死者のための祈り  | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・死者のための祈り  〔エドガー・ケイシー・リーディング〕

 “世を去った人々のためによく祈りなさい。神は生きている者の神です。神のもう一つの戸口をくぐった人々は、地上で愛した人の声を聴いています。それは、地上意識の中で感じた、最も親しみを覚えるものなのです。(3954-1)”

 “共に祈ることを忘れないように。引き止めるためではなく、彼もその経験の中で光への道を歩めるようにと祈りなさい。これはよいことです。他界した人は義人の祈りを必要としています。義人の祈りは多くの罪人を救えるのです。(3416-2)”

      (林陽編訳「エドガー・ケイシー名言集 知恵の宝庫」中央アート出版社より)

 

・死者への祈り  〔ルドルフ・シュタイナー〕

 ……個的に死者との交流をはかることは、地上に生きるキリスト者として大切なことです。その為にルドルフ・シュタイナーは数多くの架け橋となるべき「コトバ」を残してくれました。
 これらの「コトバ」を特定の死者を思いながら内的に、心の中で響かせることによって、生者は死者に助力を与えることが可能となるのです。
 そしてそこに死者と生者との共同体が生じ、まさに生と死を超越した「人間の共同体」が成立することになるのです。

 人は死後、地上で生きた年数の約三分の一に相当する期間をカーマ・ロカ(サンスクリット語で「欲望の場所」という意味)で過ごすのですが(たとえば七十五歳で他界すれば約二十五年間)、そこで死者は寒さや炎暑を魂的に体験します。
 私たち生者は、この「コトバ」によってその死者に大きな助力を差しのべることができるのです。それは、地上界に愛情を持って、ポジティブにかかわろうとする死者の意志を有効にすることでもあります。

    私の心のあたたかな命が

    あなたの魂のもとへと流れます

    霊なる世界の中で

    あなたの寒さをあたためる為に

    あなたの暑さをやわらげる為に

    私の想いがあなたの想いの中に

    そしてあなたの想いが

    私の想いの中に生きますように

        (ルドルフ・シュタイナー)

          (小林直生「死ぬことと生きること」涼風書林より)

*この本の出版社、涼風書林の「涼風」とは、「聖霊」のことです。7世紀に中国に伝えられたネストリウス派キリスト教の教会では「聖霊」は「涼風」と訳され、それが社名の由来だそうですが、「涼風」とはまさに「神の息(プシュケー)を思わせ、素晴らしい訳だと思います。人智学に基づく(といっても定まった教義や戒律はない)キリスト教会、「キリスト者共同体」は日本には2000年に創設されました。小林師のような日本人の司祭もおられ、「未来の教会」とはどうあるべきかなど、多くのことが学べそうで注目しております。

 

 

・小説「カラマーゾフの兄弟」から 〔ロシア正教、ゾシマ長老の説教〕

 “青年よ、祈りを忘れてはいけない。祈りをあげるたびに、それが誠実なものでさえあれば、新しい感情がひらめき、その感情にはこれまで知らなかった新しい思想が含まれていて、それが新たにまた激励してくれるだろう。そして、祈りが教育にほかならぬことを理解できるのだ。また、このこともおぼえておくがよい。毎日、できるときでよいから、『主よ、今日御前(みまえ)に召されたすべての人を憐れみたまえ』と、たえず心の中で繰り返すのだ。それというのも、毎時毎分、何千という人がこの地上の生を棄て、その魂が主の御前に召されていくのだが、そのうちのきわめて多くの人が、だれにも知られず、悲しみと愁いのうちに一人淋しくこの世に別れてゆくのであり、だれも彼らを憐れむ者はなく、そんな人たちがこの世に生きていたかどうか、それさえまったく知らないからだ。と、そのときおそらく、地球の反対の端からお前の祈りが、たとえお前がその人をまったく知らず、先方もお前を知らぬにしても、その人の安らぎをねがって主の御許にのぼってゆくにちがいない。恐れおののきながら主の前に立ったその人の魂にとって、その瞬間、自分のためにも祈ってくれる人がいる、地上にまだ自分を愛してくれる人間が残されていると感ずることが、どんなに感動的であろうか。そして神もまたお前たち二人を、いっそう慈悲深く眺められることだろう。なぜなら、お前でさえそんなに彼を憐れんでやった以上、お前より限りなく慈悲深く愛情豊かな神は、なおさらのことだからだ。そしてお前に免じてその者を赦してくださるにちがいない。”

       (ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」新潮文庫より)

 

*リブログ先で、霊的読書について紹介させていただいておりますが、「霊界物語」の拝読、特に霊国・天国篇である47巻と48巻の拝読は、亡くなられた方々の霊魂の向上に、特に効果があると言われています。