フランス文学 おすすめベスト10 | 文学どうでしょう

文学どうでしょう

立宮翔太の読書ブログです。
日々読んだ本を紹介しています。

第1位 八十日間世界一周


八十日間世界一周〈上〉 (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥720
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ジュール・ヴェルヌ『八十日間世界一周』(上下、光文社古典新訳文庫)

目の前に壊れかけた吊り橋があるなら、いっそ列車を全速力で走らせろ! とそんな息もつかせぬアクション・シーンがひたすら続く、はらはらどきどきの冒険譚。仲間との賭けで世界一周に挑むフォッグ氏の、ロボットのように感情を見せないキャラクターが何よりの魅力。一見情のない嫌な奴に見えて……からの意外な展開にぐっと来ます。

第2位 レ・ミゼラブル


レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)/新潮社

¥788
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ヴィクトル・ユゴー『レ・ミゼラブル』(全五巻、新潮文庫)

涙でページの文字が歪んだ大感動作。長年囚人だった男が心を入れ替えようとするも、困難が降りかかり続けるという物語ですが、ジャン・ヴァルジャンだけでなく、登場人物の誰もが主人公と言える壮大な作品になっています。ミュージカルや映画もいいですが、原作にはもっと入り組んだ設定があるので、ぜひ原作も読んでみてください。

第3位 脂肪の塊・テリエ館


脂肪の塊・テリエ館 (新潮文庫)/新潮社

¥389
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ギ・ド・モーパッサン『脂肪の塊・テリエ館』(新潮文庫)

すぐれた短編作家と言われてすぐに思い浮かぶのがモーパッサン。プロシア軍が攻めて来る中、街を脱出しようとする人々が乗り込んだ馬車での一幕を描いた「脂肪の塊」と、娼婦の館の一行のてんやわんやの道中を描く「テリエ館」は中でも珠玉の作品。薄い本なのですぐに読めますが、感動とも衝撃ともつかぬ余韻がしばらく残るはずです。

第4位 赤と黒


赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)/光文社

¥800
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スタンダール『赤と黒』(上下、光文社古典新訳文庫)

ナポレオンに憧れてとにかく出世したいと思っている秀才ジュリヤン・ソレルの物語なので、歴史や政治の要素も入っていますが、そんなことよりもなによりもラブストーリーとして面白い小説。人妻レナール夫人との恋愛も興味深いですが、こちらが好きな気持ちを見せると嫌われてしまう貴族の令嬢のマチルドとの恋愛に引き込まれます。

第5位 椿姫


椿姫 (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥860
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アレクサンドル・デュマ・フィス『椿姫』(光文社古典新訳文庫)

高級娼婦マルグリットが死に、競売で蔵書のアベ・プレヴォ『マノン・レスコー』を手に入れた〈私〉。やがて、その本を譲って欲しいという青年アルマンが訪ねて来て、マルグリットとの恋物語を語り始め……。恋が実った時の高揚、愛する故の嫉妬、喜びそして悲しみまで様々な要素が組み込まれた感動作。舞台やオペラでも有名な名作。

第6位 感情教育


感情教育 上 (河出文庫)/河出書房新社

¥893
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ギュスターヴ・フローベール『感情教育』(上下、河出文庫)

純粋無垢な青年だったフレデリックは恋をして、社会に揉まれる内に少しずつ大人になっていきます。精神的に成長し、抜け目なく行動できるようになっていくわけですが、しかしそれは同時に、大切ななにかを失っていくことのようでもあり……。人妻の揺れる心理を描いた『ボヴァリー夫人』で有名なフローベールが描く、青春小説の傑作。

第7位 肉体の悪魔


肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥500
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レイモン・ラディゲ『肉体の悪魔』(光文社古典新訳文庫)

幼くしてラブレターを出すほど大胆、それでいて繊細、禁じられたことには挑んでみたくなる性分である15歳の〈僕〉は、夫を戦場へと送り出した19歳のマルトの元に通うようになり……。純粋な愛とはまた違った、息詰まるような心理劇が描かれた傑作。20歳で夭逝したラディゲは、三島由紀夫が敬愛した作家としても知られています。

第8位 ゴリオ爺さん


ゴリオ爺さん (新潮文庫)/新潮社

¥746
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オノレ・ド・バルザック『ゴリオ爺さん』(新潮文庫)

貧しい暮らしをしているゴリオ爺さん。同じ下宿屋に住むラスティニャックは、有名な商人だったゴリオ爺さんが、二人の娘からお金を搾り取られ続けていることを知り……。父親の無償の愛とそれにつけこむ娘たちの残酷さを、社交界での成功を夢見る青年の目から描いた傑作。様々な登場人物がリンクする「人間喜劇」の一作でもあります。

第9位 恐るべき子供たち


恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥540
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ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』(光文社古典新訳文庫)

雪合戦の雪玉がぶつかって寝込んでしまった少年ポールに寄り添う姉のエリザベート。ポールとエリザベートの、密接した、二人だけの独特の世界は、やがてそれぞれの友人が介入したことで奇妙に形を変えていって……。ギリシャ悲劇を思わせる幻想性と、緊迫した空気を持つ作品。子供たちに起こった、”恐るべきこと”とは、一体何なのか?

第10位 青の寝室


青の寝室---激情に憑かれた愛人たち (【シムノン本格小説選】)/河出書房新社

¥1,890
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ジョルジュ・シムノン『青の寝室』(河出書房新社)

シムノンは「メグレ警視」シリーズで有名な作家ですが、河出書房新社から「シムノン本格小説選」という純文学よりの選集が出ました。どこか暗い世界観が淡々とした筆致で描かれることに魅力のある収録作品は、どれもはずれなしの面白さですが、不倫とそれにまつわるある事件、尋問が描かれる『青の寝室』がとりわけ印象に残りました。

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