Takeaway from Cornell (MBA留学メモ)
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引越し

こちらに引越ししました。
http://d.hatena.ne.jp/Yoda/

よろしくお願いします。

Managing and Leading in Organization

Managing and Leading in Organization, 通称MLOは、最後のコア科目で、リーダーシップ、チームワーク、組織論について学ぶ。ソフトスキル系なので、Takeawayを確認していかないとさらさら流れてしまいそう。リーディングの量は多いが、授業はProf.Mannixのダイナミックな仕切りで、割とエキサイティングで面白い。
最初の授業では、正しいデータの使い方と意思決定というテーマで、いかにスペースシャトル'チャレンジャー'の打ち上げ時において誤った判断がなされたかを、ケース、ビデオ等を使いながら学んだ。与えられた情報をいかに正確に活用するかは、簡単そうに見えてなかなか難しい。今回はO-Ring Failureと呼ばれる錯誤について学んだ。また、いかにPersuasiveなコミュニケーションを行うかもKeyになってくる。

2回目のチームワークの議論では、'コロンビア'の打ち上げ時に起きたトラブルに対する対処を題材に、なぜNASAが誤った判断に陥ったのかを分析した。

意思決定の誤りは、
1 個人レベルの誤り(間違った判断/アクション、コミュニケーションの仕方がまずい)
2 グループレベルの誤り
3 組織レベルの誤り (組織の複雑さ、カルチャー、環境、Decision Makingの仕組み)
などレベルが様々であり、特に3.のカルチャー・環境は個人の意思決定に大きな影響を及ぼす。

トラブルの潜在的な問題を洞察した当事者が、データのないままNASAに調査実施を説得しようと試みるが失敗に終わった件を挙げ、'NASAがData Drivenのカルチャーだったことが、Dataを持たないPotentialな危機への対応を妨げた'という教授の見解に物足りなさを感じた。Data Drivenなカルチャーは基本的に悪いことではない。あらゆるタイプの危機・状況に対応できるカルチャーなどは作るのが難しいだろうから、それはそれとしてPotentialな危機への対処の手順を作っておかなかったことが問題なのではないかと発言。
 

ブランドの中間試験

たった今、Strategic Brand Managementの中間試験が終了。
朝8時から11時半まで、3時間半ぶっ通しでしたが、それでも時間が足りませんでした。

内容は、アイルランドにおけるニコチンパッチのプロダクト立ち上げのケース14ページほどを読み、立ち上げにあたってのターゲット、プライス、プロモーション・アドバタイジングの提言とその理由付けに加え、Financial Analysisを別表でつけたメモを3枚書き上げることと、正誤問題(要理由記述)が8問。多すぎるっちゅうねん。Nativeの連中でさえ'時間足りねーよ、Crazyだ'とか言ってました。

ケースの内容としてはそんなに奇をてらったものではなかったので、提言もストレートなものにし、ただ各施策がIntegrateされているように気を配りました。単純そうに見えて、このIntegrationが結構見落とされがち。

こっちに来て思ったんですが、アメリカ人って意外にStrategicな考え方をしない。'Salesを増やしたいがどうすればいいか'みたいなケースで単純に'Price下げれば良いじゃん'とかすぐ答える。しかしLong TermのPositioning, ProfitabilityやCapacityとの整合性がないことを指摘すると、'じゃあPriceそのままにしてAdvertising増やそう'とか。行き当たりばったりかよ。

でも彼らの優れているところは、時間の制限のあるなかで、とにかくまず答えを決めて、それに対する論証の肉付けをやっていけるところ。とかくStrategicに考えようとして慎重に議論するあまり、なかなか方向性を決めきれないのが僕の(日本人の、と一般化して良いのかどうかはわからないので)欠点。実際ケースやリアルのビジネスにおいては、正解などないので、ある程度正しいと思われる方向性が見えたら、細かい議論はいいからザクッと決めて進めていくほうが合理的な場合が多いと思われます。

さて、マーケティングリサーチの宿題を終えたら、無事春休みです。

Consumer Choice Process

Consumerがものを購入するまでのプロセスとそれに影響を与える要因。
Sorce of InfoとDecision Influencesの部分において、ネットの口コミ、特に掲示板やブログなどの影響が大きくなってきていると思われる。

Price changeのインパクト

Brandの授業で、Priceの上げ下げによるインパクトを扱った。
具体的には、Priceを上げ下げした際、ブレイクイーブンに必要な販売量がどれくらい変化するかを考察するというもの。

まずブレイクイーブンに必要な量は下記の式で求められる:
・プライスアップの場合(必要販売量は下がる)
必要量Q = x / (g-x) (g:Gross Margin x:Change in price)

・プライスダウンの場合(必要販売量はあがる)
必要量Q = x / (g+x)

これに則ってインパクトを計算してみると、上記の表のようになる。(プライスダウンの場合。

つまり、低マージンの商品ほど、プライスダウンによるインパクトはでかいということ。薄利多売ビジネスにおいて、必要量を見極めない安易なプライスダウンは危険。また、プライスアップの場合も低マージンの商品のほうがインパクトはでかくなる。つまり、プライスアップに対する、必要販売量の減少が高マージン商品に比べ著しいということ。ブランド物などの高マージン商品は、プライスダウンしてもあまり必要販売量は減らないということ。ポジショニングを考える上でも重要なインプリケーションだと思う。

ベイズの定理

秋学期に統計学の授業で習った'ベイズの定理'について。たまたま別の本を昨夜読んでいたらまた出てきたので、おさらいしておくことに。
                                             
問題: ある病気にかかっている人が統計的に0.1%であるとする。検査の結果、陽性反応が出てしまった。検査の正確性は98%である。さて、本当に病気である確率はどの程度と考えたらよいか。
                                                  

答え: 本当に病気で、検査も正しい、という確率 0.1%×98%=0.098%
    本当は病気じゃないのに、検査が陽性、という確率
    99.9%×2%=1.998%
    従って検査が陽性の場合、本当に病気なのは
    0.098/(0.098+1.998)=約4.7%
    検査が陽性でもあんまり心配しなくてよい。

これを応用し、検査が陽性の場合は再度検査を行い検査自体のミスではないか確認することで、全体の精度をあげることができる。(逆に陰性の場合は検査にミスはない確率が高く、検査自体をチェックする意味はあまりない)これは生産工程での不良品チェックにも使える。不良品が出た場合、チェック自体が間違いである可能性が高いからである。

The Goalとトヨタ生産方式

Operationのコースも、明日のFinal Examをもって終了。
プロセスフローの分析によるボトルネックの抽出やフロー改善、適切な在庫の量やオーダーの量、解析ソフトを使った制約条件下での最適ポイントの計算、意思決定ツールを使って、ランダムに変化する変数を何万回も計算させて分布を見て判断の材料にする、ジャストインタイムの考え方、シックスシグマのさわり、など盛りだくさんの内容だった。

教授が特に日本びいきだったのかもしれないが、オペレーションの授業におけるトヨタの存在感の大きさと言ったらない。デル、ウォルマート、サウスウェスト航空などアメリカを代表するオペレーション・エクセレントカンパニーにも決してひけをとらない登場回数だった。

僕は日本人と言うこともあって、トヨタについて聞かれたら答えられるようにしておこうと、大野耐一さんの'トヨタ生産方式'を読んでおいた。読んでみて気がついたのだが、在庫を極力減らすため、バッチサイズを小さくし、供給の平準化につとめる、部分最適でなくフロー全体を見て全体最適をはかる、などなど、オペレーションの副読本であった'The Goal'の内容と重複する点が多かった。'The Goal'は、この内容を日本人に学ばせたら日本企業の生産性がますますあがってまずい、ということで著者が日本での翻訳出版を長く禁じていたというが、そんなことしなくても、日本発の素晴らしい本があったのだ。とても誇らしく思うと同時に、大野さんとトヨタの偉大さを思い知る。

大野さんは豊田喜一郎社長の'3年でアメリカに追いつけ'という当時からすれば無謀に近いビジョンを受け、無理だと投げ出すのではなくそれを達成するにはどうすればいいかを考え続けた。その結果生まれたのがジャストインタイムでありカイゼンであり、命題を目の前にして、いかに知恵を振り絞ってアプローチし解決していくかということの重要性を改めて認識した。MBAの日々は忙しすぎてともすれば与えられた課題に対するリアクションのみで時間のほとんどを使ってしまいがちだが、自ら命題を立ててプロアクティブにアプローチしていく努力をしようと思う。

The Psychology of Waiting

Operationの授業で学んだ、'待たされる心理'について。
お客さんの待ち時間は企業にとって敵だが、完璧になくすのはコストがかかりすぎる場合が多い。待ち時間をいかに減らすかもさることながら、待ち時間を'心理的に’軽減する策もいろいろ:

1.何もしない手ぶら時間は長く感じる
 ・鏡とかテレビを置いたり、空港では買い物やバーなどを設置。
2.先にプロセスを進めてしまうより、処理しながら待つほうがいい
 ・待ち時間が減っていっている感覚が大事。遊園地など、列をくねくねさせて作っておいて前に進んでいるのが人目でわかるようにしたり。空港のゲートから荷物受け取りまでわざと距離を開けて歩かせ、受取所での待ち時間を短くしたり。卑劣な。。
3.心配・不安は待ち時間を長く感じさせる。
 ・きちんと説明するとか、状況が確認できるボードなどを置く。
4.どれだけ待たされるかわからないと長く感じる
 ・バス停などで、一つ前のバス停まで来ていることを表示したり。あと30秒で信号変わります、など。
5.アンフェアだとよけい長く感じる。
 ・First come、First served.
6.サービス自体が重要だと、長く待てる。
 ・時には待ち時間がサービスの重要性を誇示したり高めたり・・・行列のできるラーメン屋。
7.一人で待つよりグループで待ったほうが短く感じる。

いろいろあるけど、どれも作戦だと知ってしまうと、余計腹が立ちそうなのは気のせいですか。

Process Flow Variability

アウトプットを出す上で、たいていの場合、どうしても質・量のばらつきが出てしまう。その際、それを闇雲に現場の責任にしてみたり、不可避なばらつきなのにそれの軽減にインセンティブを設定したりしても、’くじ引きによって報酬を決めるようなもの’(デミング博士)である。
ではどうすればいいかというと;
1.統計的にこの程度は発生すると予想できるばらつき(Normal Variability)を見積もる
2.それに関しては現場は変にいじらない。長期的に減らすことを目標に、投資判断等を行う。これは経営層の仕事。
3.それに当てはまらない、異常なばらつき(abnormal Variability)を見つけ、
4.それを切り離し、原因解決に努める

Manufacturing上のプロセスの話だが、別にそれに限らず使える普遍的なフレームワークだと思う。普段から、何か異変が起きたとき、それを予見範囲内のばらつきと異常なばらつきに分けることによって、適切な対応ができるというもの。たとえば、ストックしておいたはずのインスタントラーメンが食べられてしまって残っていないというのは、我が家の場合Normal Variabilityである。

Giving Feedback

アメリカの大学は学生から教授への評価、フィードバックが盛んに行われる。というか、普通に文化として定着している。
学生から教授へ、授業の質、進め方、テスト・評価の仕方など、いろいろな項目についていろんなタイミングで行われる。コーネルでは普通、学期の途中と最後に評価・フィードバックを行い、教授はそれで評価される(悪いのが続くとクビになる)し、フィードバックを授業の質の改善に利用できる。そうやって常に緊張関係を保ちながら、教育の質を向上させていく仕組み。

今学期、Brand Managementの授業を取っているのだが、あまりにもWork Loadが多すぎ、授業の進め方・枠組みに疑問の余地があり、説明・Expectationが不明確、などの点で生徒から不満が続出していた。ついに数人が立ち上がり、クラスのみんなの意見を拾い上げて集約し、教授と話し合いを持って改善を要求するに至った。

個人的には、日本では教授に楯突くみたいな文化がなかったので、とても新鮮。僕はそれほど不満でいっぱいと言うわけではないが(量はきつくて死にそうだが)、生徒のアクションに興味津々。今日も授業が終わった直後、教授との話し合いの進捗、今後の進め方等について1時間近く議論があった。

ビジネススクールの学生に限ったことなのかどうかわからないが、割とみんな’自分はこの学校のCustomerだ’という意識を持っている。お金を払っているんだから、中身について要求して当然だ、というわけだ。こういった姿勢と求めるアクションは素晴らしいと思う。一方、サボりたいだけ、きついから不満なだけ、というネガティブな側面との線引きが難しい。教授に求める分、生徒も精一杯やらないといけない。でもそれが実現できれば、とても健全な状態だと思う。

ビジネススクールが実仕事のトレーニングだと考えると、これは過大なWork LoadやExpectationに直面した際の対処のシミュレーションだと考えることもできる。そうした際、彼らのように、適正な分量・Expectationの設定をネゴることはとても重要。一方で、重要なものとそうでないものを自分で素早く見分け、プライオリティづけを行うのも重要な訓練になる。特に後者は自分の苦手なTime Managementに直結する話であり、意識して向上に努めたいと思う。