COTレポートの読み方 -3062ページ目

4月3日時点のCME日経平均先物ポジション動向

 4月6日(金)東部時間午後3時30分以降に(日本時間では、4月7日の早朝)の4月3日時点でのCOTレポートが発表されました。CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。

シカゴ先物・コマーシャルズ

 コマーシャルズについては、4月3日時点では12,153枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は3,428枚増えています(買い越し枚数は4週間連続で増加)。実需筋は日本株に対する買い越しスタンスを強めています。これは中期的には、日本株にとって強気材料となります。

 ノン・コマーシャルズについては4月3日時点では7,931枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は2,350枚増加しています(売り越し枚数は2週間連続で増加)。ヘッジファンドやCTA等の投機筋は、日本株に対して売りスタンスを強めています。
 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。

シカゴ先物・ノンコマーシャルズ

4月3日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。

 COTインデックスは4週間連続で100%となり、コマーシャルズが日本株の買いスタンスを強めていることがうかがえます。

COTインデックス

 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。

 4月3日時点のNCOTインデックスは6.68%で、前週(19.34%)に比べて低下しています。これは、ノン・コマーシャルズが日本株に対して、売りスタンスを強めていることを示しています。

NCOTインデックス

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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考とし て筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

3月27日時点のCME日経平均先物ポジション動向

 3月30日(金)東部時間午後3時30分以降に(日本時間では、3月31日の早朝)の3月27日時点でのCOTレポートが発表されました。CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。

シカゴ先物・コマーシャルズ

 コマーシャルズについては、3月27日時点では8,725枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は457枚増えています(買い越し枚数は3週間連続で増加)。実需筋は日本株に対する買い越しスタンスを強めています。

 ノン・コマーシャルズについては、3月27日時点では5,581枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は703枚増加しています。ヘッジファンドやCTA等の投機筋は、日本株に対して売りスタンスを継続しています。

シカゴ先物・ノンコマーシャルズ

 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。

 ヘッジファンドマネージャーで著作家としても高名なラリー・ウィリアムスは、コマーシャルズの動きに注目し、相場を動かすのはコマーシャルズだといっています(『ラリー・ウィリアムスの「インサイダー情報」で儲ける方法』、パンローリング社刊、を参照してください)。

 ラリー・ウィリアムズは上記著作の中で、コマーシャルズの行動を把握するためにCOTインデックス(コマーシャルズ指数)というテクニカル指標を提案し、実際の売買に役立てています。3月27日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。

 COTインデックスは3週間連続で100%となり、コマーシャルズが日本株の買いスタンスを強めていることがうかがえます。

COTインデックス

 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。

 3月27日時点のNCOTインデックスは19.34%で、前週(23.13%)に比べて低下しています。これは、ノン・コマーシャルズが日本株に対して、売りスタンスをとっていることを示しています。


NCOTインデックス

   COTインデックスとNCOTインデックスの計算方法と読み方については、別の機会に説明します。
 来週からは、CME日経平均先物取引について、コマーシャルズ・、ノン・コマーシャルズの動向について、説明していきます。



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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても
責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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COTレポートを活用しよう 第1回

CFTC(米商品取引委員会)は、米国の先物市場を監督する政府機関です。米国にはCBOT(シカゴ商品取引所)、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)、NYBOT(ニューヨーク商品取引所)、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)など8つの先物取引所があり、これらの取引所を監督するのがCFTCです。



 CFTCは、それぞれの先物市場上場商品について、建玉を公表するように各取引所に義務づけています(これをCOTレポート= The Commitments of Traders Reportといいます)。この建玉報告は、実需の投資家(Commercial=コマーシャルズ=現物業者・当業者・ヘッジャー)、大口投機家(Non-Commercial=ノン・コマーシャルズ=大口投機家、ファンド)、非報告建玉(Nonreportable Positions=通常、小口の投機家とみなされます)に分けて、発表されます。すなわち、それぞれの先物商品について、実需筋や投機筋の動きが週ベースで把握できるため、さまざまな示唆を与えてくれます。なお、この報告書は毎週火曜日の取引終了後(現地時間)に市場参加者がCFTCにポジションを報告し、当該週金曜日の取引終了後(現地時間)に内容を発表しています。


米国の先物取引所には、S&P500先物取引などの株価指数先物や、T-Note先物などの金融先物、ユーロ先物取引・円先物取引などの通貨先物、WTI先物・金先物などの商品先物等様々な先物商品が上場されています。その中で売買枚数が多いものは、CFTCにポジション動向が掲載されており、それらを分析すれば、各々の金融・商品先物の方向性を占う上でいくつかの示唆を与えてくれます。このブログでは、COTレポートの読み方の基礎と、実際の商品に当てはめて筆者なりのコメントを書いていきましょう。




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