株価のバリュエーション指標は良好 | COTレポートの読み方

株価のバリュエーション指標は良好


 米国株式は過去最高値を更新中で、他の先進諸国の株価も大幅に上昇しています。

0618世界株価指数


 同じく、新興国の株価指数も過去最高値を更新中です。

0618新興国株価指数


 こうした中で、日本の株価はいまひとつ力強さに欠けています。下記はMSCI(モルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル)社が算出している米国と日本の株価指数ですが、日本の弱さが目立っています。

0618日本と米国の株価指数


 ただし、両国の株価指数の比率(=米国÷日本)をみれば、高値圏に入っており、日本が相対的に出遅れていることを示しています。

0618日本と米国の株価指数(比率)


 さて、ここで日本の株価のバリュエーション指標を再確認しておきましょう。


 下記は、TOPIXベースの予想EPSの推移です。2008年3月期決算の発表を受けて、予想EPSは上昇基調となっています。

0618TOPIXのEPS推移


 この結果、予想PERが低下し、TOPIXベースの予想PERは6月15日時点で19.95倍まで低下しています。

0618TOPIXのPER推移


 予想PERの低下により、株価のバリュエーション指標のひとつであるイールドスプレッド(=10年国債利回り-株式の益回り)は-3.10%となり、債券と比べて株価が割安であることを示唆しています。

0618TOPIXのイールドスプレッド


 ちなみに、TOPIXベースの予想配当利回りと、株価純資産倍率(PBR)のチャートは下記の通りです。

  企業の配当意識の高まりで、予想配当利回りは高水準を維持しています。

0618TOPIXの予想配当利回りの推移


 PBRも低位を維持しています。

0618TOPIXのPBRの推移


 TOPIX全体でみれば、株価のバリュエーション指標は、日本株が割安であることを示唆しています。
  外国人投資家は、いずれこの事実に注目して、日本株に注目する可能性が高いとみています。


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