70年代のロバート・レッドフォード。この時代に代表作が並んでいる。アカデミー作品賞に輝いた「スティング」。作品としては名作にはならなかったけど、一大ブームを起こした「華麗なるギャッツビー」など。
そんは中、唯一といっていい恋愛映画が「追憶」。共演したバーブラ・ストライサンドの主題歌の効果もあって、今では70年代の名作として記憶されている。
名作ドラマ「セックス&シティ」で、ヒロインたちが、「追憶」のレッドフォードが凛々しかったことを絶賛するシーンがあった。
レッドフォードが演じたのは、ヒロインのバーブラが憧れる美男子のハベル。出会いは大学。文学部で同じ教室に通うふたり。レッドフォードはいわゆるWASPのエリート坊ちゃん。バーブラは貧しいユダヤ人の苦学生。まったく世界の違うふたり。
しかし、バーブラはこのエリートに憧れる。表向きは反フランコを掲げる左派の活動家なのに、レッドフォードの屈指のなさに惹かれてしまう。
映画のファーストシーンは戦中。NYのバーでの再会。レッドフォードは海軍兵士で真っ白な制服姿。それが一層、彼のハンサムぶりを引き立てる。学生時代に憧れたレッドフォードとの再会にバーブラ演じるケティは心をときめかせる。
このシーンのレッドフォードの海軍の制服が美しいと評判になった。この再会で、映画は大学時代の回想シーンになり主題歌が流れる。
その美しさというのに、レッドフォードは抵抗したらしい。こんな考えの浅い男なんて演じられない、見せ物みたいじゃないかと。
それを説得したのが監督のポラック。「この役はグラビアの女の子みたいな役。でも、俺たちは、女の子をずっとそんな目で見てきたじゃないか?今度は君がグラビアの男を演じるべきなんだ」と。
結局、レッドフォードは育ちのいい、そこそこのインテリ(脚本家)のイケメンを演じた。ハベルはケティと結婚してハリウッドで暮らすが、反赤狩りや反戦運動にのめりこむ彼女を見放し、別れる。
ラストシーンはNYプラザホテル前。セントラルパークで反原発運動をしているバーブラ。プラザホテルから出てくるレッドフォード。かたわらには美しい妻。そして、お互いの近況を報告し別れる。
映画は大ヒット。二人の再共演も噂されたけど、実現はしなかかった。レッドフォードは見せ物男子は1回で十分と思ったのだろうか。












