俺の家の話(TBS2021年1-3月クール、金22)の感想です。

 

ネガティブな感想ですので、ご容赦ください。

 

これを見終わって、私はだから宮藤官九郎のファンをやめたとつくづく感じた。

三谷ならこういうドラマは絶対に書かないので。最近は三谷のファンもやめつつあるが、三谷なら、安心してドラマを見ていられる。視聴者の感情を置いてけぼりにはしないからだ。面白くない話があっても、ひどい目にあわされるのではという不安はない。

クドカンは、IWGP、その後辺りに、やはり能力の高いWなので、本当にすごいなと思って、めちゃくちゃ一時ははまったけど、マンハッタンラブストーリーの最終話で一時大嫌いになって、しばらくクドカンアレルギーがひどかった。

AがBを好きになって、BがCを好きになって、CがDを…となっていく展開の妙に素晴らしいなと思ったが、ある時から好きの矢印が逆回転しだすところから、なんか趣向を凝らしすぎることに集中しすぎていて、ストーリー展開や人間の感情はどうでもいいのかよ、と少し引き気味ではあったが、最後の最終話の松岡の「くだらん!」あれは、いまだに忘れられない。このドラマを楽しみに見てきたすべての感情を馬鹿にされた気がして、本当に嫌だった。

視聴者は感情をもってドラマを見ているので、その感情を起きてけぼりにするのはやめてほしい。

 

「俺の家の話」、好評価なんですかね。私にはそれは全くわからない。

まず、父親(西田敏行)が寿一(長瀬智也)の子供時代にとても厳しくて怖かったという設定がおかしい。現在の父親との連続性がなさすぎる。そのなぞと気があるのかと思いきや、全くない。同一人物には見えないけど?あんな人が、いきなりあんないつもの西田みたいに感情豊かな人間になぜなるのか?褒めたら終わりだから云々というセリフもあったが、子供時代の父親はそんなことでは説明できないような冷たさだったのでは? 子供時代の父親の設定を変えるべきだったのでは?

 

あと、介護も全然掘り下げられていない。認知症という設定にはなっているが、困った行動がほぼない。あの父親の困った行動は認知症行動ではなくて、西田の愛すべきキャラクターによるべきもので、介護の困難というものが全く描かれていない。車いすになってしまった不便さぐらいでは?手助けがあれば一人で体も髪の毛も洗えそうですが。

 

そして、家で介護することをあきらめ、グループホームに入る場面もおかしい。寿一がケガしていたから面倒を見れずっていうことだったけど、そしたらその短期間だけでいいのでは? けがが治ってもなぜグループホームにいたのか? 寿一が涙流しながらさよならするような話か? 家庭介護の終わりっていうエピを書いているわりには、ひどい描写。

 

寿一がプロレスと能の二足のわらじのとこもよくわからなかったが、最後に死なしてしまうとは。寿一はただの妖精さん、神様で、本人の幸せはどうでもいいのか。そしてさくら(戸田恵梨香)がようすけと結婚するのはやりすぎだろう。打算的な女で恋愛感情はない設定なのか?意味不明。誰でもいいのか。

主人公が妖精さん、神様設定っていうの、「ごめん、愛してる」かなんかでも見たが、あれは一応、視聴者の感情はおいてけぼりにならず、最後まで神様設定だったと思う。

 

なんか、こういうストーリーの破綻だけでもいやなのに、展開の奇抜さを狙って視聴者の感情おいてけぼりですか、だから私はこのWは信じていないんだったというのがよく思い出されるドラマだった。

西田敏行と長瀬智也の掛け合いは超一流だったけど、これなら「タイガー&ドラゴン」の方がよかった。

 

最後あんまムカついて、撮りダメしている全話、一気に削除してやろうとも思った位だったが、一応思いとどまってはいる。