こんにちは、培養部門です。
当院に通院されている方で体外受精を考えている方、体外受精に進まれる方を対象に体外受精説明会を開催しております。ご予約していただければ、何度でもご参加していただくことが可能です。
説明会の最後に質問コーナーを設けておりその際に、「 AMHの値が低くても妊娠できますか? 」と質問していただくことが多くあります。
※AMH検査とは、卵巣内の卵胞数の推定および卵巣予備能を調べる検査です。
今回は質問の答えを解説してゆきます。
AMHの値が低くても、卵胞が発育しているのであれば、妊娠、出産できる可能性はとても高いです。
AMHの値が低くても、卵子の質には影響しないと言われております。卵子の質は年齢が高くなるにつれて低下しますので、AMHの値よりも年齢に関わります。
Case report 「 低AMH(0.03ng/ml)症例の方の妊娠、出産 」
しかしながら、AMHの値は年齢が高くなるにつれて低下します。AMHの値はある程度の閉経期を予測することができます。AMHの値をみて、治療計画を考えることが非常に重要です。
よって、AMHの値が低い場合は、タイミング指導や人工授精よりも妊娠、出産の可能性が高い体外受精、顕微授精に早期にステップアップをした方が、希望されるお子様の人数や治療計画に沿って治療を進めることができる可能性が高まります。
パートナー同士で検査を行い、現状を知った上で家族計画を立てることが大切です。
当院では、一通りの検査を行うことができます。ぜひ、ご相談ください。
不妊治療卒業メッセージとしてたくさんの方からメッセージをいただいております。
是非、ご覧いただければ幸いです。
お知らせ
当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。
PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。
・直近の胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠が成立していない方
・直近の妊娠で臨床的流産を2回以上反復している方
・夫婦いずれかにリプロダクション(生殖)に影響する染色体構造異常を有する方
※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。
PRP療法とは再生医療の一つです。
様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。
子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。
PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。
文責:培養部門
〔生殖医療専門医〕古井憲司