ある日、ひょんなことから、俺はタイムトラベルの能力を身に付けてしまった。
タイムトラベルといっても、身体毎時空を移動するのではなく、魂だけが時空を超えられるのだ。
だから、危険な目に遭うこともないし、どんなところでも入り込め、どんな密談の場に居ようが、悟られることはない。
そのお蔭で、太古の恐竜を生で見、卑弥呼がどんな女性だったかを知り、本能寺の変の真相も知った。
暫らくは、俺は自分の能力に夢中になった。古今東西、謎とされてきた歴史の真実は、あらましわかった。
歴史が、いかに時の権力者に都合の良いように書き換えられてきたかということも、板というほど思い知った。
そこには、事実すら捻じ曲げられているものも数多くあった。
それをネタに本を書こうかとも思ったが、やめにした。真実ほど面白くないことはないからだ。
あらましの過去を知ったところで、俺は少し飽きてきた。
後は未来なのだが、今まで未来に行くのは躊躇っていた。
過去のほうが知りたいという欲求もあったが、それ以上に未来に行くのが怖かったのだ。
だが、俺は決心して、未来へ行くことにした。まずは、近未来からだ。
そして、俺は未来へ行ったことを激しく後悔した。
過去を知るのは楽しいが、未来なんて知るもんじゃない。
歩きスマホの男性にぶつかられて、電車の到着間際に線路に突き落とされて亡くなった女性。早くに両親を亡くし、その姉を親代わりとして生きてきた琴音は、その名から逃げ去った犯人に復讐を誓う。
姉の死から一年後、ふとしたことから、犯人の男と琴音は出会うことになる。
複数の歩きスマホの加害者と被害者。
歩きスマホに理解を示す人と憎悪する人。
それらの人々が交差するとき、運命の歯車は回り出す。
大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。
将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか?
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。
夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。
無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。
その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。
小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。
奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。
旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。
そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。
ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。
世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。
果たして、勝者は誰か?
奪われた物は誰の手に?