呉美保の新作「ふつうの子ども」の主人公は、本当に普通の男の子。普通じゃなくなるのは、この子が、ちょっと変わった女の子を好きになってしまったから。
この女の子がグレタ並みの意識を持った環境ガール。学校でも、環境問題を声高に訴えて、大人の無策を批判する。
男の子は、本当は環境意識なんてないけど、彼女の気をひきたくて、問題意識を共有したようにアピールする。
しかし、そこに、やんちゃなイケメンの同級生が割り込んで来たので、三角関係になる。彼女の思惑に引きずられ、過激さを増して、問題化する。
「ふつうの子ども」★★★★★
呉美保は前作の「ぼくが生きている、ふたつの世界」(主演・吉沢亮)も良かった。そして、この新作。今までの彼女の作品にはない、軽やかさ。
この人、こんなコメディセンスがあったのかと驚いた。
成功の大きな要因は、主人公の男の子。この子が本当に「ふつうの子供」なのだ。この子の表情を追うだけで映画として成り立つ。
彼のママを演じる蒼井優、担任の風間俊介。もともと芝居のうまい俳優から、より自然な演技を引き出す、見事な演出。
さらに終盤登場する、瀧内公美の問題女子のママ。一瞬で場面をさらう。理不尽な存在なのに、妙に説得力がある。
実際にこんな強力な独善的ママ、いるだろうと思わせるのは、瀧内公美の演技力?呉美保の演出力?
