僕は、幼い頃から、父親の言うことをよく聞いてきた。逆らえなかったという方が正解だろう。
テレビもマンガも見ず、友達と遊ぶこともゲームもせず、ただただ、親の言うまま勉強に励んできた。いい大学に行って、いい会社に就職する。それが人生の幸せだという、父親の言葉を信じて、青春を犠牲にしてきた。
そして、超難関大学を優秀な成績で卒業し、誰もが知っている超大手の会社に、なんなく就職した。
父親は喜んだ。就職が決まったとき、これでおまえの人生は安泰だと、嬉しそうに私の肩を幾度も叩いた。
僕が就職して半年も経った頃、会社の不正が発覚し、全国的に取り上げられた。その不正のお蔭で打撃を受けた企業は数知れず、会社の信用はガタ落ちで、賠償金も膨大な額に上り、みるみる会社は傾いていった。
会社ではリストラの嵐が吹きまくり、従業員の4割が退職に追い込まれた。それでも、会社の損失を埋めることは出来ず、更に解雇人数を増やし、残った社員も、大幅な減給となり、友達や親類にも顔向けできないくらい、悪徳企業とのレッテルが張られた。
僕は、新人だからなんとか残れたもの、結局1年後に、その会社は外資系企業に買収され、同時に僕はお払い箱になった。
僕は、初めて父親に文句を言った。
「人生、いろいろあるさ。これも勉強のうちだ」
父親が返した言葉は、それだけだった。
大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。
将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか?
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。
夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。
無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。
その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。
小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。
奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。
旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。
そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。
ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。
世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。
果たして、勝者は誰か?
奪われた物は誰の手に?