「紅葉添秋色」

過ぎた日をなぞるように
陽が翳りをつくり
開炉の時期となりました。




令和4年11月19日
皇室ゆかりの 重要文化財 茶室「光華」
東京都庭園美術館 にて
第七回「重文わかる茶会」を開催しました。

茶会の仕組みやマナー、楽しみ方を学ぶ
日本初の「茶会を知るための茶会」です。


はじめに「茶会」とは何か?
茶会のマナーやエチケット
趣向を楽しむ方法をご説明致しました。

◼待合/広間
待合とは、茶会の趣向を暗示する
大切な場所である事等をご説明しました。



床は裏千家十四代御家元
淡々斎宗匠のご染筆 瓢箪の画賛
香合は美濃焼・織部の「はじき」。
 
霜月11月は茶人の正月とも云われる

現在でも裏千家では紐の結びや
壺の扱いの稽古がされています。

室町~桃山時代に国外から伝わる
江戸時代には和物茶壺に移り変わり、
美濃 ・備前・信楽などの
茶壺が主流となっていきました。


書院には農具の、箕/みのに
秋の味覚を吹き寄せに飾り
お客様に風情を感じていただきました。

このように茶道は点前ばかりでなく
密接に関わっている事を皆さんに
理解していただく事ができました。



市ヶ谷教室の嶋野さんは
茶道未経験から、克己心に満ちた稽古を積み重ね
着物を着こなし、お手伝いまでできるように
成長されました。2023年が楽しみです。


以前、重文わかる茶会に参加されたお客様が
この度、めでたく御結婚。
茶室は拍手喝采となりました。
本当におめでとうございます!
茶室「光華」 にはそんなご利益があるのかも


そんな朗報を聴きながら、皆さんと一緒に
菓子の頂き方を学びました。

本日の菓子 銘は「小倉山」
神楽坂 梅花亭 さんに特注しました。

小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ




露地から躙口へ

「露地はただ浮世の外の道なるに
   心の塵をなどちらすらむ」

利休居士の露地の心得を解説し、
蹲踞柄杓の扱いを学びます。



躙口の意味や、くぐり方を学びいよいよ本席へ




 ◼本席/小間



主茶碗は、辻清明さんの井戸です。
辻さんは、多摩市に窯、茶室を築き
陶芸家そして数奇者として
山口諭助の著書『美の日本的完成』と出合い,
信楽特有の美=明る寂び 」を求道された事で
知られています。



渡航制限が緩やかになり、
今回はNew York からもお客様がお越しになり、
茶道を味わっていただく事ができました。



私達はこれからも
伝えていきたいと思います。


最後に学芸員の板谷さんからは
朝香の宮殿下が作られた
重要文化財 茶室「光華」が移築物ではなく
茶室、露地ともに当時のまま保存され
今もこうして活用されている事の素晴らしさや、
小間や広間の茶室建築の見所を解説
いただきました。