春と秋の霊祭(お彼岸) 〔国安仙人〕 | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・国安普明仙人

 

 “仙人が浄嶽の行会に出席した時、少しの閑があったので野原を散歩していると、半身の人間で半身以下は獣のような者にばったり出会った。そして、その者は仙人に向かって哀願して曰うには、

 「自分は人間であるが、妻子縁者共に弔するものがありません。聞くところによると人間の中で志のある者は、あるいは再び人間界に生まれ、あるいは神界に生ずると曰われます。私は生前志がなかったため、幾年も独界にあって、他の界に転じません」

と言うので、仙人は不憫に思いながら、

 「人間に生まれても世の中には人情の無い者があり、多弁のものは口下手な者を欺き、智のあるものは愚昧の者を欺き、富める者は他を倒し、財をかすめて、甚だよろしくなく、また浮沈があって悩みも多いものである。お前は人間に再生するような心を捨て、そんしよう(神様)に願って来世はこの穢土から浄生しなさい」

と懇々として教えていると、何時の間にか四方の草樹や石類は自然と揺るぎ、鳥獣や、虫に至るまで集って聞くのであった。

 そこでまた、再び仙人の行場に帰って、互いに協同して二十二日間一心に勤行した。それが終って、そんしよう(神様)が来られて仙人に向かって曰うには、

 「人々は春秋二季に帰幽したもののお祭りをなす時は、その功徳高大無辺で自分の霊も登るものである」

と教えられたものであった。”

 

(松井桂陰編著「神の実在と仙人の神秘」(普明神社東京連絡所)より)

 

*国安普明仙人(1860~1912)は、少年時代から神仙の導きを受けて修行に励まれ、会得した神通力によって多くの人々を救われた方です。近年のスピリチュアルブームで岡山や大阪のサムハラ神社が話題になっているようですが、国安仙人が人々に授けられた神仙界の護符のひとつにも「サムハラ」があります。

(不二龍彦著「日本神人伝」(学研)より)

 

*国安仙人はご昇天になられてから東京都芝の東禅寺に葬られましたが、埋葬前に棺を確認すると遺体が消えていたことが当時の方々によって証言されています。なお戦後しばらくも、お弟子さんであった方が墓の守をしておられたという記事を、昔の「心霊研究」誌で読んだことがあります。

 

*松井桂陰先生は、国安普明仙人の教えを人々に布教することを目的として東京都内に苗場明道会(昭和27年7月に東京都により認可)を、そして新潟県南魚沼市に、宗教法人普明神社を創設され、初代宮司として奉仕されました。普明神社は毎月18日が月次祭(午前10時から1時間くらい)で、それ以外お祭りがないときは無人ですが、神仙道を志す方々が参拝に行かれているようです。

 

*普明神社のHP

 

*明日は彼岸の入りですが、春と秋のこの時期に霊祭、先祖の供養をすることは、亡くなられた方々の霊魂にとってだけでなく、自分自身の霊格をも高めることにもなるということですので、皆さまにはぜひ墓参りに行かれることをお勧めします。

 

 

・江戸時代の霊界通信「幽顕問答」より 

 

 “吉富氏 「彼岸盆会には世俗みな霊を祀る慣習なるが、かかる折には霊魂は実際に来臨するものか。」

霊 「彼岸盆会は世俗おしなべて霊を祭る時と定めてあれば、霊界にても祀りを受くべき時と直感し、また死せる人も盆会には必ず来るものと思い込みて死せるが故に、必ず現れ来たるなり。……

霊 「地上にて幾百年も引き続きて行い来たれる祭り事は幽界にてもだいたいそのごとく定まれるものなり。されば勝手に月日を改め、そのことを霊魂に告げずして執行すれば、それがために却って凶事を招くこともあり。
 なぜというに、霊がいつもの期日を思い出し祭りを受けに来るに、すでに済みたるを知り不快に思うが故なり。
 地上にて同時に数カ所にて祭祀を行う時には、霊は数個に分かれてそれぞれの祭場に到り、祭りを受くるものなり。たとえ百カ所にて祭るとも、霊は百個に分かれて百カ所に到るべし。もっとも余のごとき者の霊は一つに凝り固まりて、その自由は得がたし。」

宮崎氏 「年号月日はいかにして霊界に知れるぞ」

霊 「先に述べたるごとく人間界のことは人の耳目を借らざれば正確には知り難し。われ先月より市次郎の耳目を借りて見るに、あの通り帳面三つ掛けありて、ともに天保十年正月と記せるを見れば、いずれも同時に調整され、今年が天保十年になること明らかなり。また月日を知るは、七月四日が余の忌日(命日)にて、その日は霊界にありてもよく知らるるなり。これはひとり余にかぎらず、他の霊魂もみなその忌日は知りおるものぞ

         (近藤千雄編「古武士霊は語る 実録 幽顕問答」潮文社より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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