《中編》 より

 

 

【イスラエルの南北と日本の天皇家】
 北方王国は太陽神、あるいは最高神エルを支持していた部族であった、と考えるべきである。なぜなら、ダビデの紋章と呼ばれる六角形の星こそが、バアルのしるしと言ってもいいものだからである。少なくとも、ユダ族が中心となった現在のユダヤ人がこのダビデの紋章を自分たちのものとするかぎり、彼らの一神教は天上の神ではなく、大地信仰を表明していることになるのである。この問題は神秘事項にかかわっていて簡単に証明するわけにはいかないが、この六角星のかごめ紋は、日本神話で言えばオオクニヌシのしるしと考えていい。オオクニヌシとはスサノヲ直系の大地の神であって、その国を太陽神アマテラスが奪ったことは神話で語られているし、そのアマテラス直系の子孫が日本の天皇家ということになっている (p.88)
 失われた十支族といわれる北方王国のイスラエル人たちが日本に来て天皇家による支配(大和朝廷)を確立していたということになる。南方王国のユダヤ人たちも遅れて日本に来ている。日本国内における十支族と二支族のその後の確執もキッチリあるのである。
 天皇家による日本支配の中心となる伊勢神宮が創建したのは天武天皇の時だけれど、その時と現在では、伊勢神宮の名称が同じであっても、既に中身はだいぶ変わっている。
 出口王仁三郎さんの大本教が大弾圧されたのは、天系(アマテラス)による地系(クニトコタチ=スサノウ=オオクニヌシ=ダビデ)の大弾圧だった。

 

 

【中東における天系と地系】
 イエスはダビデをかたって、ユダヤ民族を天系の支配下に取り込もうとはかったのであった。地系のユダヤ人たちは、それを怒って彼を断罪したということだったのである。(p.93)
 サタンとは、天系神によって落とされた大地と豊饒の神バアルのことであり、ダビデはその人間的現れである。(p.95)
 天系の北方十支族が消えた後、その霊統を引き継いでいたのがキリスト教だった。だから地系のユダヤと鋭く確執していたのである。結果的には、キリスト教・イスラム教の世界流布がなされたことによって、天系の支配が確立していった。
 同じ頃、日本では天系の大和朝廷(アマテラス:北方イスラエル:失われた十支族)が、地系の出雲王朝と確執しつつ、やがて日本全土の統治権を確立していった。
 中東と日本、この両地域における違いは、中東において天系はほぼ完全支配を確立したのに対し、日本では、そうでもなかったことである。地系のスサノヲ、オオクニヌシ、イザナミを祀る神社は当時から今日まで存続している、そしてなにより、
 アマテラス神社の中心である伊勢神宮に外宮というクニトコタチの神社を並立しなければ、国家体制を維持することができなかった(外宮の祭神は、アマテラスの食事を司る豊受大御神とされているが、それはクニトコタチを隠すための作為である)。(p.112)

 

 

【根っこは天系神と地系神の覇権争い】
 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という発生の源を同じものとする一神教の陰に、天系神と地系神の覇権争いが隠されているのである。イスラエルがエルサレムの神殿を復興することは、キリスト教とイスラム教が封じ込めた地系神が復活してくることを意味しているのである。(p.163)
 世界史の大きな根っこにはこの二つの争いがあるのだけれど、それぞれの国がいずれに属するのかを、明確に表現することはできない。日本国内において天系と地系の覇権争いがあるのと同様である。それでも崩壊前のソビエト連邦は天系だったのであり、西欧においてはフランスが天系の中核となっているらしい。

 

 

【ロシアの動向】
 虐げられた地系の民は、ユダヤ人のマルクスの理論を得てロシアの再生をはかったのであった。
 レーニンはロシアを再生するために働いた地系の民であった。地系の理念でよみがえったロシアは、新しい血を得て国を富ましソ連邦として立った。だが地系の民によって再生した国を、アマテラスはスターリンを使って再び自分の手元に引き戻した。地系の民の夢は、そうして天系サイドに奪われてしまったのである。(p.223-224)
 イスラエルと言ったときに、北方イスラエルなのか南方ユダヤなのかという違いに気をつけねばならず、さらにユダヤと言ったときにアシュケナジー・ユダヤなのかスファラディー・ユダヤなのかという違いもある。地系の民として比較的確からしいのは、スファラディー・ユダヤだろう。
   《参照》   『聖書の暗号は知っていた』 伊達巌 (徳間書店) 《中編》
             【ロスチャイルドの霊的系譜】

 ゴルバチョフは天系で、その後のエリツィンは地系だったと書かれているけれど、エリツィン政権下で新興財閥として力を蓄えたオリガルヒはユダヤ系の人々であり、現在のロシア大統領であるプーチンさんはオリガルヒを徹底的に排除することでロシア国民を豊かにしている。
   《参照》   『聖書の暗号は知っていた』 伊達巌 (徳間書店) 《中編》
             【アシュケナジー・ユダヤのソ連支配】

 

 

【北方四島問題は世界の動向に関する象徴である】
 日本の領土である北方四島は、まだ日本に返還されていない。この問題が解決されたときが、今回の神界劇が終了したことの人間世界における合図であると考えていい。
 この問題は世界の動きの象徴的な意味合いをもっており、神界劇の動向とも深い関わりがある。九州の国東(くにさき)で日本を先導していくことで始まった神界劇は、北海道の国後(くなしり)がしたがってうごき出すことで終了し、新時代が始まる仕掛けになっているらしく思われる。(p.359)
 しかしながら、地球神界を舞台にした神界劇の乱れの奥には太陽系神界の乱れがあり、さらにその奥には宇宙神界の乱れがあるらしい。
 日本に深い関わりのある北朝鮮問題を含めて、極東地域において安定と平和が実現できていない根本には、神々の確執が完全には解けていないという問題が未だにある。

 

 

<了>