伝えること、伝わること | てにを舎の考具 考える日本語®

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日本語を学びなおしてみると、今まで気づかなかったルールや魅力が見えてきます。
少しだけことばに意識を向け、日本語について考えてみませんか。

コミュニケーションについていろいろと考えていくと、最終的には「伝える」「伝わる」に行きつくのではないかと思います。


伝える…自動詞。作用が媒介物を経て一方から他方へと移る。次から次へ受け継がれる。『広辞苑』


自動詞は基本的に人の意志に関係なくおこるものです。


伝える…他動詞。言葉などである内容をもった事柄を知らせる。あるものが仲立ちとなって、電気・熱・音や情報などを他方に移す。『明鏡国語辞典』


他動詞は「~を」という目的の助詞を使うように、人の意思が存在します


その違いから考えると、受け手となる人に「伝わる」ためには、出し手側が、「相手が自然と理解できるような内容をもった事柄」を伝えなければなりません。


もう少し噛み砕いて考えてみると、自分目線で一方的に話したり、書いたりしていては「伝えたつもり」という自分勝手な思い込みが残ってしまいます


コミュニケーションが成立するためには、伝えたいことを伝わるように行うこと


つまりは、自分の話す内容を整理し、相手目線で話す、書くことでその内容がすんなりと理解できたとき初めて、「伝わった」ということになるのです。


そして、「伝える」「伝わる」ともに内容の移動に関与している重要な道具が「ことば」です。


そう考えると、
きちんとしたコミュニケーションを成立させるためには、
出し手(書き手)側の伝え方(文法ルールに基づいた表現)
相手に伝わるようなことば(適切な語彙の選択)

の2点が必要になります。

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