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 体験から紡ぎだされた文章が魅力的だった 『LOVE&FREE』 の著者による本を古書店で見つけたから読んでみたけれど、こっちはそれほどでもない。他者の著作やマンガ本から引用された言葉で編集されているからだろう。

 

 

【やりたいことは、・・・】
 自分のやりたいことがわからない?
 そんなもの、いくら深刻に考えたって、きっと、一生わからないぜ。
 とにかく、おもいっきり五感を開いて。
 「なんでもやってみよう!」の精神で、好奇心に身を任せて、地球の上を動き回ってみよう。
 やりたいことは、頭で考えるものではなく、ハートで感じるものだ。(p.35)
 いかにも、著者らしい表現である。そう、五感全開状態でおもいっきりハートで感じ取る。
 このやり方に敢えて同意する。
 本ばっか読んでる奴なんて、絶対にろくでもない奴に決まってる。

 

 

【職】
絵は好きだったが、ただの絵描きになろうとは思わなかったな。もっと自由に生きたい。何か、ほんとうに自分らしく。ぼくは自分の仕事というか職業を狭く決めてしまうのは、どうも面白くなかったんだ。絵にしろ、彫刻にしろ、文章でもテレビでも、それを売って食うためにやるんなんてことは空しいと思うんだ。だからぼくはあらゆることをやるけど、職業じゃない、人間として、言いたいことを言うし、やりたいことをやる。収入はそれについてくることもあるし、こないこともある。勝手にしやがれだよ。
*岡本太郎 『強く生きる言葉』 イーストプレス

私の仕事は、妻であること、そして、母であることよね。
だから、今の私の夢は、『妻』と『母』を究めることかな。
アルバイトしていたときや、会社に勤めていたときはとは、やっていることはまったく違うけど、自分の仕事に対する姿勢っていうか、取り組み方っていうのは何も変わらないわね。うまくいくこともいかないこともあるけど、いつも一生懸命やってるし、とっても楽しいよ。
*沖縄に暮らす主婦の言葉  (p.81)

 

 

【パートナー】
 「今回の人生は、最後まで、この人と一緒に生きよう」
    そう想ったから、結婚したんだ。   (p.89)

 人生で一番重要なこと? そんなことは簡単だ。
 おまえの人生の素晴らしさや楽しさは、誰と生きていくのか、ということによって決まるのだ。
 とにかく、一緒に過ごす人間が大切なんだよ。
 大きなことをいう前に、目の前にいる人たちを大切に生きていきなさい。
 *ある老人の言葉   (p.105)
 ピュアな部分が残っていて、ある程度人生が輝いていると感じている人々にとっては頷ける言葉なんだろうけど、ひきこもりたちはどう感受するんだろうか?

 

 

【経験】
 今、新人がいっぱい出ているけど、頭打ちじゃないか。
 それは決定的に経験が足りないからだ。
 経験というのは、たんなる時間の積み重ねではなく、人を感じる目であり、耳であり、皮膚感覚なわけだ。
 *松田優作 『松田優作 炎静かに』 山口猛/智恵の森文庫  (p.157)

 

 

【Book Guide 69】
 人生という旅のお供に、ぜひ。
 僕に素敵なインスピレーションをくれた69冊。 
 このような案内による69冊が、巻末に掲載されている。
 コミック、小説、ノン・フィクションがそれぞれ23冊ずつ。
 コミックの中にはドラエモン、あしたのジョー、風の谷のナウシカ、賭博黙示録カイジ、なんてのもある。
 小説の中に、灰谷健次郎、村上龍、司馬遼太郎がそれぞれ3冊ずつ掲載されている。
 『69 sixty nine 』 村上龍 は偶々このブログの中にもある。
 ノン・フィクションの中には、 藤原新也 が2冊。 『メメント・モリ』 と、『ディングルの入江』 ではなく、『沈思彷徨』。
 他に、角川文庫の『ゲバラ日記』があるけれど、男で チェ・ゲバラ を知らない奴なんてクズである。そういう奴ってきっと “魂のおチンチン” がないのである。おチンチンを取っちゃったオカマだってゲバラのことはよく知ってる。世界で一番カッコイイ男ですからね。

 

 

<了>