【炉開き】の時期になると


【口切の茶事】という話を聞きますね。


それは、それは大変にありがたい

一大事です。




口切」ですが


茶摘が5月初旬として、抹茶の製造過程だと


蒸して、乾かして、荒茶となり、


茎や不要な部分を取り除いて、
石臼で挽く段階まで来た


碾茶/てんちゃ となり、


この碾茶の状態で、


茶壷などに入れられ半年間


冷暗所に寝かせ熟成させたものを、


開炉の正月祝いに合わせた


「新抹茶」として
お披露目されるということです。


私の実家のある、つくばの家でも

小学校から帰ると親戚のおじさんや

おばさんが来てて、畑で茶摘みをしていました。


摘んだ茶葉は、じいちゃんと一緒に

荒川沖の製茶工場へ持っていきました。


完成すると、一斗缶に入って届きました。


味は


マジ苦~   う~濃いよ~

ばあちゃんに病気の時に飲まされた

千振 並みだよ~💧


子供がカフェイン取りすぎでしたね。

だから、

今は伊藤園のペットボトル濃茶で

ちょうどいいかも。


宇治や静岡だけでなく

皆さんの周り日本全国、お茶も 

みんな自給自足だったんですね~


何だかとても、あの時代が

有り難くなりました。




引用


江戸時代、幕府が将軍御用の宇治茶を
茶壺に入れて江戸まで運ぶ行事を茶壺道中、
あるいは宇治茶壺道中といいました。

幕府が宇治茶の上納を命じる
宇治採茶師をはじめて派遣したのは
慶長18年(1613)とされ、
茶壺道中が制度化されるのは
寛永10年(1633)のことだそうです。

ずいずいずっころばし
ごまみそずい
茶壺に追われて
どっぴんしゃん
抜けたら、どんどこしょ
俵のねずみが米食ってちゅう、
ちゅうちゅうちゅう
おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも、行きっこなしよ
井戸のまわりで、お茶碗欠いたのだぁれ

懐かしい~
井戸に茶碗なんて茶人は反応しますな


田植え?の時期?
で忙しい百姓たちが、
この茶壺道中を風刺した歌とも
いわれているそうです。




「口切の茶事」と言われますが、

床に荘れる名物の壷があり



茶室内の畳や障子、露地の四つ目垣など、
すべての物を新調して
黒紋付で臨むべき
最高に格の高い茶事なのです。



ゆえに


50年も60年も茶の湯を修道され


極めている先達の茶道家の方々でも、

 

人生に一度あるかないかの茶事となります。

 


あらためて【口切りの茶事】の

 

格の高さを痛感しますね~

 

 


先ほどの お茶壺道中の童歌のように


田植え中?  お茶壺道中が通る?


田植えって大体

日本では5月連休前後ですが💧



つまり、


 

もう一つ大切なことは、

 

【夏口切】もあるぐらいですから、

 

開炉と口切はまったく

 

関連していない!という事です。



 

【開炉】と【口切の茶事】が

 

セットのようなイメージは全く違いましたね。

 



  

また実際には、

 

石臼で人数分の濃茶、まして薄茶の

 

量をひくのは、かなりの努力

必要だと思います。



次回は、いよいよ

【炉開き】
瓢ふくべ、織部おりべ、伊部いんべ
ベベベの【さんべ】をみて見ましょう。