記のように崩れてしまうことも考えられる。

オークション経営者は始めに、売り上げの源泉であるコンテナが来ることに関しては、ありがたいと感じるのは、どのオークション会社も同じであると思う。

ただ、フィリピンのオークションを経営すると分かるのだけれど、一見派手に見えるオークションも、日本人経営者にとって、さほど儲かる商売でない反面、運営に対する労力や作業量、責任やリスクは非常に大きい。

こんなに大変なのに、これしかお金が残らないというのがほとんどのフィリピンにおけるオークション経営者の本音なのではないかと思う。

そして、段々と年月が経てば経つほど初心の感謝の気持ちを忘れるのも悲しい人間の性でもある。

そこでオークションの売り上げ金額の偽装が始まる。

例えば、50万ペソの売り上げを調整して、売上を47万ペソとレポートする。
経営努力なしに3万ペソを手にすることができる。

5、6%くらいの金額なら実際にオークションの価格変動で当たり前に起こることなので、サプライヤーはレポートだけでは気づけないと思う。

これにより、1ヶ月10本を受け入れるオークション会場なら30万ペソ(約85万円)が純利に早変わりする。

先程も書いたようにこれはフィリピンでは大金になる。

もちろん、オークション経営者が、こんなことをするモラルがない人間ばかりではないが、私は、現在は潰れてしまったあるオークション会社が実際これをやっていたと、そのオークションの元経理スタッフから聞いたことがある。

サプライヤーは、どのオークションを選ぶのが安心なのか。
それは洞察力と信用でしかない。


6. コンテナの品質維持


フィリピンはここ数年で飛躍的に経済発展をしている。
それに目がけて格安のありとあらゆるジャンルの中国、韓国製品の新品がショッピングモールで並んでいる。
いくらmade in Japan ブランドといえども、消費者の心理として日本製の中古品を買うか、さほど金額が変わらない新品を買うかは常に比較検討されることになる。
一昔前のように所謂ボロは今のフィリピン人は見向きもしない。
そこまでフィリピン消費者のレベルは上がっている。
また、年々と高く売れるコンテナの内容も変わり、日本からフィリピンに輸出して合う商品、合わない商品も変化し続けている。

これらの傾向をいち早く掴み、サプライヤーと共有できるオークションでないと、急激な変化を伴う時代についてこれず、やがて閉鎖においこまれる。


他にも、スタッフの不正、ヒューマンエラー、泥棒、不正にお金を取ろうとするフィリピンの税務署、警察、乙仲業者など様々な日本ではありえないような落とし穴をオークションは勝ち超えていかなくてはならない。


次のブログでこれからのフィリピンで勝っていけるオークションの要件を自分なりの意見を紹介したい。



続く



フィリピンで勝ち抜くオークション会場とは。1

先日、当方がパートナーと共に運営させていただいておりますフィリピンのATC JAPAN AUCTION について紹介記事を書きたいと思います。









私がフィリピン輸出に携わってから15年目を迎えようとしているが、その間、日本のリユース市場と同じく、フィリピンのリユース市場も急激な変化を見せている。



その背景には、


日本のリユース市場の拡大、
フィリピン経済の発展、
日本人の景気の良いアジア進出思考、
フィリピンはゴミでも売れるという幻想がなどが理由に挙げられると思う。


それらが追い風となり、

自分が携わった期間に、

日本のリサイクルや不用品処分業者の挑戦者たちが毎月のように押し寄せて、リサイクルショップが増えては消え、消えては増えを繰り返しながら、少しずつ増加していきながら、フィリピンにおけるジャパンサープラス市場は過渡期を迎えていると感じる。



それは、フィリピンのリサイクルショップだけではなく、同時にオークション会場も全く同じことが言える。

フィリピンのオークション会場は、まだフィリピンでブラウン管テレビが高値で売れていた2006年から2008年頃に、フィリピンのリユース市場を築いてきた、ガイヤの夜明けにも特集された某企業の飛躍的な成功で脚光を浴びた。

オークション会場も日本では当時からゴミでしかないブラウン管テレビや、ボロの家具や日用品を送るだけで当時のペソ高も後押しして、1コンテナあたり、150万円から300万円の売り上げになったというのだからものすごい一攫千金のビジネスだったといえる。
まさに、ゴミが宝に変わる商売である。

しかし、最近のフィリピンではSMや、ロビンソンなどに代表される大型ショッピングモールで大量に販売される中国、韓国の新品の家電や家具、日用品の品質の向上、
また、より品質にこだわりを見せ始めたフィリピンの中間購買層、
日本から続々と進出してくるリサイクル業者の増加により、供給過多によって、市場が大きく変わり始めている。

この数年で立ち上がったオークション会社も新たに立ち上がっては、潰れたり分裂をしたりと長く安定しているオークション会場は数少ない。


ちなみに先ほど話をした草創期を築いた全盛期では月間コンテナ40本を集めていた某オークションも縮小をしながらも昨年2013年に完全に閉鎖されている。


その敗因は一体何か。
また、これからフィリピンで勝っていけるフィリピンのオークション会場の要件は何か。
自分自身の過去の経験や実例を踏まえてブログにて紹介していきたい。






続く


何をするかより、誰とするか!

何年か前に、東北にあるリユース業大手の尊敬する社長にお会いした際、わざわざ零細企業の自分のブログを見て頂いていたようで、『俺は木下さんのブログに書いてあった
「何をするかではなく、誰とするかだ。」という言葉に感銘を受けたよ!』
と言って頂いた。

企業は人なりと言うが、それに始まり、それに終わると歳を重ねるごとに、その自分の言葉を染み染みと感じている。

日本国内で、
フィリピンで、
カンボジアで、

自分の会社の内外問わず、
進めば進むほど、
歩けば歩くほど、
「人」の問題で精神的にも、経済的にも何度もダメージを受けた。


そんな時に思い出す言葉がある。
現在、金融業、不動産業で成功を収めているビジネスの師匠は、当時20歳そこそこの若輩の自分に教えてくれた。


「自分と出会うパートナーをとことん信じて、
また、とことん尽くして行動すればよい。
ただ、8割の人には裏切られるよ。」
ビジネスや社会を知らない若い自分はこの言葉に衝撃を受けたのを良く覚えている。
10人のうち、ほとんどの8人の人たちに裏切られるのかと。
しかし、その方は続けた。

「反対に言えば2割の人は、あなたの誠意に応えてくれる。そのかけがえのない人には、さらに死ぬ気で尽くして行けばあなたは成功できるよ。」と。


最近、微力な自分にも素晴らしいパートナーが増えた。
辛い経験の方が多いのは当たり前。
これからも数少ない真の応援者に感謝をしながら歩んで行きたい。




エコレグループ6周年前日

夏も真っ盛りの時期に入り、明日の8 月5日で、エコレグループは6周年を迎える。

嘘のようで本当のお恥ずかしい裏話をすると、この日を会社設立日にしたのは、
会社設立した当時まで、毎年この日の前後に江ノ島の花火大会が開催されていました。
若いころ、何年も江ノ島の海の家を5、6 月頃から建てて、7月、8月は客の呼び込み、9月には海の家を解体するというサイクルでバイトをしていた自分にとっては8月5日の花火大会というのは、一年間の中で大きな節目であり、一番盛り上がるイベントでもありました。

前身の屋号のエコレを法人化し、株式会社エコレグループにしようとしたタイミングがちょうど7月末あたりだったのですが、設立を依頼した司法書士の先生が、どれか好きな日を設立日として決められるとのことだったので、
江ノ島の花火大会が開催されるこの日に会社の設立日にして、
これから入社してくるスタッフと共に毎年会社の設立記念日には、江ノ島の花火でも観ながらお祝いしたいという思いで選んだのを覚えています。


実際には、江ノ島の花火大会の開催日はその後、夏ではなく秋に変更されたり、エコレグループ自体が花火に行ってお祝いしようという社風でもなくなってきたので、その思いは今だに実現できておりませんが。笑

エコレグループは現在、
仕組み作りの中核を担うエコレグループ本体と、

厨房機器の売買や、飲食店のサポートをするエコレキッチンプランニング、

WEBサイトの制作拠点である
エコレカンボジア、

日本の中古品の輸出販売において、現地フィリピンの窓口になる
エコレJP マーケティング サービス

の小さいながら国内2社、海外に2社を展開して参りました。

それらは、前身の屋号であったエコレの事業を、様々な人との出会いやご縁、時代背景の中で、少しずつカタチを変えながらも、進化と発展、ビジネスの閉鎖と立ち上げを繰り返す過程の中で生まれました。

エコレグループが丸5年が経過した今、また新たに「どこに」「だれと」「何を」「どのように」展開するかを明確化し、焦点を絞り、八月から年末にかけて大きな組織改革を実行しようと思います。
具体的な改革後、またこの場やWEBサイトでお知らせしたいと思っております。



成功する企業には、2通りのタイプがいると言われております。

一つは、一般的にポピュラーな目標達成型。
目標を明確に定め、その目標を逆算して日々の行動に落とし込むタイプです。
多くの経営者はこのタイプで、ストイックに自分の道を全力で走っていくタイプです。

もう一つは、人脈展開型。
人とのご縁で新たなビジネス展開するタイプです。何をするかではなく、誰とするかに重きを置くタイプです。


エコレグループの基本体質は後者となります。
もちろん、場面場面で前者の実践も経営としてしていくのですが、体質としては完全に後者となります。


設立当初、今のエコレグループはこんな展開になるなんて、想像もしていなかったように、
まだ見ぬ、設立10周年のエコレグループがどうなって行くのか、誰と何をしているのかをワクワクしながら邁進していきたいと思います。


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