第1位 城
城 (新潮文庫)/新潮社
¥882
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フランツ・カフカ『城』(新潮文庫)
ある朝起きたら虫に変わっていた『変身』では、目に見える形の「不条理」が描かれますが、仕事として呼ばれたにもかかわらず現場の城に入ることすら出来ない測量士Kの物語であるこの『城』では、目に見えないシステムとしての「不条理」が描かれています。未完の作品ですが、Kを取り巻くこの異様な雰囲気は、まさにカフカならでは。
第2位 車輪の下で
車輪の下で (光文社古典新訳文庫)/光文社
¥600
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ヘルマン・ヘッセ『車輪の下で』(光文社古典新訳文庫)
神学校に進学するほど、勉強がよく出来たハンス。しかしやがて友情や恋愛、仕事など、様々な面でつまづいていくこととなって……。人生に悩む若い世代から今なお圧倒的な共感を呼ぶ名作。読書感想文の本としてすすめられることも多いというだけに、やはり心に突き刺さるものがあります。明るく楽しい話ではないのでそれなりの覚悟を。
第3位 若きウェルテルの悩み
若きウェルテルの悩み (新潮文庫)/新潮社
¥452
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ヨハン・ゲーテ『若きウェルテルの悩み』(新潮文庫)
ウェルテルは、自分が愛するようになったロッテの素晴らしさについて、友人のウィルヘルムに手紙で綴っていったのですが……。『車輪の下で』と並んで、今なお読み継がれているドイツ文学の名作。恋にうかれるウェルテルの気持ちがよく分かるだけに、衝撃的な一冊でもあります。手紙の形式で書かれた「書簡体小説」であることも特徴。
第4位 トーニオ・クレーガー 他一篇
トーニオ・クレーガー 他一篇 (河出文庫)/河出書房新社
¥599
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トーマス・マン『トーニオ・クレーガー 他一篇』(河出文庫)
芸術を愛する一方、友達とうまくやれない少年トーニオは芸術と生活は相反するものなのではないかと思うようになりました。やがて念願の作家となったのですが……。小説家によって書かれた半自伝的な小説はたくさんありますが、中でも印象に残るのがこの『トーニオ・クレーガー』。ナイーヴな少年時代がたくみにとらえられた名作です。
第5位 ニ―ベルンゲンの歌
ニーベルンゲンの歌 前編 (ちくま文庫)/筑摩書房
¥945
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中世ドイツ英雄叙事詩『ニ―ベルンゲンの歌』(全二巻、ちくま文庫)
竜の血を浴び、ある一部分を除いて無敵になった英雄ジークフリートは王の代わりに求婚に出かけることになったのですが……。古い詩の形式で神々や英雄を讃えるものを「叙事詩」といいますが、その中でも抜群に面白いのが『ニーベルンゲンの歌』。RPGなどゲームの原点とも言えるほど、キャラクターやストーリーの面白さがあります。
第6位 影をなくした男
影をなくした男 (岩波文庫)/岩波書店
¥504
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アーデルベルト・シャミッソー『影をなくした男』(岩波文庫)
謎めいた男と取引し、影を渡す代わりに好きなだけお金が出て来る袋を手に入れた〈私〉。望みの通り大金持ちになれたのですが……。役に立たないと思っていた影を失った男には一体どんな運命が待ち受けているのでしょうか。『影をなくした男』が気に入った方はぜひ次は似たテーマを持つゲーテの『ファウスト』に挑戦してみてください。
第7位 賢人ナータン
賢人ナータン (岩波文庫 赤 404-2)/岩波書店
¥630
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ゴットホルト・レッシング『賢人ナータン』(岩波文庫)
その賢さで知られているユダヤ商人ナータンは、イスラム教徒の王様からユダヤ教とイスラム教とキリスト教ではどれが一番すぐれているかという難題を突き付けられて……。今なお宗教の対立は数々の紛争を生んでいますよね。この戯曲は、それぞれの信仰がぶつかりあうものの、やがては理解を深めていく感動作で、深く考えさせられます。
第8位 三文オペラ
三文オペラ (岩波文庫)/岩波書店
¥756
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ベルトルト・ブレヒト『三文オペラ』(岩波文庫)
乞食の元締めであるピーチャムは、盗賊団のボスのメッキースと娘ポリーとの結婚をなんとか防ごうと奮闘するのですが……。ドタバタ喜劇風の派手な展開の中で下町の風俗を描き出した、劇作家ブレヒトの代表的戯曲。劇中歌の「メッキー・メッサーのモリタート」も人気を集め、後にはジャズ・ナンバーとしても愛されるようになりました。
第9位 朗読者
朗読者 (新潮文庫)/新潮社
¥578
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ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮文庫)
市電の車掌ハンナと出会った15歳の〈ぼく〉は、母親と間違われるほど年上のハンナといつしか愛し合うようになりました。いつも〈ぼく〉はハンナに小説の朗読をして……。現代のドイツ文学で、おそらく最も読まれているであろう作品。愛を描いた物語でありながら、同時にドイツが抱える歴史・政治的な問題をも取り込んだ衝撃作です。
第10位 ブリキの太鼓
ブリキの太鼓 (池澤夏樹=個人編集世界文学全集2)/河出書房新社
¥3,150
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ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』(河出書房新社)
三歳になった時にわざと怪談から転げ落ちた〈ぼく〉オスカル。そうして身体の成長を止めることに成功した〈ぼく〉は叫び声をあげてはガラスを割り、肌身離さず持ち歩くブリキの太鼓を叩き続けて……。狂気を内包した語りでドイツが抱える歴史や宗教、政治の問題をあぶり出した小説。長い作品ですが、忘れられない印象の残る傑作です。
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