奥山久美子の美と健康のワインライフ
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Crony クローニーの一皿一皿に感動 @東麻布

クローニーへ、「永続的な茶飲み友だち」(クローニーを意味する)と一緒に3年ぶりに行ってみると、お料理の素晴らしさは格段の進歩を遂げ、そのサービスのテンポの良さも秀逸でした

 

カンテサンスのディレクターをしていた頃から、ワインの知識とサービスが抜群な上、歯に衣を着せぬ表現がスマートな小澤一貴さん

2016年西麻布にクローニーをオープンしてから時々通っていましたが、今回のお料理が今までで一番でした

 

ペアリングワインに関してはブルゴーニュ以外が多くなっている昨今ですが、今回はグラスで美味しいコート・ドールをお願いしました

グラスワインの場合、小澤さんが1杯125cc注ぐので、味わいがちゃんと分かって良い

 

最近のお客の50%はインバウンドで、韓国の方などはブルゴーニュの高級ワインしか飲まないという話を聞いて、世界的な傾向だと納得するものの、これ以上の値上がりはつらいですね

 

シャンパーニュはアンドレ・クルエ

最初のアミューズは静岡・阪本の清々しい新茶

 

小ぶりで繊細な千葉・鋸南町のインゲンとアオリイカのタルト

立体的なアート作品のようなお料理が、この後も次々とサービスされます

 

北海道・河田ファームの黄金ジャガイモのポム・スフレ(風船のように中身が空洞になっているジャガイモ)

 

ムルソー・プルミエ・クリュ、レ・シャルム・ドウスュ2020

ドメーヌ・テシエは、「ブルゴーニュ最高の無名生産者」と英国のジャーナリストが言ったように私も知らなかったが、父から息子に代替わりしてから劇的に向上したようだ

2020年というパワフルな年に、果実味がとてもピュアでミネラル感とフィネスが豊か

 

静岡・焼津のミナミマグロは、トロ・中トロ・赤身で薔薇の花びらに瀬戸有機レモン

 

福岡・大牟田のクリームチーズ入り

 

岐阜・高山の東さんのスナップエンドウ、キャビア、中心には帆立

 

高知・芸西村の白とろ茄子、夏トリュフ、黒ニンニク

 

シャンボール・ミュジニ・プルミエ・クリュ、レ・シャルム2014

デュポン・ティスランドは、ジュヴレ・シャンベルタンのドメーヌだが、2013年にフェヴレに買収されたので2014年は最後のヴィンテージ

ドライフラワー、チェリーのコンポートに繊細なタンニンとスパイスが、シャンボールらしくて美味しかった

 

千葉・富里の佐藤さんのナスタチウムと雲丹

 

大分・日田の日本酒のサワーブレッド、酒粕入り

熱々の焼きたてが、目の前でカットされると芳しい甘い香りが広がる

パリッ、しっとり、ソフトな食感に旨味たっぷりの芸術的な味わい

カットした残り半分はお土産に持って帰れるのが嬉しい

 

山口・萩のマナガツオ、オスミックトマト(透明な液体もトマト)

キメ細かいテクスチャーに、絹のような薄い皮がぱりぱりしている

 

北海道・蝦夷鹿のロースト、小かぶ

 

デセールもそれぞれ美しく個性的です

 

1階のキッチンでは若い料理人たちの見事なチームワークが

 

1987年生まれの春田理宏シェフは、西麻布時代から変わらない若々しいエネルギーが漂う

そのアートのようなお料理は、食材の組み合わせが美しく感動的であり、クローニーのアイデンティティが感じられます!

青山ランタンポレルで放課後クラス会

贅沢なワイン紀行クラスでリシュブールをテイスティング後は、青山のランタンポレル(永遠不変という意味のフランス語)へワイン持ち込みさせていただきました

 

シャンパーニュは、アルマン・ド・ブリニャック・ロゼ

王を象徴するスペードのエースのエッチングが絢爛豪華、ゴールドは2006年、ロゼは2008年初リリース以来オスカー受賞者やハリウッドセレブのパーティ等で話題になり、日本でも我先にと飲んだりしたものでした

 

久しぶりに飲むと、その華麗なフレーバーと豪勢な味わいに圧倒される

ベリー類のリキュール漬けやプラリネクリーム入りビスケットのような香味がパワフル

 

ルシアン・ル・モアンヌが造るブルゴーニュ・ブランは、ワインの滓とともに樽内で建築された旨味たっぷりのミディアムボディ

 

アミューズは3つ、初めは千葉県の稚鮎のフリット

 

 

バタール・モンラッシェ2020、オリヴィエ・ルフレーヴ

相続でドメーヌ・ルフレーヴから受け継いだバタール・モンラッシェは、最高の区画でありビオディナミ農法も実践していて素晴らしい

2020年のグラマラスなバタールが、さらにオリヴィエ・ルフレーヴによって豊満な印象に

 

イノシシと鹿のパテ・アン・クルートは、とてもコクがありボルドーのシャトー・コス・デス・トュルネルにばっちりマリアージュしました

 

サンテステフ村のスーパー・セカンド(シャトー格付け2級を超えて1級に近い)

1996年のブドウを収穫した時にすでにグラであった(と故ポンタリエ氏が仰った)突出した良年なので、まだ若々しい果実味に溢れプラム入りチョコレートやスパイス、芳醇な味わい

 

新潟県もち豚のロースト

 

マジ・シャンベルタン1999、オスピス・ド・ボーヌ

1999年にクロ・ド・ヴジョのシャトーへ行き、私がブルゴーニュ騎士団の仲間入りをした時に、翌日のオスピス・ド・ボーヌのチャリテイ・オークションで1樽(ボトル300本分)落札したもの

シモン・ビーズの故パトリックがエルヴァージュ(樽熟成~瓶詰め)をしたので、1999というヴィンテージを超えた超長熟タイプとなり、今年やっとタンニンが溶け込んで飲みやすくなりました

 

楽しい放課後クラス会でした!

Richebourg 贅沢なワイン紀行 @ADV

ヴォーヌ・ロマネ村にある6つのグラン・クリュの中で、最もタニックで力強く土っぽ

いニュアンスが特徴のリシュブール

8.03haに11軒のドメーヌが畑を所有しているが、今回の比較試飲では2012年のメオ・カミュゼ(0.34haで約4樽造る)、2002年のアラン・ユドロ・ノエラ(0.28haで約3樽造る)

 

そして、ムニール・サウマ氏が信頼を寄せるヴィニュロンが栽培し発酵途中の果汁を購入し、芸術的なワインに仕立てあげるスーパー・ミクロ・ネゴスのルシアン・ル・モアンヌの2014年と2017年

 

Xワインとしては、プルミエ・クリュ・レ・プティ・モン(リシュブール畑の斜面上部)の2017年、

フローラルで森のベリーやプラムやミネラル風味が強いにもかかわらず、リシュブールと間違える方が多かった

 

サウマ氏曰く、白ワインは果汁から造るので赤よりも樽熟成を長くし、滓でワインを建築する感じ。

なので色調が濃く重厚になる。

しかし、赤ワインは果皮・種からの成分があるから、熟成中に削いでいくように熟成させるので、比較的色調は明るめ、旨味豊かで柔らかく洗練されている

ルシアン・ル・モアンヌのワインはアイデンティティーがあります

 

ボーヌにあるルシアン・ル・モアンヌのテイスティング・ルーム

今回のリシュブール対決では、№1が2017、№2が2014、№3がル・プティ・モンと、

全てサウマ氏のワインでした

 

メオ・カミュゼ当主のジャン・ニコラ・メオ氏

今回の2012は凝縮度が高く、大量のタンニンに果実味が隠れているのか、果実風味が感じられず残念

 

アラン・ユドロ・ノエラ当主のシャルル・ヴァン・カネット氏

シャルルは2008年からドメーヌ入りしたので、今回の2002年はシャルルの父親が造ったオステール(シビア)なタイプだが、最初クローズ気味でも徐々に開いてプラムのリキュールのような味わいになった

 

シャルルが言うように、この10年で温暖化の影響や栽培・醸造方法が変化したこともあり、2013年以前のワインよりもバランス良く美味しくなったと私も思います

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