COTレポートの読み方 -3015ページ目

日経平均の下値メドは?

 米国株式の下落をきっかけとする世界的な証券・金融・商品・外国為替相場の波乱の影響を受けて、日本株も大きく下落しています。


  日経平均は今年8月17日に、15,262.10円の年初来安値をつけていますが、この水準まであとわずかのところまで迫ってきました。


 筆者は、中長期の動きを掴むために、5年ごとの移動平均の推移をみています。下記はそのチャートです。


1112長期移動

また、下記は主要な移動平均線の10月末時点での数値一覧表です。

1112-表1

 15年移動平均線(15,573.09円)と30年移動平均線(15,654.96円)が強力な下値支持線と考えられますが、11月9日の終値(15.583.42円)は両者の間に位置しています。


  この水準を割り込んでも短期間で復帰すれば問題ありませんが、この水準を永続的に下回ると次の下値メドは35年移動平均線(14,107.38円)となります。向こう2週間は重要なポイントとなるでしょう。





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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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国際通貨研究所
マネーの動きで読み解く外国為替の実際






11月6日時点のCME日経平均先物ポジション動向… 投機筋は利益確定の行動をとりはじめる

 11月9日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、11月10日の早朝)に、11月6日時点でのCOTレポートが発表されました。


 CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。


1112シカゴ先物・コマーシャルズ


 コマーシャルズについては、11月6日時点では17,154枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は2,924枚減少しています(3週間連続の減少)。


 コマーシャルズは日本株に対して、まだ「強気」スタンスを維持しています。コマーシャルズの行動は中期的には相場に影響します。3カ月から半年先を見据えれば、株式相場は上昇する公算が強いといえます。


1112シカゴ先物・ノンコマーシャルズ


 ノン・コマーシャルズについては11月6日時点では14,538枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は2,589枚減少しています(2週間連続の減少)。売り越し枚数だけをみると2週間連続で大きく減少しています。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、利益確定の行動をとっているようです。今回、彼らは大きな利益をとったと推測されます。


投機筋の日本株に対するスタンスはまだ「弱気」継続です。


 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。


 11月6日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。


  COTインデックスは72.33%となりました(3週間連続の低下)。


1112COTインデックス


 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。


  11月6日時点のNCOTインデックスは28.12%となりました(2週間連続の上昇)。
 

1112NCOTインデックス


 下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。


  直近のデータは11月2日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は2,022億円の買い越しとなっています。2週間連続の買い越しです。


 外国人投資家の日本株に対するスタンスはまだ「中立」と判断します。


1112対内証券売買契約等の状況


 下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。11月2日に終わる週は3,417億円の買い越しとなりました。4週間連続の買い越しです。投機資金は債券市場に流入しています。


 1112対内証券売買契約等の状況 債権の推移


  下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(11月2日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、2,678億円の買い越しとなりました。2週間連続の買い越しです。


1112投資主体別売買金額の推移 外国人


 一方で、下記はジャスダック市場における外国人投資家の差引きの売買金額を示したチャートです。10月26日に終わる週は39.9億円の買い越しとなりました。3週間連続の買い越しです。


1112投資主体別売買金額の推移 ジャスダック


 下記は日経ジャスダック平均のチャートです。7営業日連続の下落で、11月8日にはついに年初来安値を更新しました。
 
1112ジャスダック平均


 東証マザーズ市場については、56億円の買い越しとなりました。6週間連続の買い越しです。


1112投資主体別売買金額の推移 マザーズ

下記は東証マザーズ指数のチャートです。先週1週間で、12.68%の下落となりました。上昇トレンドが崩れた可能性があります。

1112マザーズ平均のEME


 下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。11月1日~9日までの7営業日で累計10,300万株売り越しています。


1112日経平均と寄付の外資系証券注文動向


 下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。11月9日の終値は、雲の下限を割り込みました。8月17日につけた安値(15,262.10円)を維持できるかどうかがポイントとなってきました。


1112日経平均一目均衡表(週次)


 下記は日ベースの一目均衡表です。完全に下落トレンドに入りました。


 なお、11月9日のシカゴ日経平均先物(12月限)の終値は15,255円となっています(大証の終値は15,550円)。


1112日経平均一目均衡表




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10月の景気ウォッチャー調査から

昨日(11月8日)、10月の景気ウォッチャー調査が発表されました。これは街角の景況感を示すもので、国内関係の経済指標の中で発表が最も早い経済指標として、近年、重要視されつつあります。

なお今回の発表では、内閣府は、基調判断を3カ月振りに下方修正しています(「景気回復に引き続き弱い動きがみられる」)。

景気ウォッチャー調査(全国)

 下記は景気の現状判断DIのチャートです。10月は41.5%で、7カ月連続の低下となっています。

景気ウォッチャー調査(景気の現状DI)

 次は景気の先行き判断DIのチャートです。10月は43.1%で、6カ月連続で低下しています。

景気ウォッチャー調査(景気の先行きDI)

 下記はDIと株価(TOPIX)をあわせたチャートです。景気ウォッチャー調査は近年、株価の先行指数のひとつとして機能しています。

 今回の調査結果をみれば、株価はまだ低迷する可能性があります。

景気ウォッチャー調査と株価(全国)

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