奥山久美子の美と健康のワインライフ -5ページ目

コート・ドールへようこそ! @青山リーデル

ワイン王国主催「ブルゴーニュ、コート・ドールへようこそ!」のセミナーを青山リーデルで開催

私の著書とリーデルのブルゴーニュワイングラス1脚付きに加え、秀逸なドメーヌのワインが3種試飲できる素敵なイベントに参加してくださったワイン愛好家の皆さま

ありがとうございました!

 

9月10日頃からコート・ドールの収穫が始まりましたが、このセミナーでは今年のブドウ畑の状況など、ワイン愛好家にとって気になる最新情報の話をしました

 

ブルゴーニュの心臓部であるコート・ドールは、ワイン愛好家垂涎の珠玉のワインがたくさん生まれる流麗な生産地

 

修道士が神に捧げる崇高なワインを造っていた中世、そして現在は職人気質のヴィニュロン達が最上のワインを造るために畑仕事(有機栽培・ビオディナミ)に情熱を注ぐ

 

生命力に溢れた元気なブドウを収穫するためには、晴れて乾燥した気候に時々小雨が理想的だが、

近年の気候変動の影響で極端な干ばつや多雨の対策にも大忙しのヴィニュロン

 

ドメーヌ・シモン・ビーズの千砂ちゃんの話によると、2024年は雨・雨・雨によるベト病プレッシャーの年

6月前半までは気温が低く、風も若干吹いたのでベト病も控えめだったが、気温の上昇とともにベト病が爆発

7月にベト病は葉にとどまらず果実にまで広がり、全滅した所もあるとのこと。

ビーズは、大豊作の2022年・2023年に比べると半減の見込み

 

ビーズでは、10年前から研究しているフィトテラピー(薬草療法→薬草発酵液散布)は免疫力を高めるので、今年ベト病にかかった区画に農薬を増量したら効果てきめんだったとのこと

 

温暖化によってブドウが完熟し品質向上している冷涼地オート・コート・ド・ボーヌ

標高400m で表土は80cm、オート・コートの栽培方法は畝と畝の間が広く、

ブドウ樹の仕立てが高いので収穫しやすい

 

コート・ドールは密植(10000本以上/1ha)でしかも仕立て方が低いので、収穫する際に腰が痛くなり大変だが

密植にすると、ブドウ樹にストレスがかかり根が真下の母岩へと長く伸びるから、ミネラル感溢れるブドウに育つ

低い仕立ては、隣のブドウ樹の影にならずに果実の日当たりよく、しかも表土の石からの反射光もありよく熟す

 

ドメーヌ・ルロワのロマネ・サンヴィヴァンの区画

近年増加中のトレセ(トリコタージュは編み込むという意味)は、ロニャージュ(新梢の先端を切る)しないことで、早く果実が熟し酸が残る

針金の位置が高くなっているので、新梢を上の針金まで結びつけ先端は隣の新梢の先端に編み込む

 

シャペル・シャンベルタンの区画は、エシャラという棒仕立て

針金は使わず、新梢の先端を切らないように棒に添えるのも、品質向上と温暖対策のため

 

シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの区画

暑さ対策、土の乾燥を防ぐために、緑肥をブドウ樹の畝間に植える

この空豆(豆科)は土中の窒素を固定させる、アブラナ科は土の炎症抑え、イネ科は炭素補給や寝かせてマルチにする

ブドウ畑の景色が、コロナ渦後には随分変わりました

 

ドメーヌ・ド・モンティーユ、ドメーヌ・シモン・ビーズ、ドメーヌ・フェヴレ

2018年、2020年ともに干ばつ猛暑の年ですが、10年前の同じワインと比べると熟した果実味の肉付きがよく、特に赤はタンニンが熟して円やかになり早くから楽しめるのが嬉しいです

この10年で醸造方法も少しずつ変化があり美味しくなっています

 

今年の出来は繊細な2021年のようになるのか、いずれにしても楽しみ

新鋭のオートクチュール・ネゴシアンが、ブドウの価格をつり上げないことを祈っています

久しぶりのカンテサンス @品川御殿山

7~8年ぶりに伺ったカンテサンスには、以前と変わらぬ品格のある穏やかな空気が漂っていましたが、

岸田周三シェフとそのお料理は明らかにパワーアップしていた!

 

白金のお店から私が知る岸田シェフは、独特の美学から生まれる繊細で緻密な料理を精魂込めてつくる天才的料理人

ディナータイムが終わる頃には、エネルギー使い果たした感も少しあったけれど、

今や体力と持久力に溢れるモンラッシェのようなオーラを放っていました

 

お料理も力強さと深みのある見事な味わい

ワインは、有井剛支配人が予算内で最上のシャンパーニュとコート・ドールの逸品を用意してくださったので、大満足の17時~21時(2回転の早い時間)ディナーでした

 

メニューは昔も今も真っ白

 

シャンパーニュは、ジャクソン・キュヴェ744

ナポレオンとジョセフィーヌの結婚式にも供されたという古い歴史あるジャクソン

744とは、メゾン設立から744番目のキュヴェ(実際にはキュヴェ番号が付けられたのは728から)

2022年に、所有者がシケ兄弟からアルテミス・ドメーヌに移ったのが残念だけど、元クリュッグのガランドーが経営するので値上がりしても品質アップはするでしょう

 

フードル樽で発酵後に二次発酵シュールリー熟成4年以上、ドザージュ0.75g/ℓ

昆布ミネラルやクルミのようなコクと旨味が強く、芳醇さがアモンティリャードのよう

 

アオリイカの風味が垂直と水平方向に立体的に楽しめるアミューズ

温かさと食感が抜群

 

 

シグネチャーデイッシュの山羊乳のババロワは、以前より濃縮感があり味わい深い

京都、丹波の山羊農家から届く山羊乳は、お店オープン以来変わらないとのこと

 

有井支配人が、白ワインは2種同時に楽しみましょうと提案

20時までという限られた時間内なので、早めにワインを楽しめるからありがたい

 

気候変動によって寒冷地オート・コート・ド・ニュイのブドウが完熟するようになり、生産者によってはかなり高レベルになったが、その筆頭はドメーヌ・メオ・カミュゼでしょう

クロ・サン・フィリベール(モノポール=単独所有畑)2017

 

ドメーヌ訪問して聞いたのは、標高400m、1989年に植樹したシャルドネ、3.5haあるから生産量は多い、石灰質が強めの泥灰岩で大きな石が多いのでよく熟す

 

10年前は酸が突出していたが、2017年は温暖化のおかげで、完熟した果実味と引き締まった酸とミネラルのバランス良く、新樽率は30%使用している

 

ニュイ・サン・ジョルジュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ2020

ドメーヌ・ロベール・シュヴィヨンは、ニュイ・サン・ジョルジュに卓越した1級畑を多く所有する名門の生産者

平均樹齢60年のシャルドネにピノ・グージュ(アンリ・グージュの畑でピノ・ノワールが突然変異した白ブドウ品種)がブレンドされているワイン

その色調はピンクオレンジかかった金色

熟した黄桃やアーモンドグリエ風味にミネラルのハーモニーが余韻に長くのこる

 

車海老のラビオリは、素材を美しく組み合わせた個性的な味わい

エキゾチックな風味や職人技のラビオリが見事

 

野菜の旨味がクスクスに染みこみ円やかな味わい

 

ブーダンノワールがリンゴジャムの甘酸っぱさ、パイ皮のサクサク感と調和して圧巻の味わいに

 

ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ボーモン2018

ドメーヌ・ジャン・ルイ・ライヤールの区画はリシュブールの上部に位置し、樹齢84年

凝縮した果実味と花やスパイスの風味、しなやかなタンニンとのバランスも素晴らしかった

 

イサキの印象はあまりない

 

バベット(ハラミ肉)のロースト

 

温かい雰囲気のサービスも素晴らしかったです

ごちそうさまでした!

京甲屋いけ田 @京都

錦市場にほど近い甲屋(かぶとや)町にあり、築100年の京町家の風情ただよう空間

旬の食材を、池田シェフの臨場感溢れる調理で美味しくいただきました

 

靴を脱いでくつろげる

 

鰻、トマト、湯葉、キュウリを和えた「うざく」

 

ワインリストは無いけれど、ブルゴーニュ白を頼むと出てきたムルソー・プート・ヴィーニュ2018

フレデリック・マニャンのムルソーは豊潤かつミネラル感がしっかりしているので、和食には間違いのない万能選手だ

 

明石の立派な鯛を、鮮やかな手さばきで刺身にする池田シェフ

 

厚みがあり筋肉質で旨味が濃い明石の鯛

 

淡路の鱧、岡山の蛸に添えられるのは、山葵を効かせた梅

 

松茸(中国産)のお吸い物

 

鹿児島黒毛和牛フィレ肉の炙り焼き

山葵と塩でいただくのが最高でした

 

ヴォーヌ・ロマネ・レ・メジエール2018、ドメーヌ・アンリ・グロ

アンリ・グロは1981年創業のドメーヌで、極小の区画を少しずつ所有しているらしく、初めて飲みましたが、ビオ栽培で健康的に完熟した2018年なので、

華やかなベリー系果実味と柔らかくて甘いタンニンとのバランスが良かったです

 

北海道のつぶ貝

お肉が最後と思っていたが、さらに色々出してくださるのは「千花」と同じですね

 

ワタリガニの蒸し物と、、

 

何か思い出せないのが残念

 

炊き込みご飯も美味しかった

 

21時半の新幹線に乗る直前まで、京都の趣のある食事とワインを楽しめた素晴らしい旅でした