円キャリートレードの解消がさらに進行!
IMM通貨先物取引・円先物取引の投機筋(ヘッジファンドやCTAなど)のポジション動向をみてみましょう。
8月7日時点では、34,493枚の円売り越しとなっています。前週に比べて売り越し枚数は16,669枚減少しています。3週間連続での大幅減少です。金額に換算すれば、ピーク時の2兆3,509億円から現在は4,311億円まで減少しています。「円キャリートレード」の解消売りは最終局面に入ったようです。
世界的にリスク回避の動きが出ており、「円キャリー取引」のポジション解消が行われていますが、ポジション調整による円買戻しが一巡すれば、円高進行に歯止めがかかると思われます。その時期は近いと思われます。
ちなみに、高金利通貨の代表として、英ポンドと豪ドルの対円でのチャートをみてみましょう。ともに円安トレンドが完全に崩れています。
最後に、円と同様に低金利通貨のスイスフランについても、「スイスフラン売りのキャリートレード」の解消が行われていいます。
スイスフラン先物取引の投機筋のポジション動向をみると、8月7日時点で2,304枚のスイスフラン売り越しで、売り越し枚数は前週比12,329枚の減少となっています(2週間連続で大幅な減少)。キャリートレードの解消はほぼ終わったといえそうです。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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8月7日時点のCME日経平均先物ポジション動向
8月10日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、8月11日の早朝)に、8月7日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。
コマーシャルズについては、8月7日時点では3,556枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は1,662枚増加しています(2週間連続の増加)。
ノン・コマーシャルズについては8月7日時点では3,283枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は1,252枚増加しています(売り越し枚数は2週間連続で増加)。
ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対する弱気スタンスを継続しています。
次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。
8月7日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。
COTインデックスは62.29%となりました(上昇)。
一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。
8月7日時点のNCOTインデックスは32.25となりました(低下)。
下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。
直近のデータは8月3日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は2,372億円の売り越しとなっています。2週間連続の売り越しです。
下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。8月3日に終わる週は1兆1,313億円の買い越しとなっています。 外国人投資家はアセットアロケーション上で、株式の組み入れ比率を引き下げ、資金を債券へシフトさせたようです。
下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(8月3日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、1,413億円の売り越しとなっています。2週間連続の売り越しです。
下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。8月10日まで15営業日連続で売り越しとなっています(この期間の合計は1億7,000万株の売り越し)。
下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。中期での上昇トレンドが崩れています。雲が下値抵抗帯として機能していますが、10日の終値は雲の中に入っています。
下記は日ベースの一目均衡表です。短期の下落トレンドが継続しています。当面、下値模索の展開が続くと思われます。
なお、8月10日のシカゴ日経平均先物の終値は16,705円です(大証の終値は16,750円)。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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- ラリー ウィリアムズ, Larry Williams, 清水 昭男, 長尾 慎太郎, 柳谷 雅之
- ラリー・ウィリアムズの短期売買法―投資で生き残るための普遍の真理 (ウィザードブックシリーズ)
米国株式市場はボラティリティが上昇!
米国株式市場ではボラティリティが急上昇しており、1日の変動幅が拡大しています。
ニューヨークダウ工業株30種平均、ナスダック総合株指数ともに、短期での下落トレンドに転換した可能性が高いようです。
筆者が注目しているS&P500指数のVIX(ボラティリティ・インデックス)をみると、8月3日は25.16%まで上昇し、投資家心理が急速に悪化していることを示しています。
VIXが今後さらに上昇すれば、相場全体は大幅に下落する可能性が強いといえます。
なお、ここでCMEのS&P500の投機筋(コマーシャルズ)のポジション動向(7月31日時点)をみておきましょう。
差引きでは45,032枚の売り越しとなっており、ヘッジファンドやCTAなどの投機筋が米国株式について弱気スタンスを強めていることがうかがえます。
下記はナスダック100先物取引の投機筋(コマーシャルズ)のポジション動向(7月31日時点)です。
差引きで15,139枚の売り越しとなっています。
「質への逃避」の動きで、資金が株式などのリスクの高い資産から、債券市場に流入しています。
下記はT-Note先物取引の投機筋(コマーシャルズ)のポジション動向(7月31日時点)です。514,606枚の売り越しで、2006年10月3日につけた高値に迫っています。ヘッジファンドなどの投機筋は、債券相場が上昇するとみています。
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