地域づくりの現場で言われている諸課題の最大の問題は、
「若い人がいない」
「若い人の参加が少ない」
というものである。これは行政が行うイベントでもにたようなモノでは無かろうか。イベントごとで祭り以外に若い人たちが積極的に参加しているイベントをあまり見たことがない。しかもそのイベントはダンスなど若い人向けのものがなければ人はこず、小さな地域の盆踊りなどはもってのほかである。これまた、テレビの弊害だろう。東京発の情報しか伝わらないからそういうことになる。地方発の情報を発信する必要を痛感する。
しかし、地方発もがんばっているところはある。祭りで言えば土佐の「よさこい」ではないだろうか。全国各地のお祭りに広がりつつある、この踊りは地方のもつ文化でも他の地域に伝播していく力をもつことを証明しているが、その一方でその土地にあった祭りを駆逐することになりはしないか?と思ったりもしている。
さて、若年層の参加がなぜ低調なのかという本論に戻ろう。この命題に対して、とっとり総研の報告書(TORC)の中に論文として紹介されていたのでご紹介したい。ただ、著作権の関係があるので概要を紹介することとしたい。以下、TORC№31の田淵研究員のレポートからの引用だ。
若年層の参加が低調な理由は大きく分けて次の3つである。
①若年層は、コミュニティ活動の参加の契機が職場・地域の友達とともに活動に参加し、こうしたつながりが弱い場合は、参加を妨げる要因となっている。具体的に言えば、イベントに参加するときは職場の同僚や自分の友達と一緒に参加しなければ個人では参加しないという傾向があるということだ。
②若年層は、初婚年齢や第1子平均出生年齢に達して間がないため、家庭を築いたり、子どもを育てるために地域とつながる特性を持ちにくく、近所のつきあいが浅いという、地域コミュニティへの依存度が薄いことがあげられる。
③若年層は、自身の関心や必要性によって参加している傾向が強いため、興味がわかないことには参加しない傾向が強く、しかもそれは単発で参加するいということである。
つまり、結論から言えば、若年層の参加を促すためには、「興味のひく分野から友達のつながりを活かしながら、地域に引きずり込む」という、ローカルコミュニティではなく、特定のテーマから引きずり込む、テーマコミュニティを入口にすることになるが、若年層は積極的に情報を入手しようとしない傾向があるのが課題といえる。
たとえば、携帯電話をつかった地域教育力向上のためのサイトをつくって。地域コミュニティへとうながす事例もある。公民館から委託を受けた携帯電話のHP作成業者が「子育て」に関するサイトをつくって情報交換を行い、登録した若年層の母親たちがそこで子育てサークルを組織化し、定期的に公民館にオフラインで集まり、公民館行事に参加するようになったという事例を聞いたことがある。これも携帯電話という情報を得やすいツールを使って、若年層を「興味のある分野」から地域に引きずり込んだ良い例である。これはテーマ型コミュニティ活動からつながった事例である。
これは子育てというテーマでは食いついてくるが、では子どもも育てることのない独身の若年層だと、くいつくことがない。そここそが問題なのである。
そこで提案しているのが、地域SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)だ。登録制・招待制などのシステムの差異はあるが、コミュニケーションによって友達をつなぎ、新しいコミュニティの場を形成するためのツールとして有効だと述べられている。
しかしながら、地域SNSというツールも有効ではあるが、ただシステムをつくればよいというわけでなく、それに補完するための設計が求められるし、オフライン活動の活発化、ネットトラブルの回避、これまでのネット上での既存サイトとの連携、SNSへの参加者が一定数に達しないと活発化できないといった課題点もある。
ただ、この時間はかかるものの、システムの有効性が確認されている今、全国各地で地域SNSを活用する動きが活発化されている。四国内でも多くの地域SNSがある。友達のつながりによる新しいコミュニティの構築から新しい地域づくりのうねりが若年層から始まることを期待したい。