「どうする家康」(NHK、23年1-12クール日20)をようやく見終わりました。

素晴らしいドラマをありがとう! 

一時、かなり酷評されたと記憶していますが、素晴らしいドラマでした。王道ドラマですよね、逆に。

古沢良太さんは、さすがの才能です。酷評なんかに惑わされずに、これからも素晴らしいドラマを描いていってほしい。丁寧に人間の感情、成長を描ききった素晴らしい脚本家さんです。1年を通してのロングスパンだからこそ描ける流れ、成長、本当にすばらしかった。

 

そして、松本潤。もはやなんともいえない。すばらしい、圧巻の演技。終盤の老年期の貫禄、お年寄り感の演技は圧巻(ジャニーさんを身近で見ていたからか、老人演技がうますぎる)。顔がアップになると、本当にきれいな顔だなとつくづく心から思いました。

そしてそれよりも何よりも、「どうする家康」を見て、非常に驚き感動したのは、まさかまた再び道明寺司に会えるとは思っていなかったので、若き家康は、道明寺を見ているようで、アホで調子に乗りやすくてバカでダメなやつなんだけど、優しくてかわいくて純真な道明寺。まさか道明寺にもう一度会えるとは思わなかった。大好きだった道明寺。私は道明寺にあまりにはまり、このまままつじゅんファンになるのかと思いきや、歌ったり踊ったりしているまつじゅんには特に興味をひかれず、まつじゅんファンにはならずに道明寺ファンのまま終わりましたが、その道明寺にまさかまた会えるとは。道明寺には幸せでいてほしかった。道明寺が苦しんだり泣いている姿は見たくなかった。私から見ると、道明寺家康にしか見えないのに、その道明寺が泣いたり悲しんだり苦しんだり、瀬名と信康を失って、見てられなかった。石川数正の出奔までも素晴らしかったですね。秀吉死後は、「ようやくいよいよか」と視聴者は思うというのに反比例して、家康がどんどん暗くなっていって。道明寺も年を取ったらあんな感じのやさしいおじいさんになるのかな? でも、道明寺にはずっとアホで調子に乗りやすくてバカでダメで優しくてかわいい道明寺でいてほしい。

 

現代に生きていてもつらいことが多いけど、現代はそうはいっても、選択一つで死ぬということはめったにないからな。戦国時代は大変ですね。

神の君のおかげですね。しかし、よくもまあ、信長秀吉家康と、短い期間に近隣で天才がぼこぼこ現れましたよね、みんな思うことだけど。そして、よくもまあ、長生きして、秀吉が死ぬまで長生きで、大阪夏の陣の翌年になくなるなんて、どんだけタイミングよしなんだ? だから影武者説も出てくるんだよと。ただまあ、鎌倉パパとか北条政子とかかなりの長生きだったらしいから、鎌倉時代の人でも長生きする人は長生きするわけで、まあ江戸時代なら、瀬名仕込みの薬草で、長生きできてもおかしくはないのか?

真田も関ヶ原の後、命を奪っておけば、大阪の陣で苦労しなかったわけですが、そうやって皆殺しにするのは鎌倉殿だけで、神の君はそこまでしないのですよね。

徳川家臣団の皆様もとても素敵でした。本当に楽しいドラマだった!

俺の家の話(TBS2021年1-3月クール、金22)の感想です。

 

ネガティブな感想ですので、ご容赦ください。

 

これを見終わって、私はだから宮藤官九郎のファンをやめたとつくづく感じた。

三谷ならこういうドラマは絶対に書かないので。最近は三谷のファンもやめつつあるが、三谷なら、安心してドラマを見ていられる。視聴者の感情を置いてけぼりにはしないからだ。面白くない話があっても、ひどい目にあわされるのではという不安はない。

クドカンは、IWGP、その後辺りに、やはり能力の高いWなので、本当にすごいなと思って、めちゃくちゃ一時ははまったけど、マンハッタンラブストーリーの最終話で一時大嫌いになって、しばらくクドカンアレルギーがひどかった。

AがBを好きになって、BがCを好きになって、CがDを…となっていく展開の妙に素晴らしいなと思ったが、ある時から好きの矢印が逆回転しだすところから、なんか趣向を凝らしすぎることに集中しすぎていて、ストーリー展開や人間の感情はどうでもいいのかよ、と少し引き気味ではあったが、最後の最終話の松岡の「くだらん!」あれは、いまだに忘れられない。このドラマを楽しみに見てきたすべての感情を馬鹿にされた気がして、本当に嫌だった。

視聴者は感情をもってドラマを見ているので、その感情を起きてけぼりにするのはやめてほしい。

 

「俺の家の話」、好評価なんですかね。私にはそれは全くわからない。

まず、父親(西田敏行)が寿一(長瀬智也)の子供時代にとても厳しくて怖かったという設定がおかしい。現在の父親との連続性がなさすぎる。そのなぞと気があるのかと思いきや、全くない。同一人物には見えないけど?あんな人が、いきなりあんないつもの西田みたいに感情豊かな人間になぜなるのか?褒めたら終わりだから云々というセリフもあったが、子供時代の父親はそんなことでは説明できないような冷たさだったのでは? 子供時代の父親の設定を変えるべきだったのでは?

 

あと、介護も全然掘り下げられていない。認知症という設定にはなっているが、困った行動がほぼない。あの父親の困った行動は認知症行動ではなくて、西田の愛すべきキャラクターによるべきもので、介護の困難というものが全く描かれていない。車いすになってしまった不便さぐらいでは?手助けがあれば一人で体も髪の毛も洗えそうですが。

 

そして、家で介護することをあきらめ、グループホームに入る場面もおかしい。寿一がケガしていたから面倒を見れずっていうことだったけど、そしたらその短期間だけでいいのでは? けがが治ってもなぜグループホームにいたのか? 寿一が涙流しながらさよならするような話か? 家庭介護の終わりっていうエピを書いているわりには、ひどい描写。

 

寿一がプロレスと能の二足のわらじのとこもよくわからなかったが、最後に死なしてしまうとは。寿一はただの妖精さん、神様で、本人の幸せはどうでもいいのか。そしてさくら(戸田恵梨香)がようすけと結婚するのはやりすぎだろう。打算的な女で恋愛感情はない設定なのか?意味不明。誰でもいいのか。

主人公が妖精さん、神様設定っていうの、「ごめん、愛してる」かなんかでも見たが、あれは一応、視聴者の感情はおいてけぼりにならず、最後まで神様設定だったと思う。

 

なんか、こういうストーリーの破綻だけでもいやなのに、展開の奇抜さを狙って視聴者の感情おいてけぼりですか、だから私はこのWは信じていないんだったというのがよく思い出されるドラマだった。

西田敏行と長瀬智也の掛け合いは超一流だったけど、これなら「タイガー&ドラゴン」の方がよかった。

 

最後あんまムカついて、撮りダメしている全話、一気に削除してやろうとも思った位だったが、一応思いとどまってはいる。

 

米倉涼子、オスカー退所とのこと。オスカー、やばくないか?

オスカーは音事協に入ってないから引き抜き放題みたいな記事みたけど、忽那汐里、岡田結実に続き、米倉が退所したら、オスカーやばい。

と思ったけど、スポニチの記事によると、一連の退所とは関係なく、再婚をめぐってのトラブルとのこと。別に再婚してもよくないか?1度目の結婚も即離婚だったと思うし、すぐバツ2にたとえなったところで、イメージが悪くなるわけでもなし。

藤原紀香も再婚をバーから反対されたとのことで、再婚時のバッシングを見る限り、バーが見限ったっぽいけど、事務所は変わってないはず?

小泉今日子に至っては、不倫でも報道でバッシングされず、バーを退所しても、バーの圧力が効いているっぽい?

 

オスカー、崩壊の危機ですかね。

ジャニも崩壊の危機ですが。

2019年10月クールTBS日21

 

本当に素晴らしいドラマだった。久々に、テレビドラマらしい、さわやかで心地よく素直に感動できる王道ドラマを見たと思った。非常に良いドラマだった。

 

ストーリーがまず良い。それぞれの登場人物の思いが良く伝わってきて、仲間感を感じることができる。キャラクター設定と、それを際立たせるストーリー展開も見事。下っ端から脱却できず苦しむ芹田、生意気なパティシエ、努力し苦悩する祥平、仲間思いの京野、そして人間力がすばらしい速水倫子、天才シェフの尾花夏樹。素晴らしかった。

主題歌の入れ方も、王道ドラマっぽいというか、90年代00年代のドラマ全盛期ですか的な感じ。

 

最初は、鈴木京香の演技力に驚いた。あんなにきれいなのに、あそこまで演技力があるって本当にすばらしい。キムドラは、ずっと若い女優さんと共演してきて、飯島さんが抜けた「BG」から同年代の女優と共演するようになったけど、「BG」見たときは、同年代の女優と並ぶとキムタクが老けて見えるので、やっぱり若手女優、30代ぐらいを相手役にした方が良いのではないかと思ったけど、この鈴木京香は素晴らしい。美人な上にあそこまで演技力があって、人間力が素晴らしい速水倫子。人を認め、自分を卑下せずに、腐らず、まっすぐ、他人に優しい倫子さん。倫子さんあってのグランメゾン東京で、最初の方は尾花が最低な人間風の描かれ方だったものの、特に倫子さんが尾花に騙されているようには見えなかった。やはり鈴木京香の演技力のたまものだと思う。

 

そして中盤からは、やはり木村拓哉にはスーパースターとか天才役が似合うとつくづく思うぐらいのはまり役。「BG」では、なんか、中年DQNっていうか、常識なくて、浅くて、その割に年くっていて、こいつ何?的な感じもあったが、王道のキムドラよりも、キムタクの役に人間性が伴っていて、人間力が高くて、年を取ってこそ出る円熟感を感じた。丸みと円熟さを感じられる人格なのに、天才でやはりどこか突き抜けている感じが、とてもはまっていた。かっこよかったと思う。

でも、その尾花も倫子を支える。京野も倫子を支える。それは、あの鈴木京香の演技力があってこそ、見ていて白々しくならないわけで、このドラマではヒロインが鈴木京香で本当に良かった。そして恋愛物にならなかったところも良かったと思う。

キムタクも演技力があってよかったと思う。表情、しぐさはやはり超一流だ。

 

キムドラって化け物みたいな視聴率をたたき出していたが、「安堂ロイド」当たりで暴落したけど、でも化け物みたいな視聴率時代も、ここまで素晴らしいドラマってあったかなっていうぐらいのすばらしさ。「武士の一分」とか良かった気がするが(映画だが)、あとは、なんか忘れているが「PRICELESS」も良かったんだったか、「月の恋人」「CHANGE」辺りは結構ひどかったように思う。「アイムホーム」は面白くなかったし。「BG」は全体的にちぐはぐな感じだったし。

 

「グランメゾン東京」の最終話の最後のミシュラン以降のところなんて、「Long Vacation」の瀬名の演奏シーンを思い出すレベル。ロンバケなんて放送時にしか見た記憶がないし、もしかしたら再放送とかで見たかもしれないけど、もう20年ぐらい経ってる?それなのに思い出す名シーンというか、恋愛感、ドキドキ感がすごかったけど、「グランメゾン東京」のミシュラン以降のシーンは、まるで瀬名と南のように、「BG」で山口智子とのシーンみたら二人とも老けたなとしか思わなかったけど、ストーリーと役者の演技が全然違って、倫子と尾花で恋愛ものとしては描いていないのに、この胸の高鳴り感というか、表面的にはさらっと書いているシーンだし、二人の演技もくどくないのに、この感じ、非常に素晴らしいドラマでした。

 

木村拓哉が久々に本当にすばらしかった。いつもこういう役をやるといいと思う。本当に良かった。

 

鈴木京香は当然素晴らしい。

京野さんは演技はうまいけど、あと1枚皮がむけるというか、あと1段うまくなると、良いなあと思った。

芹田役の寛一郎と、パティシエ役の吉谷彩子は、演技がうまくて驚いた。寛一郎は、お父さん譲りの毛量の多さだ。

玉森は演技云々の話ではないが、これぐらいの年代の人が出ていたほうが、ドラマとして高齢化しないし、ストーリー展開にも良いと思って、玉森の役がいたことで、ドラマが引き締まったと思う。尾花のやさしさとすごさも伝わってきたし。

 

ビジュアルについていうと、木村拓哉、髪型が古いと思う。パーマのかかり方が90年代前半っていうか80年代?感すら出てないか。あと、痩せすぎ。石原裕次郎みたいに太るのもどうかとは思うが、ある程度年齢いったら、それなりに恰幅あった方が良いと思う。もう少し太った方が、上半身は特に良いと思った。あと、バイク載っているシーンが似合わない。それ以外は、役が良かったので、久々にすごくかっこよく見えた。

髪型については、本当にどうかと思う。マネージャーと離れてやりたかったことは、自分の好きな髪型にすることなのか。昔酒井法子とか、事務所からショートカットにしろっていわれて、いやで伸ばしたとか聞いたことあるが、マネージャーが髪型チェックにうるさかったと聞くが、マネージャーと離れて、キムタクヘアを辞めたのか、UOMOの写真、あれ、髪がストレートだと、ただのかわいいおじさんですか?みたいになっていてドン引きしたが、このグランメゾン東京の髪型は、キムタクっぽいくしゅくしゅ感はトップにはあるけど、なんか逆に古臭い髪型でどうかと思うし、髪型は、SMAP時代の方がいいと思う。あんなにきれいな顔立ちでも、髪型でここまで違うものなのか。UOMOみたいになっちゃうわけで、斎藤工みても思うけど、あんなかっこいいのに、若いころのストレートヘアだと売れずに、パーマヘアにしたら売れてるみたいに、キムタクもキムタクヘアでないとキムタクにならないというのがびっくり。しかしマネージャーと離れてやることが髪型変えるって、子供じゃないんだし、何年芸能人やってんだよと思うことは思う。

ただ、髪型への不満も途中から消えるぐらい、ドラマが良くて、キムタクもかっこよく見えた。

 

でも、ドラマで仲間との絆が出るほど、SMAP解散しなければよかったのではないかと思ってしまう。あんなスーパースターって、石原裕次郎と石原軍団以来なんでしょう?もったいないよね、解散するなんて。

 

あのSMAPSMAPでの生謝罪のイメージがどうしても消えずに、これはもう芸能生命の危機かとも思ったけど、グランメゾン東京のカッコよさでだいぶ、SMAPSMAPのイメージも薄れてきたように思う。ただなあ、やっぱ90才近くなってくるとどうしても意固地が強くなるっていうか、人間の癖が際立ってくるのかもしれないし、こんなスーパースターが解散してバラバラになるなんて、本当にもったいない。そして、ずっとスーパースターで家族を見せずにやってきたのに、子供がデビューしているからな、それもどうなのかなと思うが、ただ、マネージャーと離れて、マネージャーのキムタク戦略と離れても、このドラマは本当に素晴らしかった。

 

グルメドラマって当たらないって言われていたように思うが、おしゃれでおいしそうに見えて、キャラクターが生きていて、すばらしいドラマだった。

 

 

 

最後に視聴率

 

曜 時           [01] [02] [03] [04] [05] [06] [07] [08] [09] [10] [11]    平均
月【21】シャーロック.. 12.8__*9.3__*9.9__10.6__*9.3__*8.3__*9.9__*8.9__*9.9__*8.8__*9.8(終).._*9.77
  【22】ハル..      *4.5__*3.7__*4.9__*3.8__*4.0__*4.6__*4.2__*3.7(終)....______________________*4.18
火【21】まだ結婚     11.5__*7.7__10.0__*9.5__10.0__*8.9__*8.5__*8.6__*9.0__*9.7(終)._________*9.34
  【22】G線上の私.... *7.8__*8.8__*7.3__*6.9__*6.7__*6.7__*8.6__*7.6__*6.5__*9.6(終)._________*7.65
水【22】同期のサクラ. *8.1__*9.5__*9.3__11.5__11.8__11.7__12.2__10.8__10.3__13.7(終)._________10.89
木【21】ドクターX6 .   20.3__19.0__18.1__17.8__15.9__19.3__18.6__17.4__18.2__19.3(終)._________18.39
  【22】モトカレマニア.*5.6__*5.2__*4.1__*3.0__*4.6__*4.1__*4.3__*4.7__*4.2(終)..________________*4.42
金【20】カクホの女2.. *6.9__*4.9__*4.0__*3.8__*5.4__*5.6__*5.0(終)...______________________________*5.09
  【22】マリーゴールド10.3__*7.8__*7.6__*6.2__*7.1__*5.7__*7.1__*6.4__*7.0__*9.2(終)...________*7.44
  【23】時効はじめ  *7.7__*6.1__*5.9__*4.9__*6.3__*6.2__*5.5__*5.5(終)....______________________*6.01
土【22】俺の話は長い.*8.4__*9.0__*8.9__*8.4__*8.0__*7.7__*7.4__*9.1__*7.2__10.4(終)._________*8.45
  【23】おっさんsky   *5.8__*4.7__*3.5__*4.6__*4.3__*4.2__*4.3__*5.1(終)....______________________*4.56
日【21】グランメゾン  12.4__13.2__11.8__13.3__12.6__11.8__11.8__11.0__14.7__11.1__16.4(終).._12.74
  【22】ノワール.    *7.8__*6.5__*6.4__*6.5__*7.1__*6.4__*6.0__*7.1__*6.9__*8.1(終)._________*6.88

 

-平均-最終-前回比--局・枠----タイトル-----
=【20%】======================================
18.39|19.3|+1.1P|EX__木21|ドクターX~外科医・大門未知子~
=【15%】======================================
12.74|16.4|+5.3P|TBS日21|グランメゾン東京
10.89|13.7|+3.4P|NTV水22|同期のサクラ
=【10%】======================================
*9.77|*9.8|+1.0P|CX*月21|シャーロック
*9.34|*9.7|+0.7P|CX*火21|まだ結婚できない男
*8.45|10.4|+3.2P|NTV土22|俺の話は長い
*7.65|*9.6|+3.1P|TBS火22|G線上のあなたと私
*7.44|*9.2|+2.2P|TBS金22|4分間のマリーゴールド
*6.88|*8.1|+1.2P|NTV日22|ニッポンノワール-刑事Yの反乱-
*6.01|*5.5|±.0P|EX__金23|時効警察はじめました
*5.09|*5.0|-0.6P|TX__金20|特命刑事 カクホの女2
=【*5%】======================================
*4.56|*5.1|+0.8P|EX__土23|おっさんずラブ-in the sky-
*4.42|*4.2|-0.5P|CX*木22|モトカレマニア
*4.18|*3.7|-0.5P|TX__月22|ハル~総合商社の女~

 

キムタク主演ドラマ視聴率
34.3 HERO
32.3 ビューティフルライフ
30.8 ラブジェネレーション
30.6 GOOD LUCK!!
29.6 ロングバケーション
25.2 プライド
25.2 眠れる森
24.4 華麗なる一族
23.9 協奏曲
22.6 エンジン
22.6 空から降る一億の星
22.1 CHANGE
21.3 HERO 2
20.5 MR.BRAIN
20.1 人生は上々だ
18.2 ギフト
18.0 南極大陸
17.7 PRICELESS
16.8 月の恋人
15.2 BG
14.8 アイムホーム
14.5 A LIFE
12.8 安堂ロイド
12.7 グランメゾン東京

 

視聴率見ると、本当にテレビドラマは終焉したなとすら思う…。

映画はほとんど見ませんが、評判を聞いて『凪待ち』を観てきましたので、感想です。

 

これは大傑作。人生の理不尽さと人間のダメさと、そしてやさしさと希望を描く、本当の傑作だと思いました。

私は今、自分の問題と向き合っている最中で、悔しくて辛かったり悲しかったり憎しみ恨みつらみでどうすればよいかわからないことが時々あります。今週ちょうど『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』というのを読んだけど、悔しくて辛いし憎いけど、でもそれでも自分が悪いんだ、自分が全部悪いんだ、自分なんていなくなればいいのに、死ねばいいのにといつも思っていました。自分がどう改善したら、どう頑張れば、状況が良くなるのかな、周りが幸せになるのかなと思っていました。

それがこの『凪待ち』を観たら、自分が悪くてもいいんだ、というか、自分に悪いところがあっても、それでもどんどんそのまま自分らしくあがいて生きていけばいいんだというか、そのままでいいんだというか、生をそのまま受け入れるというか、ダメなところも弱いところもすべて含めてそれはそれでいいんだ、人生はそういうもので続いていくんだ、ひどい目にあうこと、理不尽な目が続くこと、どうして自分ばかりこんなひどい目にあわなければいけないんだ、どうして誰も助けてくれないどころか攻撃してくるんだとか、でもやっぱり自分が悪いんじゃないかとか思ったりもしたけど、そういうことをすべて含めて、そのまま生きていけばいいんだと思えるような、本当に沁みるというか、ぐっと人生を変えるような、そんなすばらしい作品だなと思いました。

 

木野本郁男(香取慎吾)、前半はいつも通りの香取慎吾で、普通に明るく優しい青年だった。同僚の弱弱しそうな、でもどこかにヤバさを感じさせるナベちゃんを助けるところ、ナベちゃんと一緒に仲良く話しているところ、恋人の娘と仲良くするところなんかは、本当に普通に明るく優しい青年で、いつもの香取慎吾のしゃべり方で、事前評だと、なんか香取慎吾の演技がすごいと聞いたけど、それってファンによる褒めだけであって、別にこれではいつもと全く変わらないのでは?とすら思ったし、最初のころのストーリーは、はっきりいって退屈だった。

 

でも、結局、人間としてはとてもやさしい人で、人を助けて一緒に嫌がらせを受けたり会社を辞めなくてはならなくなったり、お酒飲んで競輪やって、っていう。娘のことも思っていて、亜弓(西田尚美)がひどいこと言うもんだからけんかしたけど、一人で娘を探して、お母さんに電話かけさせるとか、やっぱり普通にいいひとというか。仕事もちゃんとやってるし、ギャンブルだって、2000円とか、そんな別にすごい金額を突っ込んでいるわけではない。へそくりをちょろまかすといっても、あの様子では、いっても1万かな、という感じ。別にヒモなわけでもないし。

 

それが、理不尽な事件で、突然恋人を奪われ、自分のせいだという罪悪感を抱え、娘にもひどいことを言われているにもかかわらず、職場でもあまりに理不尽な目にあい。あれは我慢できないよ。そりゃ、みんな暴力振るった方を悪く言うだろうけど、あの状況で我慢できますか?っていう話。そりゃムカつくし、耐えがたいね。

で、リリーフランキーにやさしくされても、それで、視聴者から見たら、理不尽な目にあっても優しくしてくれる人もいるから、頑張ってほしいと思うけど、そんなの本人からしたら無理だよね。あんなに辛くてひどく苦しくて、そりゃリリーフランキーがやさしくしてくれたのはわかるけど、それで心の苦しさが癒えるわけではなくて、で、ギャンブルに逃避してしまう。で逃避する分、また罪悪感と苦しさが増えていって、で、もう、少ししたら立ち直るのかなと思ったけど、見ていて、ああこりゃダメだっていう深みにどんどんはまっていって、見ていてしくじり先生に出ていたギャンブル依存症の貴闘力の回を思い出して、お金を極力持たないようにしていると貴闘力が言っていたので、本当にお金持たせちゃいけないんだなとか思って。

途中までは、「本当に世の中ひどすぎて、心からひどい理不尽な目にあうことってあるよね!!!」と思ってみていて、本当に世の中ってひどいよねと見ながら共感していたが、そこから郁男本人もダメなひどいことばかりしていって。もう、顔向けできないっていうことだよね、と思って。そこでも手を差し伸べてくれる人がいるにもかかわらず、見ている方としては、ようやくここで立ち直れるかなと思っても、全然立ち直れなくて、これじゃ、助けてくれる人にも顔向けできないし、どんどんやさぐれて、もう立ち直れないよ、このまま孤独で野垂れ死ぬしかなくなっちゃうよ、と思って、でも見ていて、これは傑作だなと思った。

 

ときどき、ドラマなりなんなりを見ていると、「これ、大丈夫かな?」と思うことがある。このまま、どんどんひどい目にあうんじゃないか、大丈夫なのかなと見ていて不安になることもあるけど、見ているだけでこっちがひどい辛い気持ちになるだけじゃないかと不安になることもあるけど、この映画は、見ていて傑作なので、これは不安にならないで、この映画に身をゆだねて、感情をゆだねて大丈夫という安心感があった。このまま見ていても、視聴者としてひどい思いをさせられることはないというか、なんというか、ひどい展開が続いても、郁男や周りを心配はすれ、この映画大丈夫かなと言う不安はなかった。

 

ノミ屋の店員(奥野瑛太)の、郁男を見る表情が変わっていくのが面白かった。「え?この人大丈夫?」みたいな。

で、ああやってギャンブル依存症の人に借金を負わせるやくざ、さすがだなと思ったし、私は絶対に裏カジノとかそういうものは信用できないと思っていて、だって公営のギャンブルなら当たったときにちょろまかしたりはされないだろうけど、裏カジノとか、胴元がやくざとかって、吸い取られるだけ吸い取って、当たったらバックレられるって絶対あると思うし、当たらないように操作するとかも裏カジノならあると思うけど、競輪なら当たらないように操作はできないだろうけど、でも、これ絶対にありうるな、と思った。

途中、審議待ちになるところとか笑えたっていうか、なんかリアルって思ったし、でも見ていて、こんなひどい目にあって、ようやく郁男はギャンブルを止められるかなと思ったけど、やめられなくて、こりゃひどいというか。

ヤクザも、お釣りくれるんだという驚きがあった。借金とかツケってさ、ちゃんとこちらが計算しとかないと、ぜったいに盛られるというイメージがあったんだけど、ヤクザもお釣りをちゃんとくれるのか。そしてそれを賭けちゃうってさぁ。

 

郁男がダメなのは事実なんだけど、でもそうでもしないと生きられないというか、いや、お父さんと娘にへたくそな字で手紙書いてたけど、リリーフランキーにも言ってたけど、逃避というか緩慢な自殺というか、もうだめなんだろうね。

手紙を聞いていて、太宰治を思い出した。「人間失格」であるシングルマザーと付き合って面倒みてもらってたけど、幸せそうなその親子をみていて、自分さえいなければこの親子は幸せになれるんだって去っていく葉ちゃん。短編の作品でも、なんかもう行き倒れそうな人がようやく助けてくれそうな家を見つけたけど、その家を見たら親子が幸せそうにしていて、自分なんかが入って行ったら幸せを台無しにすると思ってそのまま去っていくという話があったけど、これ、わかるけど、それ考えちゃだめだよね。もう甘えなよ。一緒に暮らしなよ、と思う。そんなにあんた悪い人間じゃないよ。加害妄想っていうの?罪悪感から来る妄想ではないか?大丈夫だよ。

 

悪いところあるけど、それでいいんだよ。もうそれでいいよ、と思った。

で、RENTのGOODBYE LOVE→WHAT YOU OWNじゃないけど、もう要は落ちに落ち切らないと、ダメなんだろうと思う。

そう考えると、私は自分が傷つかないように、傷を小出しにしているから、落ちに落ち切らないから、ぐじぐじしているのかな。一度、2012年ごろ、別の理由でいろいろやって、でももうこれは自分の望むものじゃないなと思ってふっきれたところがあるけど、まあRENTのおかげでふっきれたけど、郁男も、もう「苦しいよー。つらいよー。もう俺は無理だよー。」って全身全霊で辛さを憂さを表して、もうだめにだめになって、落ちに落ち切らないと、感情的に落ち切らないと、吹っ切れないんだろうなと思った。

 

縁日のシーンで、売り物のビール手に取って飲んでけんか吹っ掛けに行くシーンとか、もう見ていて、気持ちわかるけど、そりゃダメだよっていう。郁男の気持ちがよくわかる。

で、リリーフランキーに助けてもらうという。

 

リリーフランキーは、サイコパスというよりは、ある意味いい人の部分も少しは本当にあるんじゃないか。でもメインは罪悪感から、なのか。この人がここまで苦しんで落ちているのは、自分のせいなわけで。

 

で、本当に郁男は不運というか、ついていない。何もあのタイミングでナベさんのニュース見なくても。ナベさん、明らかにおかしいから何かあったんだろうなとわかるようにはなっていたけど、まさか。

ニュースだけ見ていると、「ああ、この人、ダメな人間だな」と思うけど、世の中には、本当に理不尽なことがいろいろあって、その人にとってももうどうしようもないという部分はあるんだなとも思った。

 

無敵の人、じゃないけど、もうこうなったらあいつらに復讐してやらなくちゃ、どうせ生きていても意味ないんだし、死にたいし、みたいな。ノミ屋破壊のシーンは、見ていて多少気持ちよかった。どんどん壊せみたいな。で、勝美さんが助けてくれる。お葬式にも親分さん来てたもんなー。

 

勝美さんの独白シーンがすごくて、前科があって、奥さんがいなかったらのたれ死んでいたか誰かに殺されていたかって言っていて、そういう自分と郁男を重ねたのかな。

 

ヤクザからの帰りのシーンで、香取慎吾が泣いているシーン、もうあれ見ていたら泣きますよ。DVDだったら借りて号泣ですけど、映画館ってその点辛いよね。

ヤクザの親分とノミ屋の店員の孫写真のやりとりも笑ったけど、娘の父親と病院で会っちゃうところとか笑った。

 

つらいことも山のようにあって、世の中にはつらいことが全然ない恵まれた環境なのにそれに気づかなくて、他人に意地悪をしている性格の悪いおかしい人もいっぱいいて、なんで自分ばっかりこんなひどい目に合うんだとか思うけど、でも、自分もダメだし、とも思うけど、

 

「それでも、生きてゆく」主題歌だった小田和正の歌で

「自分の生き方で自分を生きて 多くの間違いを繰り返してきた

頑張っても頑張ってもうまくいかない」っていう歌詞が合って、本当にその通りで、私の人生まさにそうだと思っているけど、この歌詞だとそのあとに「でも気づかないところで誰かがきっと見てる」って続くんだけど、そこは全然納得いかなくて、誰も見てないし、見てたとしても助けてくれないし、別に誰かに見られたいわけでもないしって思うけど、「凪待ち」見たら、ひどい目にあって、自分もダメでも、それでもそのままでいいんだと思えた。

 

この映画、本当に傑作である。

そして、演者がすごい。勝美さん役の吉澤健さん、圧巻。こういうおじいさん、本当にいそう。無口で余計なこと言わないのに、気持ちが伝わってくる。これはすごい役者さんだと思った。本当に光っている。

娘役の女優さんは、ちょっときれいすぎるかなと思った。もう少しメンヘルっぽいというか、暗い影があって、見た目はもう少し地味な方が、いそうな感じではある。芸能人的な美人差が目立った気がする。香取慎吾が華はすごかったけど、この映画ではビジュアル悪かったので、余計、芸能人的外見はこの娘だけみたいな感じだった気もする。

 

そして、香取慎吾。もう、演技がうまいとかそういうレベルではない。この役をこんな風に体現できる、それはもう天才的。監督が香取慎吾をベタ褒めしているが、これは本当にすごい。私は、三谷幸喜のファンだったので、昔から三谷モノで香取をよく見ていたけど、昔は私香取慎吾が三谷モノに出てほしくなくて、三谷と俳優の好みが私とで合わないなと思っていた。三谷は香取に素直な役をやらせるのが好きだけど、まああの三谷幸喜にあそこまで愛されているから、それはすごい才能が元々あったんだろう。で、「新選組!」は、本当に香取慎吾がへたくそで、周りが上手すぎるからこれまた下手さが浮いていたけど、最終話1話前の、「お久しぶりです、加納君」のセリフにしびれた。あのセリフで、三谷が香取に近藤勇をやらせたいと言っていた気持ちがよくわかって、香取慎吾は天才だろうなと思った。この人は、1-2年、俳優業に専念すれば、本当に化け物みたいな俳優になれるんだろうなと思ったけど、そのあとも特に、仕事忙しいから、そんなね、すごい俳優になったイメージはなかったけど、元々天才だったんだろうね。この映画は本当にすごいわ。まさかいきなりここまですごい演技を見せてくれるとは思わなかった。

しかし「新選組!」でジャニ枠ではなく、三谷たっての希望で大河主演をやったせいで、ジャニが他の仕事との調整をしてくれなくて、あまりの多忙さにSMAPを止めようと思った、でSMAPを止めたら芸能人でもいられないので芸能界もやめようと思ったといっていた、あの香取慎吾が、山本耕史に支えられ、すばらしい新選組!を完成させ、あの人嫌いっぽい香取慎吾を口説き落とす能力をもった山本耕史が堀北真希ちゃんと結婚したというのも、うなづける。大物スターだと、欲得で近づいてくる人とかも多いしいろいろ孤独もあるんだろうけど、そういう人の心に入れるすごい能力をやまこーは持っていて、それが香取慎吾と同様に堀北真希にも通じたんだろう。その香取慎吾がSMAPを違う理由で辞めるとは、「新選組!」のころにはとても予想できなかった。そして「れいわ新選組」ができるとも思わなかったし、原田左之助が国会議員になるとは。

香取、舞台も出てほしいですね。ドラマだと演技のうまさって伝わらないので、そこは舞台が一番役者を輝かせるので。でも私はもうここ10年ぐらい三谷幸喜から離れているので、この前の舞台もチケット取らなかったし、香取の舞台って「SING LIKE TALKING」しか見たことないけど、あの時は演技力は特に感じなかったけど、華がすごい。やっぱ華がすごいね。

 

マツコ・デラックスが、「SMAPでない3人に魅力を感じますか?」「マンパワーが違うのよ」といったという記事が出てるけど、視聴者がネットに悪口書くんなら、そういうこと書く人いるけど、芸能人同士でそんなディスるとかドン引きだけど、はっきりって地上波出てるコメンテーターとかひな壇の人とか、SMAPよりも知名度ある人なんて一人もいないだろうね。司会やっている人とかドラマ主演している人だってSMAPよりも知名度ない人だっているし。

でもそんな反論とかするよりも、この「凪待ち」見ろよっていう感じ。もうこれ見せつけられれば、「ああ、すごい才能でございました」って平伏すしかないっていうか。この演技できる俳優がどんだけいるんだ?日本に5人もいないんじゃないか?という位のレベルでした。

 

ちょっと感想があちらこちらに飛び散りましたが、本当に素晴らしい作品でした。

 

最後に、昔書いた「新選組!」の最終話あたりの感想でもコピペします。読み返したら、なんか歳三ヲタすぎて、若干自分に引いた。あと昔は文章がそんなに熱こもってないなと思ったけど、三谷幸喜ってやっぱり天才だなとも思った。三谷、久しぶりに見るの再開しようかな…。

 

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新選組!「流山(48回)」2004.12.5感想

オープニングのナレーション部分で、試衛館以来の同志は局長と歳様のみと言うところで、既にぐっと来てしまった。平助の斬死と山南さんの切腹という文字を見ていたら思い出してうるうるきてしまった。その後前回の斎藤シーン。すごくすてきだった。感動していたのに、斎藤は尾形につかみかかってまでもあの話をされたくないという、なんだか笑えた。そして島田が流山の話を。流山には行っちゃだめだよ、と思っていたら、なきそうになった。そして主題歌に。「近藤勇(大久保大和)」「土方歳三(内藤隼人)」このクレジットを見たら、我慢できずに泣いてしまった。オープニングと主題歌では、別になくシーンがあったわけでもないのに、もう流山とか考えるだけで泣けてくる。歳さまの女好きぶりは面白かったけど。
そして沖田とお孝。永倉と原田。こんな回なのにちょっと明るすぎやしないかと思ったけれども、後半からしんみりするだろうからまあいいのかな。原田は最高。別の隊に入るつもりはないという。そうだよ、そうこなくちゃ。そして沖田と局長。徳川の世がもう一度来ないことを、あの人だって知っていると言う。総司を天然利心流宗家5代目にして、野試合をもう一度という。楽しそうだ。一方、斎藤は「いつ死ぬんだ?」と聞く。こんなずばりのことを言っても許されるのは斉藤だからだろう。しかしその後の沖田の間がすばらしい。「あなたは死にません」と姉に言われ、局長も総司は良くなるというふうにはなしている。しかし本人はそろそろ死ぬと思っているわけで、周りの人もそんな変な気を使わないではっきり言って欲しいという気持ちもあったんじゃないかな。でも実際ずばり言われると堪える。しかし堪えたのを超える、と。斎藤は総司が幸せだと言う。刀の時代が終わってしまって、今は薩長と戦っていればいいけれども、もし生き延びて、人を斬るだけがとりえの人間はどうやって生きていけばいいのかと。なんとも言えない。京都ではあれだけ刀が力をふるっていたというのに、いざ戦争となれば刀はもう使えない。市街地戦には刀が使えるのだろうか。時勢を読んで上手に立ち回った薩長に対し、義を重んじて時代に取り残されていった新選組。それだけではなく、鉄砲を使う薩長に対し、刀を頼りに時代に取り残されていった新選組。二重の対比だ。

そして流山。実際の流山はこんなだったのかもしれないな、と思った。兵もその場にいなく、ろくに応戦もできなかったらしい。大久保大和に会いたいと官軍に言われても、別人を大久保大和に仕立ててだせばいいと思ったけれども、あんな感じでやってこられたら、とりあえず局長にあわせるだろうな、と。そして本陣へ。捨助がむかついて、捨助のせいで近藤勇だとばれることになったら、三谷のことを恨んでやると思っていたが、さすがにそんなことがなくて本当によかった。しかし今日一番笑ったのが、歳さまが捨助を殺そうとしていたこと。まじでうけた。かっちゃんを守るためなら捨助なんかいつでも殺すぞという気迫満々。もうおかしくておかしくて笑ってしまった。
そして古田新太との対峙。薩長は国を思うままに動かそうと帝を利用し戦を起こした。確かに我らは戦で負けた。しかし勝負は時の運。正義はわれらにあり、と今でも言うことができる。薩摩は幕府を助けるふりをして最後に幕府を裏切った。新選組はいろいろあったけれどもまっすぐに生きてきたんだ。古田新太にばれようが、新選組の心意気を伝える局長。ここは本来なら大泣きするシーンなんだろうが、いくらなんでも官軍兵士が敵ながらあっぱれと言うかな、逃がそうとするかな、と思ってそこまで入り込めなかった。しかし生き延びるためにあそこで適当なことを言うのではなく、きちんと自分の信念を伝えた近藤勇。それは本当にステキだった。

そして投降。歳さま泣きそう。山南さんのときの泣き顔でも、河合のときの泣き顔でもなく、もう本当に悲しくて泣きたそう。あそこで戦って死ねばよかったのではないかと思う。切腹をするという勇に、死ぬなというとしさま。なんとか騙せることができれば、もう一度新選組として会津で戦えることができる。でも、あそこで戦って死ぬか、切腹すればよかった。歳さまは悪気は全然なく、勇のために思っていったことなんだろうが、結末を考えるとどうなんだろうかという感じ。周平との別れのシーン。周平だけに命を惜しめというが、他の人たちは武道派だから言わないでいいのか、とちょっと気になった。その後の歳さまとの別れのシーン。別れの言葉なんかいらないぜ。新選組なんかを作っちまってあんたの重荷じゃなかったかと思った。楽しかったという近藤勇。二人で抱き合ったときの歳さまの表情。もう半ばあきらめの感情もあったのだろうか。穏やかな表情だった。局長は対照的な表情。何が何でも白を切りとおして帰ってきてほしい。
しかし加納鷲雄。とんがり帽子を被ってずいぶん軽い身分だな。薩摩に入って楽しいのかと思ったが、伊東先生は薩摩派だったのだから、加納としてもこれが義なのかと少し納得した。そして局長を見た加納。伊東が殺されたとはいえ、恩がある局長。なにも言わない加納。加納が嘘つけばいいのに、と私は思ったけれども、嘘をついたことがばれて加納の立場が悪くなったらいけないと局長は思ったのか。悩む加納を助けてあげようと思ったのか。局長から話しかける。だからなんだ。だから、局長をあそこまでいい人にこの1年間してきたんだ。今までは局長がいい人すぎて、何がなんだかよくわからない。局長のキャラがへぼすぎると思ってきたが、今日の放送を見て、これまで1年間の局長のキャラの意味がよくわかった。この人は本当にまっすぐで、心根が優しくて、人を信じて、義を貫いて、そういう人なんだ。だからこそ、加納を見て自分から声をかけてしまうんだ。声をかけたことを後悔もしない、加納を恨むこともない、そんな朗らかな人なんだ。多摩の頃から、コルクを拾った頃から何にも変わっちゃいないんだと思った。しかしいいところで終わりすぎ。いきなりこんなところで終わられたら、私は一体どうしたらいいんだ。来週は最終回。勝に歳さまは、近藤を助けにいくなと言われていた。助けに行ってほしいよお。代わりに捨助が助けにいくのか?不精ひげを生やしていた勇。ふでが声をかける。どんな最終回なんだろう。しかしたとえ斬首でも近藤勇にとっては悔いのない人生だったのだと思う。まっすぐ自分の信念を貫き、義に生きた。この生涯に悔いはないのだ。

ちなみに加納との対面シーンはスタパに行ったときに撮影をしていた。スタパで見たときは、官軍の黒いずらと赤いずらが気になって気になってコントかと思ってしまった。しかし加納が出てきて、加納が涙ぐんでいるので、「これはまずい。もしや投降の際、大久保大和ではなく近藤勇とばれるシーンか?」と思い、こんな重要シーンを放送前に見てしまうのはどうかと思った。そしてスタパではその後板場に勇が引きずり出されるシーンをやっていた。斬首シーンかと思いスタパ騒然。私とQさんは、さすがに斬首シーンを見てしまってはまずいと帰ることにした。しかしどうやらあの時スタパでやっていたのは斬首シーンではなくただ単に板場でのシーンだった模様。それは来週の最終回ですね。
そして来週の最終回の前にスマステ。やまこーは大阪で「リンダリンダ」ですが、他の人たちは生で出演するのかな?スマステが終わって、最終回が終わったら、もう総集編しか残っていないわけで、DVD発売を楽しみに生きる以外道がない…。

 

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流山2 2004.12.6

昨日あの後もう一度「流山」を見た。オープニングの魚釣りの場面は朗らかでのどかですごくよかった。しかし和装の局長と洋装の歳さまが並んでいるとなんか不思議。山本耕史がスタパで、皆和装の中洋装の格好をするのはすごく勇気がいることだと言っていたが、本当にそうだなあと思った。ここで新選組を作るという歳様に対し「まだやるか」という局長。うれしそうに笑顔で返す副長。ほんとに良かった。
そして斉藤のシーン。皆が斉藤を都度都度見て「なぜオレを見る」という斉藤がおかしくておかしくて、はずかしそうでやっぱり面白い。その後の沖田と斎藤のシーンもいい。藤原竜也を見ていると、天才といわれる所以がわかる。本当に仕草とか表情とかがすばらしい。ちょっと片足だけ上げて楽な感じに座っているところなんて、その姿勢だけですごい雰囲気が出る。そしてあの表情。藤原竜也は役によってすごく変わるというわけではなく、自分のスタイルの中にそれぞれの役を入れていくというようなことを読んだことがあるが、本当にそんな感じ。声とかは他の役と変わらないし、一見他の役と変わらないのに、表情仕草で完璧な役を作り出している。しかしそんなに演技がすばらしいのに、どうも沖田のキャラが弱くて、あの沖田のキャラだとちょっとなあ、という感じ。前半の無神経な子供キャラがひどすぎたのかな。斎藤とかへーすけの方がよっぽどキャラ立ちしている。もうちょっと沖田のキャラが良ければよかったのになあ。勿体ない。
そして局長と古田新太との対峙シーン。今回はなぜか泣けた。生まれ変わっても何度でも戦う、正義は我らにある。やっぱり心を打ちます。古田新太ももちろんいい。古田新太の役の実際の人は、近藤を庇った人らしい。なんかの本で、彼が近藤を見ている間は庇われていたし処刑もされなかったのに、別の人になっちゃった後で閉じ込めておくのもお金がかかるので処刑したと読んだのを思い出した。最初「流山」を見たときは、敵があんなふうなことなんかあるか、と思ったけれども、事実は小説よりも小説だなあ。あと「再会」で多摩の人たちと再会するシーンも、事実を知らないで見ると、いかにも小説にありがちなパターンで、死ぬ前に懐かしい面々を登場させる感じがするけど、あれが事実なんだからなあ。事実は意外と小説っぽかったりもする。

歳さまと局長の別れのシーン。局長が敵の本陣に行くと聞いて、もう大取り乱しの歳さま。もう大変です。そして局長が支度をしながら周平と別れの挨拶をしているのを廊下で待っている。ここからして、結構クル。そして「別れの言葉は言わない」。くーっていう感じ。局長は歳さまにお礼を言って、そして辛いこともあっただろうけどよく支えてくれたと歳さまをねぎらう。これだな。このねぎらいは大事だな。どんなときでも人に対しそういうふうに接するというのは大事だと思った。しかし歳さまはそんなことを言われてもうれしそうではなく、逆に新選組を作ってかっちゃんに重荷をしょわせたのではないかと不安そうに。局長は明るく否定。楽しかったという。すばらしい別れだ。今生の別れとなるわけだけれども、二人とも別れ際を悔やむことなく過ごせるんだと思った。そして抱き合う。最初見たときは歳さまの表情にあまりにびっくりして諦めも入っているのかと思ったが、二度目に見てみたら「慈母」のような表情だ。かっちゃんを信じているのかな。「これからだ」と言っているし、ただまっすぐかっちゃんを信じてかっちゃんが帰ってくることを信じて抱き合っているのかと。一方かっちゃんは、歳さまと抱き合いながら、決意を胸にというか、決意を固めていくのだろうか。固めていくというか、より強くする。最初にこの「流山」を見たときは近藤勇に死んでほしくなくて、そればっかり考えてしまって、歳さまファンなのに、投降を進める歳さまが嫌で、投降したら死ぬじゃん、とか思って、そればっかりだったが、二回目はようやく冷静に話を見ることができた。
そして加納シーン。あの局長の思いやり、優しさ、表情にぐらっときて、そして次回予告。ふでの「近藤勇、がんばりました」でかなりやばかったが、新選組紀行の「近藤、土方別れの地」という文字で我慢できず泣いてしまった。

しかし副長ファンなのに、話に入り込みすぎると、副長よりも話の流れが気になって、副長が時々嫌になってしまう。河合の切腹の時も副長が嫌だったが、それはまあ副長の行動に問題があったからで、今回は別に副長は悪くはないんだけど、局長に死んでほしくなくて、なんかもうそれでいっぱいいっぱいになってしまった。
香取慎吾はすごいと思った。もう今回の演技は完璧だよ。というか二条城ぐらいから素晴らしくなってきている。実際の近藤勇や歳さまが、ただの農民、剣士から大名格の役にまで上り詰め、その働き振りがすばらしかったように、香取慎吾もあんな演技が下手だったのにここまで演技がすばらしくなるとは。人間の可能性というのはすばらしいと思った。三谷は香取にこの才能があることを見越していたのだろうか。すごすぎる。いや、もう、ほんとに今回の加納シーンはすごいよ。あれは脇を固めている演技派俳優だってそんなにはできないような演技だよ。すごいと思う。人間の可能性って無限なんだなあ。

 

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新選組!「愛しき友よ(49回)」2004.12.13

最終回にふさわしい回だった。もう色んな感情でいっぱいになり、悲しかったり泣いたりもどかしかったり、でも穏やかで、ああ、もうこれで終わりなんだな、と。でも一方で激しく、そして爽快感あふれる回だった。新選組、今まで本当にどうもありがとう。尽忠報国の士あっぱれなり。
まずオープニング。勝をかばう近藤勇にうるっと来た。江戸から遠ざけようと勝沼に行かせた勝をかばう。ああ、本当に武士なんだと思ったら、泣きそうになった。そして主題歌。最後の主題歌だから泣いてもよさそうなのだが、クレジットに懐かしい人たちがいっぱい出てくるので、「おお、懐かしい」と思っていたら泣けなかった。桂先生と幾松姉さん、のぶ姉さん、たま、旧沖田、旧土方、そしてクレジットラストはふで。ふでの名前を見て予告を思い出しちょっと泣きそうに。
しかしその後はやけに穏やかな展開。「流山」の方が良かったんじゃないかとちょっと不安になるような穏やかさだった。でも、どうにか局長を助けてほしくて、歳さまより捨助の方が正しいと思ってしまう。奪還に行ってよ、皆で助けにいってよ、と思う。奪還失敗してもいいから、皆で局長を助けに行って板橋で皆で死のうよ。局長一人を殺させる気かと思ってもう辛くて辛くて。土方は勝に頼みに行く。とても嫌そうな顔の勝。除名嘆願ならいくらでも書いてやるけどだと?本当に書くのかよ。勝先生でもできないことはできないだと。ふざけるな。しかし勝先生の台詞がまたすばらしい。近藤勇の死は無駄死にではない。薩長土の恨みを一身に背負って死んでいくんだ。あいつでなきゃできないことだ。一方容保さま。もうね、容保様は最高。そりゃそうだ、自分が殺されそうなんだし、容保様に近藤勇を助けることなんてできない。しかし余にできることは、近藤勇の首を取り戻し丁重に会津で葬ることだと。そして薩長を許しはしない、仇は討つと。なんだろう。自分にできることを精一杯やろうとする容保様の姿勢、純粋でまっすぐな思い。胸を打つ。
宇八郎は最悪。お前に何がわかるというのだ。近藤さんを悪く言うことは許さない。沖田のシーンはちょっと長すぎていらなかったかなとも思う。お孝が沖田をかばって死に、血の中を進む蟻を今度はつぶさない沖田。しかしこの大事な回に沖田のシーンがちょっと多くないか。まあいいけど。
土方歳三は宇都宮へ。どうせ死ぬ気なら北へ行ってくれないかと勝に言われる。先にいった奴らのために戦い続けるのが俺たちの役目なんだと言う。最初の宇都宮のシーンでは、やっぱりまだ捨助の方が正しくて、奪還にいってほしいと思った。戦い続けるのではなく局長を奪還に行ってほしいと。でも、局長のことをあえて言わず、黙ってコルクを見る土方。島田たちに見られお守りだと言う土方。宇都宮がおちても会津がある。会津がおちても蝦夷地がある。戦い抜かなければいけないんだと言う。
そして捨助。局長の優しさが身にしみる。ああ、局長は本当に優しい人なのだと思った。そして左之助と尾形。左之助がここで死んでも局長は喜ばないと尾形が言う。確かにこの局長なら本当にそう思うだろうな。そもそも奪還しにくるぐらいなら、流山で戦って死ねばよかったわけで。だから歳さまが奪還しにいかないのも正しいのだとようやくこのぐらいの場面から納得できてきた。もうずーっと局長に死んでほしくなくて、局長に助かってほしくて、皆で奪還に行ってほしくて、土方もあんなに局長が好きなら局長の代わりになればいいのに、とまで思ったけれども、こうなった以上死んでいったものたちのためにも最後まで戦い続ける、官軍に一泡ふかせてやるのが、残ったものの使命なのかもしれない。会津に行き函館に行き戦い抜く。何も逃げるために行くわけではなく、本当に死んでいったものたちのために官軍に一泡ふかせてやるためだけに戦い続け、函館が落ち榎本が降伏しそうなところで一人攻めに出て戦死した。死に場所を求めていたとよく言われるが、死に場所を求めていたわけではない。先にいったものたちのために戦い抜いたんだ。戦うことで近藤勇を思っていたのだと思った。しかしいくらそうは言っても、一人で死なせるのはあまりに悲しくて、そこへ捨助。捨助が一緒にいってくれて、勇は一人じゃないんだと思った。あそこで捨助がいなかったら、やっぱり見ているほうはとっても辛かったと思う。
板橋の民家の人に対しとても丁重な局長。最後まで人柄があふれ出ている。そして「近藤勇、よく戦いました」「多摩の誇りだ」。左之助の「尽忠報国の士、あっぱれなり」。誠の旗があがり、最後に「トシ」…。志、忠義、友情…。すばらしいものを1年見せてもらえたと思う。

そしてその後、走馬灯のように1年間のシーンが。あまりに懐かしい面々に驚いてしまう。しかし出てくる人出てくる人ほとんど死んでいる。ああ、こんなにも皆死んでいったのかと。やまこーも好きだといっていた、かっちゃんが歳に「うちの道場に来ないか」というシーンでちょっと停止。そして京で何が起こるか楽しみという沖田。本当ならあの場面で終わることで悲しさが出てもいいはずだけれども、そんなことはない。京に行ったこと、京で戦い抜いたことを近藤勇はちっとも悔いていないから、だからあの場面で終わって逆に爽快感が残る。斬首を穏やかに映しながらも、その後京を駆け抜けた新選組の歴史を振り返ることで懐かしさとともに爽快感が生まれる。そして京へ行く希望に満ちた場面で物語が終わる。

「新選組を行く」も、まるで計算されたのような内容だ。あの近藤勇の詩、本当にあの人は武士だったのだと思った。慶喜が逃げて、幕末の恨みは近藤勇と会津藩が全て背負った。しかしあの近藤勇の詩は、本当にすばらしい。心の底から武士なのだろう。あんな詩を作ることは普通はできない。尽忠報国の士だ。この1年本当に楽しかった。ここまでの強い思い、志、忠義、国を思う心、純粋に相手を思う心、友情…。ひたむきに駆け抜けた新選組近藤勇の生涯を通し、思い、そして友の大事さを見せてもらった。負けても賊軍と言われても、他人の評価なんて関係ない。自分が信じた道をただまっすぐ生きていけば、悔いのないすばらしい生涯となることを教えてもらった。くだらないことで悩んだり迷ったり、他人の目を気にしたり、大きい物語が見えなくなったり、人が嫌になったり。私にはそんなことが色々あるけれども、新選組のように自分を信じてまっすぐ進んでいこうと思った。
そして大河ドラマは本来そういうドラマだったことを思い出させてくれた。歴史上の人物の半生を通し、自分の生き方を振り返る、そんなドラマだったのだなあと思い出させてくれた今年の大河ドラマだった。

 

 

 

ジャニーさん訃報で、SMAPの映像が映っていた。木村、中居以外もばっちり映っていて、あさチャンだからかなと思ったら、そのあとのビビットでも映っていてびっくり。あと、渋谷すばるも映っていた。

マッチさんは映っていても、としちゃんは映らない。

あと、あさチャンの映像だと、一瞬しか映ってなかったけど、おそらくジャニーさんの横に飯島さんが映っているのではないかという映像が流れていた気がする。

ジャニーさんのお葬式に新しい地図もいかれればいいのに。としちゃんとかだって行きたいだろうに。もっくんは移籍組なのにいいのか、謎。やっくん、ふっくんも移籍だったか。上の方でマッチさん以外で残っているのは少年隊と男闘呼組の一部と光GENJIの一部ぐらい?シブがき隊はかなりテレビ出てるね、移籍組なのに。移った事務所が強かったのかな。

そう思えば、SMAPもみんなで田辺に行けばよかったのに。今更言っても遅いけど、みんなで移れば、テレビにも出られたのに。それか、田辺も木村抜けても受け入れてあげろよ。

「高嶺の花」(2018年7月クールNTV水22)初回、2話の感想です。

 

久々にドラマらしい面白いドラマの予感!

初回は特によかった。

 

まず、疾走感あふれる始まりで視聴者の目線を集める。何と言っても、今輝いている女優の石原さとみ。高嶺の花というドラマタイトルなのに、なんとストーカーかよ!と思いきや、結婚式当日に振られてバツイチになるという悲惨な話。そんな中、真実の恋に出会うのか、わくわくどきどきという展開で良かった。

 

野島伸司もこんな普通の王道ドラマを描けるなんて。まだ才能が枯渇してはいないんだね。北川某とは違うね。野島ってどうにもこうにもエログロとはちょっと違うけど野島臭漂う若干キモイドラマばかり1990年代半ばごろから描いていたが、まあ、でも「ラブシャッフル」とか良かったよね。そしてバブル期には普通のトレンディドラマも書いてたんだから、こういうのも書けるのか。すごいね。

 

ただ、若干野島臭が。千葉雄大が母親(戸田菜穂)と関係を持ちつつ娘を狙うというのは、きもいのでやめてほしい。あそこは母親と関係を持つのではなくて、母親がスパイになって娘との仲を取り持とうとする程度か、もしくは天然の母親でいろいろついしゃべってしまう程度でないとキモイ。しかも千葉雄大は姉と妹の間でいろいろとあるのだろう(おそらく妹が千葉に恋するも、好きな姉を恋敵だと思いたくなくてジタバタするのか)から、そこにフォーカスすればよくて、母親との関係とか気持ち悪いネタは一切不要。

あと、父親が婚約者との仲を裂いた的ネタもなんか気持ち悪くなりそうな気配がするので要らないと思うのですが、まあここは調理の仕方の問題でそこまで気持ち悪くはならないかなとは思う。

 

あとは野島臭とは違うけど、あのキモデブみたいな子のエピはいらないのでは。

 

あと、相手役のヴィジュアルが悪すぎじゃないか。「私に恋したお坊さん」みたいに山Pをとまではいわないけどさ、もう少しヴィジュアルのいい人にできなかったのか…。ため息が出るほど、ビジュアルが悪いと私には見えるけど。

 

そして石原さとみ。最近は本当にメイクをよく研究してて、雰囲気がすごくよくなった。美人になった。髪の毛が剛毛そうなイメージだったのが、茶色くしてカールしてよくなったけど、今作品ではストレートヘアーも見せてるけど、今まではあんなに髪がかたくて多そうだったのが、どうしてあんなにさらさらストレートヘアーになったのか。メイクも服装もいいし、まゆも一般人並みの細さにして、分厚い唇もあまり目立たなくして、アイメイクを濃くして、メイクが似合っている。

 

ただ、下品すぎる。お嬢様の役なのに、品でいえば、キャバ嬢でもあそこまで下品ではないだろう程度の下品さで、お嬢様役は無理だったかと思ってしまうほど。もう少しきれいな感じでお話すればよいのに。

コンフィデンスマンJP(2018年4月期CX月21)の感想です。

 

総合評価:A-

特に脚本:A

 

古沢良太は天才ではないだろうか。

「ゴンゾウ」で見て素晴らしいWだと思ったが、「デート」で感服。「リーガルハイ」は私は好きではないのでほんの少ししか見ていないが、この人は天才だろう。これからもきっと度肝を抜くような脚本を書いてくれるに違いない。しかしけっしてエキセントリックな脚本ではなく、人間の心もきれいに描ける素敵なWだ。

 

コンフィデンスマンは、のり的にはリーガルハイ的な感じで、私はあまり好みではない。ただ初回(江口洋介の回)、あまりの展開に度肝を抜かれた。こんなのをかけるのは、遊川和彦か古沢良太ぐらいじゃないか。遊川の場合は、古沢みたいに狙って崩しているのではなく、なぜか謎なドラマになってしまっているというような雰囲気を受けるけど。

江口洋介はBGよりもビジュアルが良くてかっこいいし、華もあるし、良かった。

 

2話(吉瀬美智子の回)は、展開も面白く、かつ旅館の女将の心に迫るところが良かった。

 

3話(石黒賢の回)はちょっといまいち。美術を馬鹿にしているというわけではないのだろうけど、なんとなくそういう感じがして嫌だった。

 

4話(佐野史郎の回)は、佐野史郎が上手すぎる。さすがの演技。長澤まさみって今まで女度が高すぎて苦手だったけど、コンフィデンスマンJPでは新境地開拓だった。女度低くて、女度の高さで嫌われていた層にも受けるかなと思ったが、そして変わり種のキャラをよく演じていたが、振り切れがもう一個足りなかったか。逆にブリブリした話し方でこのキャラをやった方が、ギャップで面白かったかも。もう少しだったのだけれども、そこが惜しい。ただ4話の中国人女優のシーンはものすごく美人だった。1話の賭場の女主人も美人だったし、きれいにすると本当にきれい。

 

5話(かたせ梨乃の回)は、人間の描き方が上手だった。弱者を装っても結局その弱者が悪人のことがある。これはよくある話。エステの回でもそうだったけど、自分が悪いのに人のせいにして弱者を装う最低な人間というのはよくいる。米国人女医の長澤まさみもきれいだった。

 

6話(内村光良の回)は、これをもう少しさらっとにおわす程度にして、かつ深堀すれば、非常に深いテーマになると思った。世間的価値観で、大金持ちで女と豪遊するのが自分にとって楽しいわけではない、自分の真の思いに目をそむけないことの幸せ・喜び、これは1クールかけて書くようなテーマだろうなと思った。

 

7話(竜雷太の回)は、いやだった。家族の気持ちが深堀できていないし、家族をこういう風に扱うのは嫌だ。竜雷太はもっと上手なのに、無駄使いだなと思った。この回の長澤まさみは全然きれいじゃなかった。もちろん顔は良いのに。人間、髪型と服装って大事だなと思った。

 

8話(りょうの回)は、りょうがいい人なので、だまさなくてもいいのではないかと思った。

 

9話(小池徹平の回)は、すごく良かった。こういうわかりやすい回は、見ていて心地よい。そしてこの回の長澤まさみも、自然な見た目できれいでよかった。長澤は、いつもはこういう感じのキレイ系で売った方が、良いのではないか。

 

10話(佐藤隆太の回)は、脚本が天才的だった。

 

古沢良太のドラマいっぱいみたいです。できれば「デート」みたいなのがいいです。「デート」の長谷川博己は完璧でした。最終回のラストシーンは泣けた。

anone(2018年1月期NTV水22)最終話までの感想です。

 

総合評価:A+

 

とても良かった。このドラマに評価をつけるなんて、とても失礼なことに感じるぐらい、素晴らしいドラマでした。素敵な作品をありがとうございました。

人を思う気持ち、日常の幸せがとても伝わってきた。

 

刑務所に行くことになり、普通だったらここでバッドエンドだけど、服役後、みんなで暮らす。その日常の幸せがよかった。最後、ハリカ(広瀬すず)が一人暮らしするところは特にいらなかったのではないかと思うけど、持本(阿部サダヲ)のセミパジャマがここにつながってきたり、と、良かった。

 

刑務所であのね(田中裕子)は娘に「お母さん」と呼んでもらえ、鑑別所でハリカは彦星君に初めて会える。本当に涙涙でした。

持本さんも、ほんとね、治ればよかったんだけど、そこは超常現象で復活、と。

 

ハリカと中世古(瑛太)の対話シーンが、本当は肝だと思う。

中世古のような人を「サイコパス」の一言で片づけるのは簡単だ。でもそうしないドラマ。

私も、最近ようやく、中世古のような気持ちのダークサイドがわかるようになってきた。あんまり悔しい目にあっていると、こんなにひどく悔しい目にあっているというのに、周りの人は誰も助けてくれないのに、のんきに幸せにくらしやがって、みたいな気持ちが、他人を憎み、関係ない社会を憎む気持ちにつながっていくように思う。

 

人生、本当に恵まれない人間と普通の人間と恵まれている人間がいて、それはお金とか立場とか能力では判断できないけど、本当に幸せな環境の人って結構多い。それに引き換え、本当に不幸な環境って、恐ろしく不幸だ。でも誰も助けてくれやしない。自分の力でのしあがるしかない。自分の力でもってのしあがれても、地位を築けても、それでも空虚な気持ち、恨みつらみ、憎しみが消えなかったりもする。悔しいことばかりだ。

 

でも、それを他人や社会にぶつけても何の意味もないし、さらにハリカが言うように、息が吸いづらい人が同じ息が吸いづらい人を傷つけるなんて、まったくの無意味だ。

 

陽人くんに中世古が本当のことを言わなかったのが、せめてもの救いだった。それか、もしかしたら中世古が言ったことが本当だったのかもしれない。記憶はわからない。

 

みんなでみんなで幸せになれますように。流星群を見て、この人たちがもっともっと幸せになれますようにと思わず祈ってしまうような、そんなドラマだった。素敵なドラマでした。

 

あと、これは「それでも、生きてゆく」をまろやかにして、「カルテット」風味を足しこんだようなドラマだったけど、「カルテット」よりも良かったように思う。カルテットの小ネタ感がこのドラマでも満載だったけど、anoneの方がドラマの中にしっくりはまり、かつストーリーの主軸がはっきりしていたと思う。

 

偽札といえば「金の亡者」とTVのワイドショーで出ていたが、そうではない。金銭欲ではない、何かを成し遂げたい、自分の作った偽札が人をだまし機械をだました、成功したいという商人欲求のようなもの。この気持ちもまた寂しい。

 

本当はS評価でもよいすばらしい完成度の高いドラマだったけれども、「それでも、生きてゆく」「Mother」の方が私は好きだ。「anone」は田中裕子に代表されるように、穏やかなやさしさ・強さ・幸せを描いていて、「それ生き」「Mother」はもっと胸が張り裂けそうな緊迫感が、胸に迫ってくる力強さがあった。これは好みの問題だけど、そういう意味でA+かな、と。

 

最後に視聴率。視聴率は相変わらず悪い。悪い視聴率でも良いドラマが作られ続けるように、視聴者ができることがあれば教えてほしい。

*9.2__*7.2__*6.6__*6.4__*5.9__*5.5__*4.9__*5.4__*4.4__*5.6(終)._________*6.11

anone(2018年1月期NTV水22)第6回目の感想です。

 

6話は胸が苦しくなるような内容だった。

せっかく誠実に生きている人たちに対して、人の愛に付け込んで、犯罪に巻き込んでいく中世古(瑛太)。

1話の、祖母と孫のいい話だと思っていたら、なんと児童養護施設で虐待をしていたという展開と、あとはネットカフェで知り合った女の子同士で友情をと思いきや、裏切りがあったという展開も、かなり心が苦しくなる話だったけど、6話は特にあのねさんへの好意が視聴者の中で高まってきたところなのでより苦しかったと思う。

坂本裕二、良い落とし方にしてほしい。このままではつらいよ。