由利之介と進之丞は、切っ先をお互いに向け対峙していた。

 夜風に、すすきが揺れる。

「どちらが上か、いずれ決着をつけねばならんと思っていたよ」 

「それは、拙者も同じよ」

 二人は、共に道場で腕を磨きあった剣友だった。

 同情では龍虎と呼ばれ、二人の腕は互角だ。

「どちらが勝っても、恨みはなしだぜ。進之丞」

「心得ているよ。由利之介」

 言うや、二人の体が交差する。

 鉄と鉄のぶつかり合う音と共に、二人の位置が入れ替わった。

 由利之介は眉間から、進之丞は右の肩口から、うっすらと血を流している。どちらも浅手だった。

 そのまま、暫く無言の対峙が続く。

 二人の殺気に圧されたのか、さきほどまで鳴いていた、秋の虫の音が途絶えている。

 二人が、片で息をし始めた。一刻ほどして、二人が同時に動いた。

 進之丞が胴を払う刀を、由利之介が跳躍して避けながら、そのまま大上段に手にした刀を振り下ろす。

 進之丞が、ゆっくりと倒れる。

「許せ、進之丞。剣の道とは非情なものよ」

 刀を懐紙で拭いながら、由利之介が小さな声で呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

心ほぐします(現在連載中)

大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。

将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。 
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか? 
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。

 

 

真実の恋?

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

真実の恋?を面白く読んでいただくために

 

 

恋と夜景とお芝居と

ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?

 

絆・猫が変えてくれた人生

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無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。

その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。

小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。

 

プリティドール 

奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。

旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。

そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。

ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。

世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。

果たして、勝者は誰か?

奪われた物は誰の手に?

   

短編小説(夢

 

短編小説(ある夏の日)

 

短編小説(因果)

 

中編小説(人生は一度きり)

 

20行ショート小説集

 

20行ショート小説集②

 

僕の好きな1作シリーズ

 

魔法の言葉集