日本株のバリュエーション指標(2007年11月9日時点):割安感強まる
日本株が大きく売られています。日経平均やTOPIXが年初来安値を更新するのも時間の問題のようにみえます。
しかしながら、足元の企業業績はさほど悪くはありません。むしろ好調といってよいでしょう。
11月9日までに発表された9月中間決算を集計すると、上場企業711社ベース(連結決算)で、売上高は前年同期比+9.3%、経常利益は同+11.8%、純利益は同11.7%と、二桁の増益となっています。下半期は伸び率が減速するものの、通期(2008年3月期)に企業業績は、売上高が前年比+6.6%、経常利益は同6.7%、純利益は同8.6%と増益を維持できる見通しです。
この結果、足元の予想EPS(一株利益)は増加基調にあり、株価のバリュエーション指標は魅力的な水準まで低下しています。
相場全体が落ち着けば、株価の割安さが再び注目される公算が強いとみています。
さて、ここで11月9日時点での日本の株価のバリュエーション指標を確認しておきましょう(TOPIXベース)。
下記は、TOPIXベースの予想EPSの推移です。上昇傾向が続いています。
この結果、予想PERが低下し、TOPIXベースの予想PERは11月9日時点で16.86倍まで低下しています。
予想PERの低下により、株価のバリュエーション指標のひとつであるイールドスプレッド(=10年国債利回り-株式の益回り)は-4.30%となり、債券と比べて株価が割安であることを示唆しています。
TOPIXベースの予想配当利回り(加重平均)は1.50%まで上昇しています。
株価純資産倍率(PBR)は1.75倍まで低下しています。
TOPIX全体でみれば、株価のバリュエーション指標は、日本株が割安であることを示唆しています。
バリュー投資家にとっては、仕込み局面が到来したといえるでしょう。
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