奥山久美子の美と健康のワインライフ -5ページ目

かくと徳島屋 @余市

親切なLOOPのスタッフの話によると、「カクト徳島屋」は地元の名産品を用いた和食と余市のトップ「ドメーヌ・タカヒコ」、その1番弟子「ドメーヌ・アツシ・スズキ」、2番弟子「ドメーヌ・モン」のグラスワインを楽しむコースがあり超お勧めとのこと

料理11品+ワイン3杯で9000円(現金のみ)と聞き、3人でランチに行きました

 

明るくホスピタリティー溢れる女将さんのサービスも心地よく、美味しい料理と共に東京では入手困難な貴重なワインを6杯飲めて、つくづく余市に来て良かったと思う

 

積丹半島の塩雲丹とマリアージュするドメーヌ・モンの「ドン・グリ」

ドメーヌ・モンを2016年に設立した山中敦生さんの実家(お茶屋さん)の家紋がエチケットに。

ピノ・グリのみを1.6ha有機栽培、ドン・グリはそのピノ・グリを100%フレンチオークで発酵・熟成した芳醇な果実味がたっぷりとしたグリ系白ワイン

昆布を食べた雲丹はミョウバン(保存剤)無しなので甘い旨味が濃厚だから、ドン・グリを飲むと旨味が倍増

 

ヨイチ・ノボリ2023 ナカイ・ブラン

中井さん(ブドウ栽培者)から買った上質なケルナーを、ドメーヌ・タカヒコで醸造

ステンレスタンクのバリック熟成を見たが、このようなエネルギーに溢れたケルナーを造るタカヒコさんはやはり別格だ

 

ドメーヌ・モン、ハセドネ2022

長谷川さんのシャルドネを用いて醸造した白ワイン

ナチュラルな果実味の肉付きと酸とミネラル感のバランスのよさが魅力的

 

ドメーヌ・タカヒコ、ナナツモリ2021

別格特級のピノ・ノワールのタンニンは繊細で旨味に溶け込んでいるせいか、魚介全般にマリアージュ(塩が合う)

お出汁のような旨味のワインというのは、刺身でさらに実感

 

ドメーヌ・アツシ・スズキ、ウスダイダイ

2014年に畑を取得し2015年ワイナリー設立をした鈴木淳之さんの畑には、30年超のツヴァイゲルトがあるが、これはバッカスとゲヴュルツトラミネールを同時にプレスして樽発酵・熟成したロゼワイン

ピュアでジューシーなナチュラルワイン

 

蒸した岩牡蠣ととろろ昆布がワインに合う

 

 

モンガク谷、栃2023

木原茂明さんが2012年に設立、お嬢さんが描いた「モチモチの木」をモチーフにした絵のエチケットが飲み手にも元気を与えてくれる

栃はピノ・ノワール主体、シャルドネ、ピノ・グリ等をフィールド・ブレンド(全品種を同時にプレス)後、ステンレスタンク発酵・50%樽熟成

モンガク谷の自然な生命力がじわじわと伝わるエレガントな白ワイン

 

名産品の八角の焼き物

グロテスクで鎧のような皮には目を見張るが、中身はしっとり柔らかくて美味しい

 

素晴らしい料理とワインに大満足したランチタイムでした

苗木植え体験 @Misono Vineyard

 

5月まで雪解けの水で土がドロドロなので、5月末から6月が新しい苗木を植えるシーズンだ

冬の余市は-10℃以下の厳しい寒さが続いても、雪が1メートル以上の高さまで積もりブドウ樹と根が凍死するのを守ってくれる

北海道のブドウ樹は雪の重さで枝が折れてしまうため、通常はななめ植えにしているが、

ミソノではコート・ドールと同様に垂直に植えている

折れたり弱ったりした樹は植え替えます

 

この接ぎ木されたカベルネ・フランの苗木を4~50cm掘った穴に入れてから、掘った土を戻し入れ、水を撒き肥料を乗せる 

というような行程でした

 

根を水に漬けておく

 

カベルネ・フランの穂木の部分が見えるくらいに植える

 

牛糞の肥料をたっぷり苗木の周りの土に乗せる

 

こんな感じ

 

添え木を挿し、風よけカバーをしたら完成

最高の畑の環境と松村さんチームの丁寧で誠実なケアによって、苗木は元気に育つことでしょう

10月の収穫の時に、またこのカベルネ・フランに会えるのが楽しみです!

Misono Vineyard ワイナリー @余市町美園町

ミソノ・ヴィンヤードは2021年に開設・認定された余市町で15番目のワイナリー

松村宗雄さんが、元サクランボ選果場をセンスの良い醸造所に改装しました

 

2019年、醸造所ができる前に私が訪問した時には、元果樹園と牧草地を1.8ha開墾したばかりでしたが、2025年現在では所有畑10ha中6haがブドウ栽培地!

スケールだけではなく全てが大きく発展していた

余市は火山性土壌なので、広大な畑では果実のパワーが凄いだけではなく、雑草の勢いも想像以上に強く草刈りが大変だ

スタッフが3名に増えたとは言え、この広さを管理する松村さんのご苦労はいくばくか、、

 

松村さんはとりわけブルゴーニュ好きなのでピノ・ノワールとシャルドネに特化するのかと思ったが、テロワールとの相性も考えてアルバリーニョやアリゴテ、カベルネ・フランもある

松村さんの畑仕事を見ていると、偉大なヴィニュロンの風格さえ感じられた

 

最初に開墾したピノ・ノワールの畑には、一部カベルネ・フランも植えられた

東向きの斜面は、まるでコート・ドールの特級畑

 

余市川の左岸に位置し、ブドウ畑から余市の町と石狩湾が一望できる

世界レベルの超高品質ワインが生まれそうな土地

 

畑周辺の土壌は、灰色火山礫が砕けた細かい土なので水はけが良い

 

樹齢30年のデラウエア、樹齢50年のナイアガラは伐採

それらを台木としアリゴテを接ぎ木している

まだ1年目と2年目なので今年は収穫できないが、この特別な棚栽培の今度が楽しみです

 

ブドウ畑の見取り図

 

ピノ・ノワールの花芽

 

連日の畑仕事をバリバリこなす松村宗雄さん

 

醸造所には、最新の振動式除梗機

超高価ではあるが、ブドウの実が梗から理想的な形で外れるので、酸化することもなく美しい実が得られる

 

バスケット式プレス機も最高級品

 

熟成用のフレンチオークは、コート・ドールのドメーヌ・トロ・ボーが使用したフランソワ・フレール社の樽

コート・ドールのようなミソノ・ヴィンヤードから、コート・ドールのフィネス豊かなワインが生まれてくるのを楽しみにしています!