待ちに待った宇宙だ。俺は、意気揚々とロケットに乗り込んだ。
この日のために、どれだけ苦しい訓練を積んできたことか。
子供の頃から、宇宙は俺の憧れだった。
いつか、宇宙を旅する。その夢が、ついに今日叶うのだ。
発射の秒読みが始まる。俺の胸は、期待でトキめいていた。
カウントがゼロになった時、轟音を立てて、紅蓮の火柱が噴射した。
身体に掛かるGは、飛行機の離陸どころではない。だが、訓練を積んできた俺には、そのGが心地よかった。
残念なことに、ロケットには窓がない。
モニター越しに外の景色は見えるが、やはりこの目で眺めたかった。
大気圏を脱出して、宇宙空間と呼ばれる地点に来て、俺達は船外に出た。、
宇宙空間から眺める地球。
それは、写真や映像を観るよりも、遥かに壮大な眺めだ。
その地球の一点が光った。それから、次々にあちこちで光る。
船内に引き上げた時、緊急連絡が入ってきた。
どうやら、核戦争が起きたらしい。
連絡は途中で途切れたが、最後に聞いた話によると、人類の大半が死滅し、地球上は放射能で覆い尽くされているという。
だが、俺は焦りも恐れもしなかった。
核戦争で死ぬより、憧れの宇宙で死ねる方がずっといいからだ。
歩きスマホの男性にぶつかられて、電車の到着間際に線路に突き落とされて亡くなった女性。早くに両親を亡くし、その姉を親代わりとして生きてきた琴音は、その名から逃げ去った犯人に復讐を誓う。
姉の死から一年後、ふとしたことから、犯人の男と琴音は出会うことになる。
複数の歩きスマホの加害者と被害者。
歩きスマホに理解を示す人と憎悪する人。
それらの人々が交差するとき、運命の歯車は回り出す。
大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。
将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか?
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。
夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。
無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。
その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。
小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。
奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。
旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。
そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。
ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。
世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。
果たして、勝者は誰か?
奪われた物は誰の手に?