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 豊富な写真と、詩のような短い文章で構成されている著作。頭と心をシンプルにリセットしたいと思うとき、著者の本は相応しい。本書に、ページの表記はない。2008年2月初版。

 

【探すな。決めろ。】
 何かが足りないから、困っているんじゃない。
 多すぎるから、選べなくて困っているんだ。

 選べないのは、なぜか。
 それは、自分の中心が決まっていないからだ。

 自分の中心は探すものではない。
 自分の意思で決めるもの。

 探すな。決めろ。
 必要なのは勇気ではなく、覚悟だ。

 覚悟を決めれば、あとは、やるだけになる。
 「自分探しや選択に時間を費やしても無駄! とっとと中心を決めて覚悟しな!」 と言っている。
 仏門にも「請願なきは、菩薩の魔事なり」という表現があるけれど、後者のみの重要性を言っている。
 ところで、
 著者の場合、体験によって紡ぎ出された、ないし、体験によって確認できたことのみを記述しているのだろうけれど、書物も相当たくさん読んでいるのではないだろうか。著者のように“旅”という体験先行型の人ではなくても、下記リンクのような著作、ないし自己啓発系の著作に親しんできた人々なら、それらの本から学んだエッセンスを、この本の中に多く見出すことだろう。
    《参照》   『はるかな星をめざして』 黒川浩 (フェリス女学院大学)
              【人生の意味?】

 

 

【それほど危険なことはない。】
 魂が、NO!と叫んでいる状態に、慣れてはダメ。
 そうやって、人は、知らぬ間に自分自身を見失っていく。

 人生という旅を続けるうえで、それほど危険なことはない。
 チャンちゃん自身も、ハッキリ「違う」と分かっていたのに、経済的な面を考えて、その後、数年間もダラダラと好きでもない仕事を続けていたことがあった。生き方を工夫すれば、お金はそれほどなくても大丈夫である。心がピュアな状態を保ってさえいれば、新しい生き方に繋がるだろう。

 

 

【育て上手】
 「まずは、自分で作ってみな。」
 この、おやじの口癖が、俺の生きる姿勢を創った。

 「今日は、なにか楽しいことあった?」
 この、おふくろの口癖が、俺のワクワクセンサーを創った。

 

 

【ALONE】
 そういえば、本格的なひとり旅は、生まれて初めてかもしれない。
 あんまり人と話さず、ひとりでいる時間が長くて、なんだか変な感じ。
 俺の人生の中でも、かなりレアな時間だ。

 ひとり旅って楽しい?って聞かれると微妙だけど。
 今回やってみて、人生に必要な時間だな、とは想った。

 いつもいつも、ただ、出逢おう、繋がろうばかりではなく。
 ときには、凛とした孤独感を、ちゃんと思い出す時間が必要だ。

 自分の色があるからこそ、誰かと一緒に虹が創れるんだ。
    《参照》   『心を整える』 長谷部誠 (幻冬舎) 《前編》
              【ひとりでいる時間】

              【積極的に孤独になろう】

 

【帰るところ】
 さやかというHOME。
 家族というHOME。

 旅は、帰るところがあるから楽しい。
 人は、帰るところがあるから自由になれる。
 “結婚式の3日後から始まる、エンドレスハネムーン”を経験していて、“一人旅は稀”という人ならではの記述だろう。
    《参照》   『深夜特急 第3便 飛光よ、飛光よ』 沢木耕太郎 (新潮社) 《前編》
              【老人と旅人】
              【孤寒】
 若いうちは、一人旅の長所と短所の間を単振動するように心は揺れるだろうけれど、チャンちゃんはもう若くないから、心はそんなに揺れない。一人旅のまま行倒れても、その瞬間その場で肉体という衣を脱ぎ捨てて本当の自由になれると思っている。序の口程度であれスピリチュアルな叡智を理解してさえいれば “孤寒” に震えることはない。
 魂のオデッセイ(輪廻転生体験)の中で、全部が全部 “孤寒” だったなどと言う人はいない。今、“孤寒” を感じているのなら、今回の人生で “孤寒” を体験するというブループリントに則してそのような人生を選択しているのである。今回の人生の中だけに埋没することなく、数多あった多次元にまたがる自分自身の他の人生と並べて、相対的に観察することを意識する程度の叡智ある営みがあってもいいだろう。

 

 

【必要なのは・・】
 何時間も高速を走っていると、たまに、スーッと、
 自分の中心へと引き込まれる瞬間がある。

 ある午後、しまなみ海道を最速でブッ飛ばしながら、
 イージー★ライダーをフルボでシャウトしていたら、
 俺の心の真ん中で、パンって、何かがハジケた。

 やっぱり愛だよな、愛。

 そうだ。愛がないところには、何もない。
 スピ系の著作を読んでいると、誰だって、結局のところ、最もシンプルで最も確かな答えは “愛” であることを理解するようになる。そうすると、ビートルズの曲のタイトル「ALL YOU NEED IS LOVE」 を思い出すのだけれど、著者の場合、「イージー★ライダー」 をフルボイスで叫んでいて、愛に思い至るっていうのがユニークでおもしろい。
 今日はクリスマス・イブ。
 パートナーがいなくても、机の上に何もなくても、祈りの中で、世界中に存分に愛を振りまくことは、誰にだってできる。
    《参照》   『神はテーブルクロス』 須藤元気 (幻冬舎)
              【偉大なる愛】

           「John Lennon - Happy Xmas (War Is Over)」

 

 

 

  高橋歩・著の読書記録

     『愛しあおう。旅に出よう。』

     『アドベンチャー・ライフ』

     『イツモ。イチマデモ。』

     『HEAVEN‘S DOOR』

     『人生の地図』

     『LOVE&FREE』

 

 <了>