クロス円通貨の状況 … 円は全面高の展開へ!
先週後半は円の全面高の展開となりました。これまで、主要通貨の中で米ドルと円が売られていましたが、円については円安の調整が始まったようです。急激な円高進行で、円ショートポジションの損切りが進み、円高進行にさらに拍車がかかっています。
11月6日時点での、CME円通貨先物取引の投機筋のポジション動向を確認しておきましょう。この時点ではまだ円高が本格的に進行していないことに注意する必要があります。
8,897枚の円売り越しであり、売り越し枚数は前週に比べて1,052枚減少しています(4週間連続で減少)。CTAやヘッジファンドなどの投機筋(ノン・コマーシャルズ)の円に対するスタンスは「中立」継続です。
週後半の円高進行で、次週の数値は円買い越しに変わる可能性があります。11月13日時点の数値が楽しみです。
11月9日時点でのクロス円通貨の状況をみてみましょう。円は主要通貨に対して全面高の展開に変わっています。
まず、ユーロ円相場の一目均衡表です。11月9日の終値は基準線と転換線を下回り、雲の上限近くまで下落しています。
ポンド円相場の一目均衡表です。週末(11月9日)は一晩で6円近く下落しました。終値は一気に雲の下限を割り込みました。
次にスイスフラン円相場の一目均衡表です。11月9日の終値は転換線を下回り、基準線の位置で止まっています。
カナダドル円相場の一目均衡表です。週末の3日間で6円以上の下落となっています。11月9日の終値は基準線と転換線の下に位置しています。
豪ドル円相場の一目均衡表です。11月9日は3円以上下落し、終値は雲の上限に達しています。
ニュージーランドドル円相場の一目均衡表です。週末に急落し、9日の終値は転換線と基準線を下回り、一気に雲の下限を下に突き破っています。
最後に南アランド円相場の一目均衡表です。週末に急落し、11月9日の終値は基準線と転換線を大きく下回りました。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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日本株のバリュエーション指標(2007年11月9日時点):割安感強まる
日本株が大きく売られています。日経平均やTOPIXが年初来安値を更新するのも時間の問題のようにみえます。
しかしながら、足元の企業業績はさほど悪くはありません。むしろ好調といってよいでしょう。
11月9日までに発表された9月中間決算を集計すると、上場企業711社ベース(連結決算)で、売上高は前年同期比+9.3%、経常利益は同+11.8%、純利益は同11.7%と、二桁の増益となっています。下半期は伸び率が減速するものの、通期(2008年3月期)に企業業績は、売上高が前年比+6.6%、経常利益は同6.7%、純利益は同8.6%と増益を維持できる見通しです。
この結果、足元の予想EPS(一株利益)は増加基調にあり、株価のバリュエーション指標は魅力的な水準まで低下しています。
相場全体が落ち着けば、株価の割安さが再び注目される公算が強いとみています。
さて、ここで11月9日時点での日本の株価のバリュエーション指標を確認しておきましょう(TOPIXベース)。
下記は、TOPIXベースの予想EPSの推移です。上昇傾向が続いています。
この結果、予想PERが低下し、TOPIXベースの予想PERは11月9日時点で16.86倍まで低下しています。
予想PERの低下により、株価のバリュエーション指標のひとつであるイールドスプレッド(=10年国債利回り-株式の益回り)は-4.30%となり、債券と比べて株価が割安であることを示唆しています。
TOPIXベースの予想配当利回り(加重平均)は1.50%まで上昇しています。
株価純資産倍率(PBR)は1.75倍まで低下しています。
TOPIX全体でみれば、株価のバリュエーション指標は、日本株が割安であることを示唆しています。
バリュー投資家にとっては、仕込み局面が到来したといえるでしょう。
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国際商品市況(11月9日時点) … 金(ゴールド)は過去最高値を更新!
11月9日までの国際商品市況の状況をみておきましょう。
米ドルの代替通貨とみなされる金(ゴールド)は上昇トレンドが強まっています。11月8日にはついに終値ベースでの過去最高値を更新しました。
COMEXの金先物取引の、投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向のチャートを確認しておきましょう。
11月6日時点では、差引きで202,125枚の買い越しとなりました。2週間連続の増加で、買い越し枚数は過去最高値を更新しています。CTAやヘッジファンドなどの投機筋は、金に対して「強気」スタンスを強めています。
下記はWTI先物(期近物)のチャートです。1バレル=100ドルの大台を目前にして足踏みしています。
NYMEXのWTI先物取引の投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向をみておきましょう。
11月6日時点では、105,816枚の買い越しとなり、前週比22,696枚の増加となりました(2週間連続で買い越し枚数が増加)。投機筋のスタンスは「強気」継続です。
ここで、GOLD/WTI比率の推移をみておきましょう。11月9日は8.64倍となっており、相対的に原油に比べて金価格が割安となっています。
次は穀物相場の状況です。CBOTのコーン先物は上昇トレンドが強まってきました。
CBOTのコーン先物取引の投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向をみておきましょう。
11月6日時点では、226,050枚の買い越しとなり、前週比36,670枚の増加となりました。2週間連続の増加です。投機筋のスタンスは「強気」継続です。
国際商品市況の代表的な指数であるCRB指数をみると、年初来高値を更新中です。穀物関係の商品価格の上昇により、穀物関係の比率が高いCRB指数の上昇が強まっています。
バルティック海運指数(ドライインデックス)は、11月9日時点では10,867ポイントとなりました。前週末に比べると、3.0%の上昇です。10月29日につけた史上最高値(11,033ポイント)に迫ってきました。
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