こんにちは、培養部門です。

当院では採卵後に医師に加えて培養士が採取できた卵子の状態や精子の状態、費用、助成金について説明しています。

患者様がお急ぎでなければ、ゆっくりと説明できる時間を設けさせていただいています。受精方法の説明をさせていただく中で、

「 2つの精子が1つの卵子に受精すると双子になりますか? 」と質問を受けることがあります。

答えは、双子にはなりません。

2つの精子が1つの卵子に受精すると、染色体異常の受精卵になります。



双子になるには大きく分けて2つ過程があります。

・1つの精子が1つの卵子と受精し成長の過程で2つに分かれる一卵性双生児

・2つの卵子が各1つずつの精子と受精し成長する二卵性双生児

一卵性双生児はDNA配列が同じですが、二卵性双生児はそもそもの卵子と精子が別々です。どちらも1つの精子が1つの卵子に受精しています。

また、卵子には1つの精子のみを受け入れる多精子ブロック機構が存在しています。

卵子は精子と受精した後、数秒の間に自身の細胞表面や透明帯の構造を変化させ、精子の侵入を拒みます。そうすること、多精子受精による染色体異常を防ぐことができます。

多精子ブロック機構については多くの研究がされており、最近は日本のグループによって多精子ブロック機構に関わっている新たな遺伝子が解明されました。

 

体外受精を行い、多精子受精が多い方も顕微授精を行うことで解決できることがほとんどですが、多精子ブロック機構の研究はさらに卵子や精子に効果的な技術の開発に期待されています。

 

参考:MARC-3, a membrane-associated ubiquitin ligase, is required for fast polyspermy block in Caenorhabditis elegans. Ichiro K et al. Nat Commun. 2024


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お知らせ

 

 

当院の初診について

当院の不妊外来を初めて受診される際にお電話での予約が必要な理由

 

当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。

当院の不妊治療に関わる先進医療の種類と効果

 

大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH( 抗ミュラー管ホルモン )検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。

当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。

大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費( AMH検査・精液検査 )が助成されます

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。

PGT-A( 染色体異数性検査 )の要件が変わりました

 

※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

先進医療、PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 

 〔生殖医療専門医〕古井憲司