円キャリートレードの解消が進む!
外国為替市場で「円キャリートレード(円借り取引)」のポジションが減少しています。
IMM通貨先物取引・円先物取引の投機筋(ヘッジファンドやCTAなど)のポジション動向をみてみましょう。
7月31日時点では、51,162枚の円売り越しとなっています。前週に比べて売り越し枚数は41,253枚減少しています。2週間連続の大幅減少です。金額に換算すれば、ピーク時の2兆3,509億円から現在は639億円まで減少しています。
金利の低い円資金を借りて、米ドルなど他の高金利通貨に替えて、その国の資産に投資する「円キャリー取引(円借り取引)」のポジションが急速に解消していることがわかります。
外国為替市場では円が主要通貨に対して買われていますが、「円キャリー取引」のポジション調整による円買戻しが一巡すれば、円高に歯止めがかかると思われます。その時期はそう遠くないと思われます。
ちなみに同じ低金利通貨のスイスフランについても、売りポジションが急速に減少しています。
スイスフラン先物取引の投機筋のポジション動向をみると、7月31日時点で14,633枚のスイスフラン売り越しで、売り越し枚数は前週比28,244枚の減少となっています。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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7月31日時点のCME日経平均先物ポジション動向
8月3日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、8月4日の早朝)に、7月31日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。
コマーシャルズについては、7月31日時点では1,894枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は534枚増加しています(3週間振りの増加)。ただし、買い越し枚数は減少基調が続いているようです。
ノン・コマーシャルズについては7月31日時点では2,031枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は149枚増加しています(売り越し枚数は3週間振りに増加)。
ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対する弱気スタンスを継続しています。
次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。
7月31日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。
COTインデックスは57.84%となりました(やや反発)。
一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。
7月31日時点のNCOTインデックスは38.94で、やや低下しました。
下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。
直近のデータは7月27日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は2,911億円の売り越しとなっています。5週間振りの売り越しです。
下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(7月27日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、2,869億円の売り越しとなっています。12週間振りの売り越しです。
米国株式市場の下落により、外国人投資家はアセットアロケーション上で、株式の組み入れ比率を引き下げた可能性があります。その場合、たとえ日本株の割安感が強まったとしても、いったんポジション調整のため、保有している日本株を売ることになります。
下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。8月3日まで10営業日連続で売り越しとなっています。
下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。中期での上昇トレンドが崩れたようです。雲が下値抵抗帯として機能しています。
下記は日ベースの一目均衡表です。当面、下値模索の展開が続くと思われます。
なお、8月3日のシカゴ日経平均先物の終値は16,680円であり(大証の終値は17,010円)、週明けの相場は売りから始まる見込みです。
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- ラリー ウィリアムズ, Larry Williams, 林 則行, 林 康史
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米国株式市場はVIX(ボラティリティ・インデックス)が急上昇!
米国株式市場は2営業日連続で急落し、上昇トレンドが崩れました。
筆者が注目しているS&P500指数のVIX(ボラティリティ・インデックス)をみると、7月27日は24.17%まで上昇し、今年2月の世界同時株安の数値を上回っています。
投資家心理が急速に悪化していることを示しており、今後さらに下落する可能性があります。VIXの今後の動きに注目すべきです。
なお、ここでCMEのS&P500の投機筋(コマーシャルズ)のポジション動向(7月24日時点)をみておきましょう。
差引きでは45,636枚の売り越しとなっており、ヘッジファンドやCTAなどの投機筋が米国株式について弱気スタンスを強めていることがうかがえます。
下記はナスダック100先物取引の投機筋(コマーシャルズ)のポジション動向(7月24日時点)です。
差引きで12,058枚の売り越しとなっています。
米国の10年債利回りは7月27日には4.76%まで低下しました。「質への逃避」の動きで債券市場に資金が流入しています。このまま長期金利がさらに低下すれば、株価に対する下支え要因となります。
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