黄連解毒丸 (脳と血管のクスリ) | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “私が高齢者の今日元気でいられるのは、まさに漢方薬のお陰で、半世紀以上にわたって服用してきた薬は黄連解毒丸(以下「黄解丸」)である。

 若いときから酒が好きで晩酌は欠かさないできた。特にビールが好物で今日に及んでいることは前に述べたが、晩酌のほかに人と飲む機会も多く、現役の頃は接待で飲む機会も多かった。黄解丸を飲み始めたのは二日酔いの予防である。飲む前後に黄解丸を三十丸ほど飲んでおくと、その時の酒量も増えるし、翌朝の二日酔いもなく、多少あっても軽微で、翌日の仕事に差し支えるようなことはない。

 こんな具合で黄解丸を常用してきて五十有余年、八十歳を過ぎて気づいてみると、私の周囲の小学校の同級生で毎年正月にクラス会を連綿と続けていたのが、六十歳代に十五名は集まっていたのに今日になると残っている者はわずか四名、それも一名は脳梗塞の後遺症で苦しんでいる。私はますます黄解丸の卓効を信じるようになってしまった。

 そんな折に出会った本が二冊ある。一つは鳥居塚和生偏著『モノグラフ 生薬の薬効・薬理』と丁宗鐵・鳥居塚和生偏著『モノグラフ 漢方方剤の薬効・薬理』の二著で、出版社はいずれも医歯薬出版である。

 両者とも現代科学的立場から生薬と漢方方剤の薬効薬理について、各学術雑誌等に掲載された学術論文を発表者、発表誌名、発行年月を詳細に列記して、その多数な論文から薬効薬理を帰納的に導き出して記載している本で、今までの漢方的表現からはなれ、現代科学的表現で生薬・方剤の薬効薬理を教えてくれている。

 黄解丸の生薬は黄連、黄苓、黄柏、山梔子の四味であるが、この生薬の薬効薬理とその改善作用を抜き書きしてみると下記のようになる。

 

▲黄連――血圧降下作用、動脈硬化予防作用、抗炎症作用、坑痴呆作用、等

▲黄苓――胆汁分泌促進作用、抗炎症作用、粥状動脈硬化予防作用、等

▲黄柏――利胆作用、肝障害改善作用、血圧降下作用、抗菌止瀉作用、等

▲山梔子――血圧降下作用、血液凝固線溶系に対する作用、坑腫瘍作用、等

 

 次に黄連解毒湯の方剤としての改善作用を見てみると、①脳血管障害、脳梗塞後遺症、②認知障害、③血圧、④川崎病、⑤出血傾向、血友病、⑥皮膚粘膜、老人性皮膚掻痒症、⑦精神神経症状。黄連解毒湯に関する発表論文の数は八十七の多数に及んでいる。

 以上、黄解丸の四味の生薬と方剤の改善作用を見てみると、いずれも血管の病気から来るものばかりで、黄解丸は血管の老化-動脈硬化予防-老化防止-高齢者の健康保持-若返り-長寿、と表現は変わっても、黄解丸、黄連解毒湯は現代の不老長寿薬ではないかと私の考えは固まってしまったのである。

 病院へ行ってみると、日本はまさに高齢化社会の真っただ中にいることがよくわかる。黄連解毒湯や黄解丸は三十代、四十代の若いうちから高齢化に備えてもっと多用されてよいのではあるまいか。加齢と健康維持、現代の不老長寿薬黄連解毒丸に、もっと識者の認識を深めていただければ有難い次第である。未病を治する黄連解毒丸に感謝。(平成24年1月30日)”

 

(伊藤敏雄「生薬春秋」(東洋医学舎)より)

 

*伊藤敏雄氏は、昭和25年に和漢薬種問屋内田商店(現(株)ウチダ和漢薬)に入社され、その後社長、そして会長に就任された方で、五十年以上の長きにわたり和漢薬の業界に身を置かれた『生き字引』のような方です。この本「生薬春秋」には、日本の和漢薬業界の事情や各種薬剤についてのお話など、数々の貴重な話が載っています。とても勉強になる本です。

 

*黄連解毒丸には丸薬だけでなくエキス剤・煎じ薬(黄連解毒湯)もあります。脳梗塞、動脈硬化予防、痴呆防止などに効果があるだけでなく、伊藤氏によると『酒を飲む前後に黄解丸を飲んでおく酒量も増え、二日酔いしない』ということですので、即効性も期待できそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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