俺の足許で、枯葉が舞っている。
人生に疲れた俺にはお似合いかもしれない。
社会人になってから30年、ずっと走り続けてきた。それこそ、家族や自分の時間を犠牲にしてまで、会社に尽くしてきたつもりだ。
会社なんて非情なものだ。
そうまでしてきた俺を、業績不振だからといってあっさり解雇しちまいやがった。
多くの社員を救うためという大義名分の下に、身を粉にして働いてきた大勢の中年社員が解雇された。表向きは早期退職ということになっているが、自ら進んで応募したのはごくわずかで、後は肩たたき同然に辞めさせられてしまった。
いくらマスコミが騒ごうが、世の中まだmだ不景気だ。株価がどれだけ上がったところで、得をするのは投資家だけで、サラリーマンの給料は上がりゃしない。
帰って女房に告げると、即座に離婚を切り出された。上乗せされた退職金を、慰謝料として請求するとも言われた。
確かに、俺は仕事のために家庭を犠牲にしてきた。しかし、それもこれも家族を守るためにやったことだ。
大企業とはいえ、まだまだ日本の会社は、旧態依然とした体質から抜け出せていない。休日を返上しての接待や上司との付き合いゴルフ、いくら仕事が早く終わろうが、上司が帰るまでは帰れない、意味のない朝礼に夜遅くまでの会議。採算や生産性を度外視した体質が、根強く残っているのだ。
会社と女房の両方に裏切られた気分になった俺は、あてもなく街をさ迷っている。
大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。
将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか?
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。
夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。
無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。
その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。
小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。
奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。
旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。
そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。
ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。
世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。
果たして、勝者は誰か?
奪われた物は誰の手に?