東京日本橋から東海道53次を徒歩で巡り、一度も帰宅せずに京都を目指す無謀旅

(1日目 小田原ー箱根編)

前書き

  • このブログは、私が一人旅にて行った東海道五十三次を徒歩で巡る旅の記録。
    一番の目的は後で見返す自己満足用だが、たまたま見つけた人にも読めるように、できるだけ自分目線だけでなく書こうと思う。

     
  • 先に結論を書くと、今回は自分としては大成功! 
    何となく予感してた通り、やはり京都まで一気とはいかなかった。
    でも、ちょうど真ん中の袋井宿を一つ越えて磐田宿まで行けたことは大満足。

    日頃は、たまに通りかかったチョコザップに10分くらい寄る以外に大した運動もしてない普通の中年オジサンの無謀なチャレンジとしては、京都までいけなくても達成感十分。
  • 五十三次は、江戸日本橋から京都三条大橋まで。
    私は、日本橋ー小田原は別タイミングで実施済み。
    (徒歩旅行などという大胆な事ができそうか、様子見をした)

    よって、今回は小田原から連泊して、(無謀にも)途中帰宅せずに一回で京都の三条大橋を目指そうとし、
    結果的には途中の見附宿=静岡県磐田市までを6泊7日で歩いた部分だ。

     
今回の経路全体は、赤矢印部分。
ガイド上は156km。

  • また、箱根から先に歩いていくうちに、とても驚いたことがあり、それは
    「インバウンド観光で外国人が一杯。高価格化している箱根」
       と、
    「箱根と同じ賑やかな元宿場のはずで、富士山など素晴らしい観光資源に恵まれる箱根以外の宿場町が、寂れて活気が無いように見えた」
    という大きなギャップ。

    個人的にはかつては繁華街だった街の衰退を、あらためて自分の目で見た様で悲しくもあり、出発までは思いもしなかったこの点も、感じたことを書いていく。

    (歩いている最中は、この旅のブログを英語で載せたら、もしかしたら少しは観光客が箱根から先の町にも訪れるのではないか? とさえ真剣に考えたくらい、余りのギャップにショックと疑問を感じた)

小田原からのスタート

  • まずは小田原駅から西に国道1号を進む。

 

  • さすが有名な旧街道。
  • 周りには土産物屋や古そうな薬屋、酒屋などが並ぶが、すぐに郊外に出て自然豊かな国道を進む。

  • 箱根湯本に近づくと徐々に登り。
    時には箱根登山鉄道と交差し、いずれは川と並行する形で進む。

  • 湯本の中では多くの温泉旅館の他に、苔むした小田原城主・北条氏の菩提寺、早雲寺や、各種の石碑と一里塚。

    この一里塚には、「江戸より二十二里」と書かれているので、ここで東京日本橋からだいたい88km。
  • 一里塚付近を過ぎれば、いよいよ山道。有名な石畳が表れる。
  • ここからは石畳、アスファルトの国道、時にはキツイ登りの階段、森林中の道などを行ったり来たりで進む。

    前日は箱根で久々の大雨が降ったと聞いて心配したが、時々水が流れていたものの何とか進める程度で済んだ。

     
  • 最近、熊の被害のニュースが多い。
    箱根に熊が出たとは聞かないが、私は気休めのためモンベルで買った熊よけ鈴を持って行った。
    チリーン、チリーンと涼しげないい音だ。

 

山の旧道は無慈悲に真っすぐ登る

  • いつもなら、箱根は車で日帰りで来られる場所だが、歩きは全く違う。

    平地では、現代の道路が一直線に進むのに対して旧道は微妙な地形変化に合わせて曲がりくねって進むことが多いが、山道では全く逆。

  • 現代の道は大きく蛇行してバスでも登れる緩い斜度に作られてるのに対し、旧道はそこを強引に縦に突っ切って登るので傾斜が半端ない。 

    登りやすさなど考えてない、滅茶苦茶だ。

  • 余りに急な部分は現在は階段が作られているが、その階段ですらきつい。

    体がなまっている中年にとっては、まさに拷問。

    箱根八里は馬でも越すと言うが、現代だったら動物虐待になるだろう。
 

石畳は情緒はあるが歩きにくい

  • なお、石畳は江戸時代から残っているのは一部だけで、後から整備されたものの方が多そうだ。

    そういう整備されたところの石はいかにも川に転がっていそうな丸石や、平たい石でも表面がツルツルだったり。
    はっきり言って歩きにくい。

  • この後、三島側でも続く石畳では、私はあえて石畳の横の草むらや水を流すための平らな部分を歩いた。

    (後日、私が今回の旅を途中で断念するのも、石畳歩きが一番の原因と思っている。
    情緒があるのは認めるが、石畳への印象は非常に悪い)

 

  • それでも何とか登り続けると、ようやく斜度が緩やかな森の道に。

    しばらく進むと、茅葺屋根がりっぱな甘酒茶屋。

    ここまでくると芦ノ湖側からも遠くないので、来ている外国人観光客が目立つ。

  • 最近は日本食人気で、海外でも至る所で食べられると聞くが、ここまで古風な和風レストランは流石にないだろう。

  • この日は暑かったので、私は甘酒ではなく冷えた抹茶と磯辺餅。

    湯本のコンビニで買ったおにぎりしか食べてなかったので、とても美味しかった。

 

  • なお、茶屋のすぐ裏の山道にはイノシシに注意の看板が。。。
    まじで出るのか?  注意と言われても。。。

 

  • 甘酒茶屋を出るとまた石畳。

    ただ、もう大した坂は無く、少し下りながら30分も歩けば芦ノ湖湖畔に着く。

  • この日も湖畔側からとみられる小学生高学年くらいの団体が遠足か、わらじ履きで来ていた。

    引率の先生がチョンマゲをした弥次さん喜多さんファッションだったので、記念に一緒に写真をとお願いしたが、「私はただの教師ですから」と丁重に断られた。
    (そりゃそうか。先生も大変だ)

  • 湖畔には見所がいくつもあるが、私は数か月前にも関所や箱根神社に車で来ているため、今回はどこにも入らない。

    ただ、時間があったので関所方面にも行ってみた。
    杉並木が綺麗に整備されている。

  • 観光客層が変わった?

  • 更にチェックインまで時間があったので遊覧船乗り場近くで座って、ペットボトルの水を飲み、ゆっくり休んだが、
    ここに来ている大勢の観光客はほとんどが外国からのように見えた

    一番多そうな欧米系、そしてアジア系。
    その他、私には区別がつかない方々で様々。

  • いずれにしてもすれ違う時に日本語を聞くことがあまり無いのにびっくり。

    この前、箱根神社に来たときはここまで感じなかったが・・・ 
    ここはどこなんだ???

 

箱根のホテルは高い!

  • 私の今回の計画は、一度も帰宅せず小田原から京都まで歩くという無謀なもの。
    不安要素のひとつが、人気観光地である箱根と京都あたりの宿泊。
  • 京都、箱根以外は、最悪金額次第で何とかなるだろうと思ったが、箱根はそうはいかないと、少し前に予約をした。
    (京都は、そもそも行ける確信が無い上、行けてもいつになるのか読めないので予約はしてない) 

    その際、最初にGoogle Mapでホテルを見たのだが、ぱっと見で安めで3万円。
    中には6万、8万、10万以上なんてのも多数見える。
     
  • 今回は、京都まで最低でも2週間以上。もしかすると3週間も宿泊。(この辺、体力次第)
    となると、一泊6万などもっての外。

    できる限り安く、飲み代を含めて1万円が理想だ。

  • そこで箱根の宿について隈なく予約サイトで探したところ、何とこの箱根で5,000円台のところがあり予約できた。

    異常な安さが気になったが、実はカプセルホテル。
    箱根でカプセルホテル?と思ったが、温泉宿でのんびりという主旨でも、箱根が主目的の旅でもないので良しとした。
     
  • そのカプセルホテルだが、行ってみるとリノベーションした木造で、中はオシャレ。
    インテリアのデザインに拘っているのが分かる。

    ロビーの暖炉では夜は薪が燃えていて、周りはくつろぎのスペース。
     
  • ただ、当たり前だが宿泊スペースは狭く、完全に”鍵付きの押し入れ”で寝る状態。

    たまたまチェックインが同じタイミングだった、私の”押し入れ”の周りは全員外人さんだったが、鍵を開けて中を覗いて、最高!とキャーキャー喜んでいた。
    この辺は、気持ちが分かる気がする。
    (子供の頃の理想の秘密基地だ)

  • 箱根での一人呑みと、インバウンド プライスの実感

  • 私の今回の旅の楽しみの一つは、泊まる各地での居酒屋や町中華巡り。
    しかもそれを毎日できるのだから、私にとっては天国だ。

    ということで、箱根でもGoogleくんで探して、店に入った。


 

  • 入った店の外観やメニューも写真を撮ったが、それをここに載せるともろバレするので載せない。

    値段を一目見た瞬間、インバウンド価格なのだと理解した。
    定食系は最低1600円、高いのは4500円。
    つまみも、最低が枝豆800円といった感じ。
    居酒屋でこの値段かぁ。

    私は串揚げ盛り合わせと梅きゅう、それに瓶ビールをまず頼んだが、料理自体は美味しく、満足した。


 

  • 驚いたのが、その店に5分おきくらいで引っ切り無しに来る客が100%外国人だったこと。

    私は1時間強くらい入口近くのカウンターで何本か酒をお代わりしたが、その間、結局、最初から最後までずっと満席の店に入った日本人客は明らかに私一人だった。
     
  • 店主夫婦は片言英語でお客とやり取りし、現地の交通事情が理解を知らない外国人客に対して、ホテル泊りなのか、この後バスで帰るのか? 何時のバスか?などをいちいち苦労して聞き出して、時間的に無理な人にはその旨を何とか理解させて苦労して対応しており、誠意が伝わる。

    少し手が空いた様子の時に大将と会話したところ、
    日本人客は1%くらいですかね。これがここの日常なんですよ。コロナの時は酷かったですから、ありがたいです。」
    と笑っていた。
  • 北海道のニセコや長野県の白馬がほとんど外国のようになっているという話は聞いていたが、いつの間にか箱根もか?

    この状態を考えれば、店の値段が外国人基準になるのも当然。
    普通に考えて、1%の客層は意識はしないだろう。
     
  • ただ、夜の箱根に日本人がいないのは何故なのか? 
    日本人の一人として非常に気になった。

    全員が日帰りで、晩飯食わずに帰るのか? 
    この店だけ外国人が多いのか? 
    どう見てもごく普通の和食系なので、日本人だけ入らないのはあり得ないが。

    (実は、翌日以降、静岡方面の東海道の宿場町をいろいろ周り、このインバウンドで栄える箱根との余りのギャップにいろいろ考えさせられてしまった。
    当然結論は無いが、その辺は後述)
  • 結構な飲んべえの私は、店を出てからもローソンに立ち寄ってしまい、寝場所が押し入れみたいなのに、寝る前の最後の一杯を買ってから、小雨が降りだす中をホテルに向かう。

    その際、ローソンには7,8人くらいの客がいたが、そこも見る限り日本人は私とレジの店員、あと歩行補助の手押し車を押してるおばあさんが、多分、地元の日本人の方っぽい。

    会計の間に、
    「外人さんが多いんですね?」
    ってレジの人と雑談したら、
    「そうなんですよ、日本人1割くらいですかね。
    でもレジだと、余り会話しなくて済むので助かってます」
    だそう。

  • ホテルに入ると、おしゃれなロビーの暖炉周りのソファーやスペースには、カップルや家族で寛ぐ人達で一杯。

    ここまでの流れで想像つく通り、そこにいた人達で日本人っぽいのは、見る限り私ひとり。

    ちょっと良い雰囲気なので写真を1枚撮ろうと思ったが撮れなかったし、外国人と話すのにそれ程抵抗感が無い私でも、一人客が私だけであとは家族かカップルなので、その輪にあえて入ろうとは思わなかった。
    (多分、フロントも夜は外国の方?)
     
  • ということで、チャレンジ旅行の1日目はここで終り。
     
  • 初日は、旅行の元々の意図と全然別の点が気になるばかりだったが、私はナショナリストでも差別主義者でもなく、外国人観光客への批判のような意図など全く無いので念のため。
     
  • むしろ、たまには外国人の旅行者と話でもしてみようかと思っていたくらいだったが、
    実は
    箱根では少数派は完璧に私の方
    だった
    わけだ。

  • 最近は、浅草や渋谷も外国人観光客で一杯だが、ここまで外国人だらけで日本人が少ないのを見たのは記憶にない。

    一体何が起きているのか???
    と予想もしなかったことで驚くばかりの一日。
     
  • というわけで軸がすっかりブレたけど、本来の箱根の山登りですっかり疲れていたので、この日は”押し入れ”でぐっすり寝られた。
    明日は沼津を目指すぞ。

     

5/15 Apple watchとiPhoneのヘルスケアアプリより

                                 この日                          累積距離

1.ワークアウト時間:6時間10分

2.歩数      :35,144歩

3.ウォーキング距離:25.9km           25.9km

(ガイドの距離より約5割も多く歩いてた!これは何?)

 

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