COTレポートの読み方 -3056ページ目

株価のバリュエーション指標は良好


 米国株式は過去最高値を更新中で、他の先進諸国の株価も大幅に上昇しています。

0618世界株価指数


 同じく、新興国の株価指数も過去最高値を更新中です。

0618新興国株価指数


 こうした中で、日本の株価はいまひとつ力強さに欠けています。下記はMSCI(モルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル)社が算出している米国と日本の株価指数ですが、日本の弱さが目立っています。

0618日本と米国の株価指数


 ただし、両国の株価指数の比率(=米国÷日本)をみれば、高値圏に入っており、日本が相対的に出遅れていることを示しています。

0618日本と米国の株価指数(比率)


 さて、ここで日本の株価のバリュエーション指標を再確認しておきましょう。


 下記は、TOPIXベースの予想EPSの推移です。2008年3月期決算の発表を受けて、予想EPSは上昇基調となっています。

0618TOPIXのEPS推移


 この結果、予想PERが低下し、TOPIXベースの予想PERは6月15日時点で19.95倍まで低下しています。

0618TOPIXのPER推移


 予想PERの低下により、株価のバリュエーション指標のひとつであるイールドスプレッド(=10年国債利回り-株式の益回り)は-3.10%となり、債券と比べて株価が割安であることを示唆しています。

0618TOPIXのイールドスプレッド


 ちなみに、TOPIXベースの予想配当利回りと、株価純資産倍率(PBR)のチャートは下記の通りです。

  企業の配当意識の高まりで、予想配当利回りは高水準を維持しています。

0618TOPIXの予想配当利回りの推移


 PBRも低位を維持しています。

0618TOPIXのPBRの推移


 TOPIX全体でみれば、株価のバリュエーション指標は、日本株が割安であることを示唆しています。
  外国人投資家は、いずれこの事実に注目して、日本株に注目する可能性が高いとみています。


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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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6月12日時点のCME日経平均先物ポジション動向

 6月15日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、6月16日の早朝)に、6月12日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。


0618シカゴ先物・コマーシャルズ


 コマーシャルズについては、6月12日時点では5,521枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は1,752枚減少しています(2週間連続で減少)。

0618シカゴ先物・ノンコマーシャルズ


 ノン・コマーシャルズについては6月12日時点では4,021枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は565枚増加しています。売り越し枚数は6週間振りに増加しましたが、基本的に減少基調が続いています。


 次に、COTレポートのデータを使って、が考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。


 6月12日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。

  COTインデックスは71.92%となりました。低下基調が続いています。

0618COTインデックス


 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。


 6月12日時点のNCOTインデックスは28.30%で、やや低下しました。
 

0618NCOTインデックス


 下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。

  直近のデータは6月8日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は4,579億円の買い越しとなっています。6週間連続で買い越しており、外国人投資家による買い越しが継続しています。

0618対内証券売買契約等の状況


 下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。6月8日から14日まで売り越しが続いていましたが、15日は6日振りに買い越しとなっています。

0618外国人動向


 下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。終値は転換線の上に位置しています。2月26日につけたザラバ高値(18,300.39円)を上回るかどうかが引き続きポイントです。

0618日経平均一目均衡表(週次)


 なお、6月15日のシカゴ日経平均先物の終値は、18,180円と大証の終値(18,020円)より160円高くなっています。


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ラリー・ウィリアムズ, 長尾 慎太郎, 増沢 和美, 吉田 真一, 山中 和彦
ラリー・ウィリアムズの株式必勝法~正しい時期に正しい株を買う


ドルインデックスが上昇!投機資金の流れに変化があるか?

 13日のニューヨーク証券・金融市場は、長期金利の上昇に歯止めがかかる一方で、株式市場は大幅高となり、当面、危機は回避された。

 10年物国債利回りは5.19%まで低下、債券価格は反発した(ただし、価格の下落トレンドは変わっていない)。

0614米国T-Note先物の推移


 S&P500指数は急反発、VIX(ボラティリティ・インデックス)は低下した。

0614VIXの推移


 注目したいのは、米ドルがユーロや円などの主要通貨に対して上昇していることである。投機資金(ホットマネー)が、米国内に還流していることが推測できる。

0614ドルインデックスの推移


 投資家のリスク許容度の低下から、新興国の資産から、先進国の資産、特に米国の資産へ投機資金が移動しているようだ。


 今朝、財務省から6月9日までの対外及び対内証券売買契約等の状況が発表された。


 直近では、海外投資家は、株式については4580億円買い越しているが、債券については8,009億円の売り越しとなっている(中長期債が5,305億円の売り越し、短期債が2,704億円の売り越し)。債券売りが、日本の資産全体の売り越しに結びつくかどうか、今後の動きに注目したい。

0614対内証券売買契約等の状況 株式の推移

0614対内証券売買契約等の状況 債権の推移

 

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