東京日本橋から東海道53次を徒歩で巡り、一度も帰宅せずに京都を目指す無謀旅
(6日目 島田ー掛川編)
前書き
- このブログは、私が一人旅にて行った東海道五十三次を徒歩で巡る旅の記録。
一番の目的は後で見返す自己満足用だが、偶然見つけた人にも読めるように、自分目線だけでなく書こうと思う。
- 今回の経路全体は、赤矢印部分。
ガイド上は156km。
でも、実際には既に昨日までだけで無駄に170km以上歩いてる。
「一気に京都まで」は、できなかったが結果には大満足。
さて、どうする?
- とうとう6日目の朝。
連続6日か、すごいな。
こんな連続の旅なんて、したことあったか?
- 昨日の夜に「もう足が限界。帰るかも」とLineで家に伝えている。
いつもは朝のうちは調子が良かったが、今の足は朝でも痛い。
もう休めば回復するとかいう状態じゃない。
もはや怪我だ。
- Youtubeやブログで、同じく東海道を歩く人をいくつも見たが、
皆さん、そこそこ元気に歩いているみたい。
こんなに「マメが酷くて歩けない」と言ってるのを見たことない。
俺の歩きは、何が悪いんだろう?
・・・と、今ここでそれを言っても始まらない。
さあ、どうしよう。
- ここで止めても、またいつか続きをすればいい。
- でも中途半端だよなぁ。
一度止めたら、続きなんてやる気になるかな?
- 念のため、新幹線も調べてみる。
まあ、今はホント便利なもので、いくらでもあるな。
夜だって帰れそう。大丈夫。
- なので、よし! 行こう!
どうしてもダメなら、今日のうちに新幹線に乗ればいい。
なので、ホテル予約無しで出発だ。
大井川はでかい
- もう途中で止めても良いと割り切ると、最後の日かもしれないから、見るものは見ていこうという気になる。
東海道53次ルート上から少し逸れるけど、ホテルのカウンターで見た蓬莱橋ってのは良さそうだ。
まずそこを見よう。
- 世界最長の木製橋ってだけあって、長い、長い。
反対側に渡っても、戻らなきゃいけないんで、半分で引き返す。
- 島田に戻ってきたけど、何だか思ったより歩けてるぞ。
これじゃ、このまま新幹線で帰るのはもったいないな。
- 次の掛川まで行けるか?
そこで新幹線か泊まるか、決めればいいじゃないか。
よし、決定!
掛川宿まで続行
- そうなると、まず地図確認だ。
なるほど。
大井川を越えて、宿場を3つ、進むのか。
- なんだ? 平地じゃなくて山を通るぞ。
大丈夫か?
小夜の中山って、どんな感じだっけ?
この辺は、実はガイドブックもあまりじっくり読み込んでない。
- なんとなく、峠って感じでも無さそうだし、行けるんじゃね?
そんな感じで、計画続行してしまった。
(実は3大難所のひとつだったらしい)
大井川はでかい2
- これから、越すに越されぬ大井川を越えるんだな?
この絵は大名行列の川越らしいが、昔、何かで見たネズミの自〇行動みたいだな。
- 今日の大井川は割と増水してる。
なので、昔だったら引くまで待つことになったんだろうな。
- こんなして渡ってたんだ。
着物も濡れるだろうに。
でも今は立派な橋がある。
- 渡り始めて、時間を計ってみた。
- 長い、長い。。。。
どこまで行っても終わらない。
- 何と、フルに10分も掛かってしまった。
高所恐怖症なのもあって、結構、早歩きしたのに。
「越すに越されぬ」の意味を実感。
- 川を越えると金谷宿。
東海道の全体の中の位置を見ると、こんな感じ。
だいたい中間に近い。
- 昔は、随分にぎわっていたみたい。
- 今の金谷宿の川には、きれいな鯉のぼりが無数に。。。
へぇー、すごっ。
- 所謂、映えスポットなのに、観光客などいない。
もったいないなぁ。
- 昨晩から朝は、あれほど痛かった足も、今のところ大人しくしてくれてる。
これなら掛川には行けそうだ。
- 少し登りになった道の横の石垣には、住人が作ったものであろう飾りが。
へぇー、クリエイティブって感じ。
またまた、石畳
- 大分、気分よくなっていると、例の「足の敵」が登場。
- おっと、ここも石畳だっけ。
いやな予感しかしない。
- 本格的に登りになりそうな手前に、ひと息休めそうなカフェ。
でも、やってない。
この旅の定番パターンだけど、何でだ?
- わざわざ石畳を復元したのか。
元のままでいいのに。
仕方ない、行こう。
- やっぱ、ここもxxx坂。
この1週間で数えきれない程、xxx坂を歩いた。
一番筋肉にきた、小夜の中山
- もうしょうがない。
結構、斜度があるが進もう。
- 地味にキツイ。
どこまで登るんだ?
- ダラダラとどこまでも続くいやらしさで言ったら、箱根峠やさった峠以上。
ここは足のマメというより、筋肉にキツイ。
- 周りが、広大な茶畑になってきた中、道は延々と続く。
- 毎日、足が痛いって言いながら、結局、続けてるんだな。俺。
- 芭蕉の句の石碑がやたらとある。
でも読む余裕はない。
- すげー、広大な台地って感じだ。
大昔、地理で習った気がする台地が、どこまでも永遠に続く。
- と思ってたら、急激な下り。
これまたキツイ。
黒くなって死にかかってる足の爪に響く。
・・・結局、かなり厳しい峠だった。
疲れた・・・
- 急な坂をいくつか降りた先は、日坂宿。
ここでも、古い町並みが整備されてる。
- そろそろ昼なんで、さっきから食堂でもカフェでも何でもいいからと探してるが、
一面の茶畑でどこにも無かった。
と、日坂宿の古い街を歩いていると、パン屋を発見。
- しかも、店は開いてる。
(行く先々が閉まってた、この旅では珍しく)
これは行くしかない。うまそうだ。
- 「店先のベンチか、すぐ近くの八幡様のベンチで食べたらいかが?」と勧められ、
パンと日坂茶を購入。
美味しかった。。
開き直り
- さて、気付いてみると、もう日本橋からは223km。
- 一里塚も、いくつ越えたか分からない。
でも、掛川には到着できそうな気がしてきた。
一里塚近くの灯篭の石に腰かけてペットボトルの水を飲んで休んでいると
自分が江戸時代の旅人になった気がしてくる。
きっと、大昔の何人かも、ここに腰かけて休んだのだろう。
- 例により、既に足のマメが悲鳴を上げてる。
だが、もう「何時ギブアップして帰っても良し」と自分で決めたためか、それ程、悲壮感も無い。
- よし。
掛川で帰るのでなく、今日は泊まろう。
明日、帰ればいい。
- そう割り切って、直ぐにスマホでホテルを確保し、掛川に向かって歩き続けた。
なんか、開き直り、というか、腹をくくるのって大事だ。
旅の裏テーマ
- そして掛川に着くと、他の宿場町がそうだったように、掛川の街も何か華やかさが無い。
ここもまた同じか・・・・
今回の旅で、繰り返し見てきた街の姿。
東京に住んでいるとわからない実態。
旅を始めるまでは思いもしなかったが、ここまで繰り返し見てくると立派な裏テーマだ。
- ただ、掛川にはお城がある。
- 復元したお城だそうだが、立派で、付近は昔の街らしい趣がある。
やっぱり街にはシンボルが必要なのか?
最終日にならなかった夜
- 汗だくで何とかホテルに着いて、早速シャワーを浴びる。
しばし休憩。
- 暗くなるまで休んだ後、夜の掛川に繰り出した。
- 駅を通ると、今日歩いた小夜の中山の句が。
- 江戸時代なら、私だってもう死んでいても不思議でないくらいの年齢だ。
実際に今日、自分の足で歩いてみて、これを詠んだ西行法師の気持ちもほんの少しはわかる気がする。
- 現代は便利で、こんな峠など、新幹線でも車でも簡単に超えてしまう。
苦労もしないし、難所でも何でもない。
でも、そうしていたら、この西行法師のような詠嘆も感じることなど無い。
我々、現代人には、便利になって、失っているものもあるということだ。
6日目の終わり
- 今日は、駅近くで、これぞ居酒屋って感じの居酒屋。
ママさんが1人でやってる様子。
気取らず飲み食いできる、こういうのがいい。
すっかり落ち着いてしまった。
- これで6日目も終わった。
足の痛みはもう一向に直らないが、
いつ止めても良いという開き直りが功を奏して、迷いも無くなった。
その場、その瞬間を楽しめればいい。
- それに、何より、、、
少なくとも、掛川までは来た。
還暦越えオジサンとしては既に大成功、大大満足だ。
明日、どうするかは明日の朝、決めよう。
5/20 AppleWatchとiPhoneのヘルスケアアプリより:
1.ワークアウト時間:5時間33分
2.歩数 :38,770歩
3.ウォーキング距離:28.3km
累積距離 :197.9km
6.東京から京都を目指して、東海道53次をオッサンが一気に歩く無謀旅
(6日目 島田ー掛川)