連続小話 過去の婚活を語る
アラフォー主婦が語る、婚活サイトで過去に出会った男性たちのお話。
10人目に出会ったのが夫です。
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過去の婚活を語る
⬇️強烈だった人シリーズ
その1》花束を抱えた男
その2》自分語りの男
その3》味のある男
その4》白目の男
その5》キラキラした男
今日は、『一緒にいられない男』の第6話です。
☆前回までのお話☆
私がいつもと違う様子のワケを温厚で優しい彼に問い詰められ、「これはもう言うしかない」と腹をくくった前回。
…うん、実は…ニオイがちょっと… (腹をくくった割に歯切れが悪い。笑)
…え?俺?
彼は目を見開き、明らかに動揺していた。
わたしはその様子をちらっと見てすぐ目を伏せ、うなづいた。
え?え?こっち?それともこっち?
彼はジャスチャーで、口臭か体臭(ワキガ)かを確認してきた。
それをちらっと見てまた目を伏せ、
体の方かな…
と答えた。
そうだったんだ…
彼も目を伏せ、少し考えた後、話しはじめた。
…そういえば昨日、実家でも異臭騒ぎがあったんだよね
アニキが急に、「なんか変な臭いがする」って言って、2人で家の中を調べたけど原因が分からなかった
あれも俺だったのかな…
お兄さんですら彼の体臭に気づいてないってことは、急な体質変化だったということだろうか。
わたしと付き合ったストレスとか?
気まずい空気の中、ぽつりぽつりと会話は続けた。
…いつから気になってたの?
…少し前からかな
そうなんだ…
その後は沈黙が流れ、食事のあとすぐお別れした。お互い精一杯の笑顔を作って。
その夜、彼からメールが来た。
今まで不快な思いをさせてたみたいでごめんね
でも、何で臭いに気づいてからも俺と会ってたのかな?
というようなことが書かれていた。
帰宅して冷静になったら沸いてきた疑問なのだろう。
「苦手な体臭のする俺となぜ付き合い続けているのか?」
その先に結婚がないなら、婚活という出会いにおいては確かに時間のムダともいえる行為。お互いにとって。
彼の疑問も理解できるので、わたしの考えていたことを伝えることにした。
臭いはほとんど感じない日もあったから、一緒にいたら慣れて気にならなくなることもあるかなと思った
あと、調べてみたら、食生活が原因の場合もあるらしく
食生活を変えて体質が変われば、臭いは無くなるのかもしれないとも思った
○○くんはコーラとかサイダーをよく飲んでたから、水を持って行ったり、ヘルシー系のご飯屋さんに行ったり、できる範囲でやってたけど、今日は特に強く感じてしまって
一緒にいるのはもう無理なのかなと、ちょっと落ち込んでしまった
というようなことをメールで送った。
今振り返ると、奇跡的な出会いにしがみついていただけなのを聞こえ良く言い換えただけな気もする。当時はその自覚がなかった
すぐに彼から返信が来た。
そんな風に思ってくれてたんだ
水を持ってきてくれてたのもそういう理由だったんだね
色々配慮してくれたのにぜんぜん気づかなかった、ありがとう
体臭に気づいてからも彼と付き合いを続けていたわたしに対する不信感がなくなったようだった。
とはいえ、肝心な問題はまったく解決していない。
順調に思えた2人はこの後どうなるのか…