青山緑水是我家

初夏を迎え、美しい翠に覆われた山居
初風炉の茶会となりました。




令和4年5月21日
皇室ゆかりの 重要文化財 茶室「光華」
東京都庭園美術館 にて
第六回「重文わかる茶会」を開催しました。

茶会の仕組みやマナー、楽しみ方を学ぶ
日本初の「茶会を知るための茶会」です。



はじめに「茶会」とは何か?
茶会のマナーやエチケット
趣向を楽しむ方法をご説明致しました。

◼待合/広間

待合とは、茶会の趣向を暗示する
大切な場所である事等をご説明しました。

令和4年5月21日は浅草「三社祭」初日
本日は花のお江戸の茶会です。



浅草神社の御神紋「三網」 
隅田川で漁師の兄弟が観音像を発見し、
土地の有力者に持込み浅草神社が出来ました。
貢献した三人を祀る浅草神社の為、
三枚の干網が並びます。
中央は有力者、右が兄、左が弟。






床は喜多川歌麿の浮世絵
「難波屋のおきた」さん。

江戸時代、浅草に実在したお茶や難波屋。
その看板娘のおきたさんは、
度々、歌麿のモデルになった事で
江戸随一の美人として人気を博し、
あまりの人気さゆえに、幕府より記名が
禁止され反骨精神の知恵「判じ絵/なぞなぞ」
生まれました。

この「判じ絵」なぞなぞの答えは一番最後に

書院には
永遠の吉祥水の流れを表す「観世の仕舞扇」
「観世」という名前も奈良の長谷寺
初瀬の観音様から生まれています。
江戸幕府の庇護を受けた観世流は
江戸で多いに発展しました。





このように茶道は点前ばかりでなく
密接に関わっている事を皆さんに
理解していただく事ができました。


またこちらでは、皆さんと一緒に
菓子の頂き方を学びました。
本日の菓子は
ありとあらゆる形に姿を変え
私たちに救いの手を差し伸べる観音様の
水の姿 銘「灑水/しゃすい」です。
神楽坂 梅花亭 さんに特注しました。



露地から躙口へ

「露地はただ浮世の外の道なるに
   心の塵をなどちらすらむ」

利休居士の露地の心得を解説し、
蹲踞柄杓の扱いを学びます。


躙口の意味や、くぐり方を学びいよいよ本席へ



◼本席/小間


床は江戸時代から茶花として用いられた
芍薬と唐松の新芽を「粋」に入れました。


観音様を引き揚げた漁網を
波千鳥が讃えています。

時代は令和に変わりましたが
江戸の粋と、いなせは
今もTOKYOに息づいています!



浮世絵の中の茶碗でおもてなし

私達はこれからも
伝えていきたいと思います。


最後に学芸員の板谷さんからは
朝香の宮殿下が作られた
重要文化財 茶室「光華」が移築物ではなく
茶室、露地ともに当時のまま保存され
今もこうして、活用されている事の
素晴らしさを解説いただきました。