俺は、笑いが止まらなかった。
こなにもうまくいくとは。
俺は、詐欺の天才かもしれない。
これまで、なにをやってもうまくいかず、人生崖っぷちに追い込まれていた。
最初に勤めた会社でこつこつと真面目に二十年間働いてきたのに、不況で会社が危うくなると、これまでの貢献などなかったように、あっさりと俺を切り捨てた。
どんなに恨んでみても、どうしようもなかった。
転職活動を頑張ってみたが、とことんうまくいかなかった。
仕方がない。
俺は高卒の叩き上げなのだ。
この不況の折り、学歴もない俺を雇ってくれる会社なんてなかった。
失業保険が切れても、就職口は見つからなかった。
このままでは、家賃や光熱費どころか、飯さえも食えなくなってしまう。
思い余った末、俺は労基に駆け込み、不当解雇を理由に、俺をクビにした会社から、いくばくかの金を取ろうとした。
だが、遅かった。
俺は、振り上げた拳を下しようがなくなった。
俺はこれまで営業で培ってきた経験を活かして、結婚詐欺を働くことにした。
それが、こんなにうまくいくなんて。
一体、これまでの社会人生活はなんだったんだろう。
大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。
将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか?
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。
夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。
無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。
その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。
小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。
奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。
旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。
そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。
ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。
世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。
果たして、勝者は誰か?
奪われた物は誰の手に?