COTレポートの読み方 -3057ページ目

長期金利上昇でいよいよ世界的な株価調整か?

 米国の金利上昇に拍車がかかってきた。米国の10年国債利回りは6月12日には5.29%まで上昇、長短金利格差も急上昇している。

0613米国の長短金利

0613米国の長短金利格差の推移


 T-Note先物も価格が急落している。

0613米国T-NOTE先物


 長期金利の上昇は日本も同様で、新発10年物国債利回りは1.900%台に乗せてきた(13日の朝には1.980%をつけている)。


061310年物国際利回りの推移

0613債権先物中心現月の一目均衡表

 下記は、米国のS&P500と財務省10年物国債利回りを載せたチャートである。2006年の5月初旬から7月下旬にかけて、長期金利の上昇が影響してS&P500指数が6.4%下落したことがあった。今回も同様な推移を辿る可能性が高まってきたようだ。
 
0613米国株式と10年債

0613VIXの推移

 ただし、日本の株式市場にとっては、米国を中心とする株価調整はかえってプラスになると筆者は考えている。
  詳細な議論は次回で!!



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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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米国10年国債利回り5%台乗せの影響は?

 世界的に金利上昇傾向が鮮明となってきた。米国の10年国債利回りは6月7日には5.11%となり、5%台に乗せてきている。

 2番目のグラフはT-Note先物のチャートである。先週後半に価格は急落している(利回りは上昇)。

米国の長短金利

T-Note先物の推移


 下記はモルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル(MSCI)社が算出する世界債券指数(米ドル建て)のチャートである(金利の動きを知るために逆目盛表示にしてあることに注意!)。これをみると、直近で長期金利が急上昇していることがみてとれる。

世界債権指数の推移

 世界的に長期金利が上昇していることは、①先進各国の景気が堅調に推移している、②インフレ圧力(インフレ期待)が高まっていること、を示している。

 長期金利が上昇すれば、投資家のリスク許容度が低下し、資金をより安全な資産にシフトさせる可能性が高まる。

 ちなみに下記は、米国のS&P500と財務省10年物国債利回りを載せたチャートである。昨年の5月初旬から7月下旬にかけてS&P500指数が6.4%下落したことがあった。この時は、インフレ懸念が高まり4月下旬に10年物国債利回りが5%台にのせたあとに株価が下落に転じている。投資家のリスク許容度が低下したことが株価下落の原因ということができる。
 
米国株式と10年国債利回りの推移


 下記はS&P500指数とS&P500のVIX(ボラティリティ・インデックス)の推移を示したチャートである。

 10年物国債利回りが5%台にのせたあとにVIX(ボラティリティ・インデックス)が上昇していることがわかる。

VIXの推移


 先週末の米国の金利上昇は、投資家にとって、重要な警告を発しているのかもしれない。
今晩の米国債券市場の動きに注目したい。

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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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ドルインデックスが上昇!投機資金の流れに変化があるか?

筆者は、米ドルの強弱をみる上で、ドルインデックスの動きに注目しています。

6月8日時点のドルインデックスは82.691ポイントで、前週末(6月1日)の終値(82.322ポイント)に比べて0.369ポイント上昇しています。


ドルインデックス一目均衡表

ドルインデックスの推移


 チャートをみてわかるように、ドルインデックスは大底をつけた可能性があります。これまで対ドルで上昇トレンドが続いていたユーロも調整局面に入っており、ドル円相場も円安基調が継続しています。


ユーロドルの推移

ドル円の推移


 これは、投機資金(ホットマネー)が米国内に還流していることを示す兆候かもしれません。折りしも世界的に再び長期金利が上昇する傾向が見受けられます。


 投資家のリスク許容度の低下から、新興国の資産から、先進国の資産、特に米国の資産を選考する流れが生まれる可能性があります。今後、投機資金の流れが変わるかどうか、ドルインデックスの動きに注目する必要があります。


 なお、主要6通貨(ユーロ、円、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)の対米ドルでの投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジションを合計したものが下記のグラフです。


 6月5日時点では85,681枚の売り越しとなっています(売り越し枚数は2週間連続で増加)。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、米ドルの売りスタンスを維持しているようです。


IMM通貨先物


 下記はNYBOTに上場されているドルインデックス先物取引の、投機筋のポジション動向を示したグラフです。6月5日時点では、14,531枚の売り越しとなっています。売り越し枚数は5週間連続で減少していますが、ヘッジファンドなどの投機筋はまだ売り越しスタンスを継続しています。


NYBOT通貨先物


 ドルインデックスの上昇トレンドが強まるかどうかをみる上で、投機筋のスタンスに注目する必要があります。


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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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