12月1日のミレーヌ・ドモンジョ没後2周年を記念して彼女の作品を紹介します。
(1935年9月29日 - 2022年12月1日、87歳)


ミレーヌ・ドモンジョは、フランス・ニースに生まれました。

生れつきの斜視を治療し、映画界にスカウトされ、17歳で映画デビューし、『サレムの魔女』(1956)で脚光を浴び、1958年には英国アカデミー賞の有望若手女優賞の候補となりました。
以来、フランス本国のみならず、日本でも大人気に。
1964年からは『ファントマ』シリーズに出演しました。
親日家であり、日本映画『ヨーロッパ特急』『東京タワー』にも出演しました。

 

『上と下』(1959)
監督 ラルフ・トーマス
共演 マイケル・クレイグ、クラウディア・カルディナーレ
撮影 アーネスト・スチュワード

【あらすじ】
新婚ホヤホヤの建築家リチャードと社長令嬢のケイト。
ケイトの父でリチャードの上司であるマンスフィールドは2人に会社のお得意様接待役を任すことになり、家政婦を雇うよう指示をする。
しかし、雇う家政婦はいずれも問題を起こしてばかり。ほとほと疲れ果てた二人のもとにスウェーデンから若くて魅力的な娘イングリッドが現れる…

 


この映画のミレーヌが最もキュートではないでしょうか。

プラチナブロンドに、白い肌、丸みのある顔が、生き生きとフィルムに収められています。

ミレーヌは、メイド役として、ロンドンのブルジョア夫婦の家に住み込むことになる、地方出身の娘として登場するのですが、その夫婦の厚意により、パーティに登場するのですが、そのときの美しいデコルテを持つ、ミレーヌの目をみはるばかりの晴れやかな感じはどうでしょう。

その、やや性的なアピールと、喜怒哀楽の自然な発露のもつ可愛らしさは、先行する、同じフランス女優のブリジット・バルドーを思い出さずにはいられません。
そして、その源流というべきマリリン・モンローをも思い出させます。

 




























1950年代とは、マリリン・モンロー(MM)やブリジット・バルドー(BB)の時代だったのです。

その環境で、ミレーヌ・ドモンジョもスターとして輝いたのです。



さかのぼると、第二次世界大戦の時代は、ピンナップの時代でありました。
そこで兵士たちに愛されたピンナップガールの代表は、戦前からの映画スターベティ・グレイブルです。

1950年代には、ピンナップガールのスターとしては、ベティ・グレイブルから、マリリンへの世代交代が起きたと考えられます。
(ベティは1916年生まれ、マリリンは1926年と、10歳も差があるのです)

1953年に、マリリンは『ナイアガラ』で一気にスターダムに上り詰め、世界的なブームを巻き起こします。
(奇しくも同い年の『百万長者と結婚する方法』では、マリリンとベティは共演しています)

アメリカでは、マリリンに続き、ジェーン・マンスフィールド(1933年生まれ)が登場します。
(『女はそれを我慢できない』1956)


ヨーロッパでは、何と言っても、ソフィア・ローレン(1934年生まれ)でしょう。
彼女は、1957年からはハリウッドでも活躍します。(『島の女』, 1957)

フランスでは、ちょっとタイプが違いますが、(マリリンたちのように、体型を必ずしも強調していたわけではないのですが)コケティッシュな魅力を売りにしていたのは、フランスではフランソワーズ・アルヌール(1931年生まれ)です。
(『禁断の木の実』1951、『フレンチカンカン』1954)

そのフランソワーズをしのぐ人気を一気に獲得したのが、ブリジット・バルドー(1934年生まれ)です。
(1952年映画デビュー、1956年『素直な悪女』が大ヒット)


このように、戦後から1950年代中葉にかけて、映画女優のタイプにおいて、大きな変化があったのです。

ハリウッドクラシックを支えてきた、成熟したレディとしての女優から、性的なアピールをもった、喜怒哀楽の自然な発露をもった、「素直な」瑞々しい女優へ。

1938年生まれのミレーヌ・ドモンジョは、そうした系譜に位置付けられます。
フランソワーズ・アルヌールから、BBを経て、ミレーヌ・ドモンジョへ。


この映画でのミレーヌ・ドモンジョは、そうした魅力にあふれています。
彼女のスター時代はそれほど長くはありませんが、中でも最もその魅力が堪能できる映画です。


余談となりますが、この映画の共演者に、デビューしたばかりのクラウディア・カルディナーレ(1938年生まれ)がいるのもなかなかに感慨深いものがあります。

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