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 物語・秘話・愛歌・伝説・神話・愛舞・意識・次元と続く、瀬織津姫シリーズの第3弾。8弾全部を読んでいるのではないけれど、神社やスピリチュアルに興味がある人にとっては、どの本であれ、必ずやいいヒントが見つかるだろう。2010年7月初版。
 
【翡翠と丹生】
 鳥取県は小さい。かつ、日本一人口が少ない県だ。・・・中略・・・。だが、智頭&八頭に姫を祀る神社が13社もあるのだ。姫密度でいえばダントツ一位。どうしてこの地域に姫がこれほどまでに祀られているのか前々から謎だった。それを確認し探求する旅でもある。(p.85)
 本書で言うところの姫とは、勿論、瀬織津姫系列の姫神のこと。
 鳥取の海がとてもきれいなことに気づいた。これまで日本海側の海で「うわお~」と感激するところはただ1カ所、新潟、富山にまたがるヒスイ海岸だけだった(親不知のあたり)。あの辺りは、姫川の上流に太古から翡翠が採れ、その粒が流れ流れて・・・中略・・・海全体がエメラルドグリーンになっているのだ。・・・中略・・・それに近いものを感じたので、大江さんに話した。すると、鳥取の千代川(せんだいがわ)の上流も翡翠の産地だったという。なるほどなるほど。
 ここでどうしても思い出すのは、「丹生(にゅう)」。辰砂のことである。朱色の原料であり水銀の原料でもある。これを産出する鉱脈のある地を古来、丹生と呼んできた。素戔嗚尊もこれがほしいがために朝鮮半島からやってきたという説もあるくらいだ。そこでこの翡翠、どうしても大国主を連想してしまう。大国主は素戔嗚尊の子だが、彼は因幡と越後に来てそれぞれ、八上姫と、奴奈川姫を娶っている。大国主は翡翠が目的で旅したのだろうか・・・。 (p.92)
    《参照》   『セオリツ姫・シ♭』 山水治夫 (ナチュラルスピリット)
              【ファ♯:奴奈川姫】
 ここで記しておきたいことがある。これまで私は東北に始まり、西へと神社参拝奉納の旅を広げてきたが、やがて丹生神社の存在を知り、全国に丹生という地名の神社がたくさんあることを知った。九州ではこれを“たんじょう”と呼ぶそうだ。
「本州では“にゅう”って言うとですか?」 (p.119)
 丹生や翡翠を扱っていた古代日本の統治者たちは、新興勢力によって弾圧されたり埋没神扱いされたりしてきたのだろう。
    《参照》   『「超古代」の黙示録』 後藤まさし (たま出版) 《前編》
              【天武天皇による大弾圧】
    《参照》   『神の仕組み 神界再編と世界変革』 佐田靖治 (光泉堂) 《後編》
              【イスラエルの南北と日本の天皇家】
              【中東における天系と地系】

 

【廣田神社】
 ホツマツタヱでは、瀬織津姫は晩年に、この神社で過ごしたとなっているのだ。・・・中略・・・。ここには瀬織津姫ではなく、撞賢木厳之御魂天疎向津媛命(ツキサカキイツノミタマアマサカルムカツヒメノミコト)となっている(表向きの名は天照大御神荒御魂)。・・・中略・・・。ホツマツタヱでは、天照が瀬織津姫を見た時に、あまりにもの美しさに階段を駆け下りて、姫のもとへ向かったと記してある。うう・・・あまりにも美しい名前の由来ではないか。思わず目頭が熱くなってしまう。(p.96-97)
 廣田神社にほど近い西宮神社にも、市杵島姫は祀られている。

 

 

【糸島の桜井神社】
 与止日女は、福岡県は志摩町にある桜井神社にも祀られている。桜井神社は別名、与止日女宮ともいう。この桜井神社の祭神は誰かというと、八十禍津日神(ヤソマガツヒノカミ)。そう、瀬織津姫と同神別名。・・・中略・・・。
 桜井神社(与止日女宮)の宮司さんとも電話でお話ししたが、祭神の八十禍津日神が瀬織津姫という大祓い祝詞に出てくる神と同神とは知らなかったという。しかし、このように私のような素人でも思いを込めて追及していけば、何か見えてくるものがある。(p.123)
 今年、ウエサク祭の帰りに、福岡県糸島市出身の方から強烈にインプットされた「糸島市(志摩)にある桜井神社は、伊勢神宮より立派です」という主張の一端が、これで分かった。
    《参照》   『ニギハヤヒ・シ♭』 山水治夫 (ナチュラルスピリット) 《後編》
              【糸島市】

 今大ヒットしているらしい『君の名は』という映画、まだ見たわけではないけれど、この映画の紹介動画に神社の鳥居と糸高という文字が見えたから、「少女の出身地は糸島で、桜井神社がモチーフになっているのでは?」と思ってしまった。彗星落下後の外輪山は阿蘇のカルデラだろう。「二元性世界での認識に囚われている人々に、男神・女神を区別せぬ本当の姿、あるいは縦糸と横糸が織りなす根元神の姿を思い出せ」 という、日本神霊界に帰属する日本人に対する秘めたメッセージなのかも、と思ったりする。
 九州一の都会、博多は天神、三越前にある警個神社に参った。ここも八十禍津日神が祭られている。神直毘神、大直毘神も。この二神も姫という説がある。社務所で宮司さんに自己紹介をしてCDを奉納したが、やはり八十禍津日神イコール瀬織津姫といった認識はお持ちではなかった。
 「江戸時代の神学者の平田篤胤もそう書き残しております」と説明すると、当然私より神学に詳しい宮司さんは目を見開き、「そうでしたか!」と。(p.123-124)

 

 

【速川神社】
 再び日向は宮崎入り。・・・中略・・・。向かうは・・・中略・・・西都市にある「速川神社」ここは前もって調べていた時からショッキングな神社だった。祭神の二柱は、瓊瓊杵尊と瀬織津姫となっている社なのだ。それも二人は夫婦だという。それだけではなかった・・・。
 一ツ瀬川に沿い山奥に向かってやっと速川神社の入り口に着いた。道路端に鳥居と由緒書き看板があり、即、覗き込む。やはり書いてある。

  天孫ニニギの尊が、判人の瀬織津姫を速川の瀬で亡くし、此の地に小祠を建立して、御霊を慰めたことに始まるという伝説が残されています。

 姫はこの地で亡くなったという。兵庫の廣田神社の近くでという説もあるが、説は無数。 (p.150-151)
 気になったので、書き出しておいた。

 

 

【多次元の実相】
 もう一つ重要と思われること。セオリツヒメ、ククリヒメ(白山姫=菊理姫)、イチキシマヒメ、ベンザイテンは同魂だが、ククリヒメは身体を持ったことがないという。う~む・・・。さらに、ククリヒメは9次元。セオリツヒメは8次元。イチキシマヒメは6次元。ベンザイテンは5次元という(7次元はコノハナサクヤヒメであろう)。
「ククリヒメが9次元でセオリツヒメは8次元ですか?」
 私は念をおして訊いた。
「肉体を持つと、どうしても次元は下がってしまいますからね」
 これはよく理解できる話だ。 (p.184-185)
 次元界のスライドシステムによる分類は、下記リンクに示すように語る人によって違うけれど、このような多次元に跨るあり方は、神霊界の実相というだけではなく、進化の実相として理解しておく必要がある。
    《参照》   『人類が生まれた秘密をあかす』 深見東州  たちばな出版
              【日本神界の特異性 と 次元界スライドシステム】

 

 

【もう止められないから?】
 安曇野市にある春日大社。名前の通り、大和は奈良の春日大社からの分霊を持ってきたという社である。・・・中略・・・。本家本元の春日大社は、前著『瀬織津姫秘話』でも紹介したが、祭神は武甕槌命と経津主神、祖神である天児屋根命と比売神の四柱。比売神という名で瀬織津姫をカモフラージュしてあるのでとても興味のある社であった。(p.199)
 ところが、安曇野の春日大社では、祭神が、比売神ではなく瀬織津姫と石碑に刻み込まれている。
 伊勢神宮にしろ春日大社にしろ、これってなんなのだろう? 分社のところではこうやって姫の名前を出している。出しているのをもう止められないのだろうか? それともよくある手で、大きな発表をする前にショックを和らげる意味で小出ししているのであろうか。いずれにしてもよいことである。(p.199)
 神社関係者の皆さんが自覚していようといまいと、宇宙史的サイクルの巡りの中で、今日まで封印され忘れ去られてきたものが、徐々に封印を解かれ復活してゆく時代になっているのだろう。
    《参照》   『光のアカシャ・フィールド』 ゲリー・ボーネル×よしもとばなな (徳間書店)
              【1万3000年以前の歴史】