アルツハイマー型認知症の治療 (鍼通電療法) | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “……この頃の康弘さんの症状は排便、排尿、食事の介助が必要となり、時々、家の中を時間に関係なく歩き廻っていました。そうかと思うと、逆に一日中、テレビの前に坐って只ボーッとしていました。すでに独立した子供達が訪ねてきても、あんまり表情は変えず、話しかけられるとただひとこと「ウン」と返事をする程度で、反応はますます鈍くなっていきました。

 

 治療室に入ると康弘さんは、不思議そうな顔をして、あちこちながめ、また不思議そうな顔で首をかしげて、私をじーっと見つめるのです。話しかけると「ウン」「ハイ」とだけ答えます。診察机テーブルの上に、「めがね、手帳、時計、はさみ、包帯」の五つを並べました。

 「さあ久保さん、この五つの品を声を出して言ってみて下さい」とすると、みんな正確に答えました。そしてしばらくの間に憶えてもらって机の中にしまったのです。そして、何と何が置いてあったか、たずねたところ、康弘さんは、ただにっこりと笑って見せて、うなづくばかりでした。何一つ思い出せないのです。そのほかの痴呆診断表によりテストしてみたのですが、十点以下の悪い結果でした。

 とにかく、このままで放置するとアルツハイマー病が進行し、死を迎える日も近かったのです。鍼灸治療で根気よく施術して、脳の萎縮を最小限度にくい止め、残った損傷していない脳に刺激を与え、脳神経細胞を活性させる事が急務であると、ご夫婦に一生懸命説得したところ、「毎日でも一生懸命通いますから、ぜひ治療をお願いします」と深々と頭を下げられたのでした。

 その日から私の鍼灸治療が始まったのです。治療の初日、診察ベッドから受付へ見送っていって、鍼灸の治療後の感想をたづねて見ました。

 「恐ろしい気持を持って緊張していましたが、だんだんと筋肉も、心もほぐれていきました……。また、以前雨の日に転倒した腰痛の部分が特別に気持がよかった」。と、とても喜んで帰られました。

 こうして一ヵ月間は毎日通院し、その後は二日に一回の通院治療をつづけて、治療開始三ヵ月で排便、排尿、食事が、自分一人でできるように回復しました。

 

 治療点

  頭: 百会、承雲、前頂、後頂

  足: 足三里、三陰交

  手: 手三里、合谷

  腹: 中極、石門、他

  0.2㎜ステンレス鍼、中極―石門、足三里―三陰交は0.7㎜Aで15分間通電

 

 そして半年が経過した頃から、少しづつ記憶力がもどりはじめて、正確に日時をいえるように回復していったのです。

 あと一息、さらに継続治療して、脳の悪化進行にまったをかけることで、患者と鍼灸師が互いに励まし合って努力を続けました。

 

 あれから一年、久保康弘さん(仮名)はまさに奇跡の生還を果たしたのです。絹恵さんの血のにじむような努力が大きな大きな実を結びました。今では全く病跡もなく、社会生活を常人と同じく支障なく送っていらっしゃいます。オメデトウ!

 

 考察

 痴呆を医学的にみると、脳梗塞や脳出血などで脳の中の血液の流れが悪くなって起こる「脳血管性痴呆」と、原因不明の「アルツハイマー型痴呆」との二種類に分類できます。特に後者は、原因、発病のメカニズムが未解明なため、治療と予防が難しい。しかし私は鍼灸治療が、アセチルコリンや、パーキンソン病と深い関係がある、ドーパミンなどの神経伝達物質を増加させることでアミロイド(異常なタンパク質)の蓄積を防ぐのではないかと考えるのです。

 鍼通電治療は、重要な神経成長因子を増設する事は間違いなく、通院患者で頭に鍼治療を受けた患者は、すべて一様に、もの忘れが無くなったと証言する他、明るくなった、笑いが増えた、積極的になった、など、同居する家族や友人からも、はっきりと証言されています。針治療は、アミロイド、タンパクが脳細胞から除去され易い環境をつくり、脳血管の拡張による脳血液循環の促進はもちろん、数多くの「神経成長因子」を多量に増加させるものと信じています。

 我が国におよそ100万人の痴呆性老人が居ると推定されている今日、鍼灸治療が神経伝達物質の生成に必要な酵素を増加させる作用があると、もしも科学的に証明された時、世界人類の福祉と平和に大きく貢献できると思います。一日も早くその日が来ることを夢見て、ひたすら、努力する毎日です。”

 

(「医道の日本」平成6年8月号(600号) 前田昌司 『老人性痴呆からの生還』より)

 

*現代医学では、いったん損傷した脳神経細胞は再生しないと考えられていますが、エドガー・ケイシーのリーディングには、条件次第で再生すると述べられており、そのために湿電池(ウェットセル)という器具を使った電気的な治療を行なうことが勧められています。もしかしたら、同じく電気的な治療である鍼通電治療でも、脳神経細胞を損傷から回復させることができるのかもしれません。ケイシーは、さらに金の波動を取り入れるために、湿電池内に塩化金の溶解液を入れるよう指示しておりますが、これは金製の鍼を使用することで代用できるかもしれません。なお、ケイシーは電気的治療を行なうにあたり、『アルコールを一滴も飲んではならない』『整骨療法を受けた日にはしてはならない』との注意を与えています。アルコールを飲んだ状態で体に電気を流すと、『組織が焼けてしまう』ということなのですが、これは鍼通電療法などすべての電気的治療に当てはまります。エドガー・ケイシーのリーディングに基づいた、認知症やテンカン、統合失調症、パニック障害、ALS、パーキンソン、筋ジストロフィーなどの治療法は、光田秀著「エドガー・ケイシー療法のすべて 4」(ヒカルランド)に詳しく紹介されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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