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 1990年頃までに再編されていた『神仕組み』の内容が書かれている。日本人の命持ち(みこともち:神の御魂を持つ人で、時代の仕組みを担う人)たちの活躍によって、日本と世界が変革されてきた過程が書かれているのだけれど、それと不可分の関係で、世界史、宗教史、および近年の国際関係にどの系統の神々が関与していたのかがわかる。この本を読めば、様々な宗教の霊統の違い、次元界の違いが良く分かってとても参考になるだろう。94年1月初版。再読。

 

 

【剣神界】
 神々の住む神界の中には、剣を管轄する剣神界という特別な神界があって、日本ではその剣神界の頂上神をツルギミメ大神と呼んでいる。そして、その剣神界を構成している山が、立山に隣接している剣岳であり、四国の剣山なのである (p.26)
 タイトルの意味するところは、父神系統から母神系統へと「神の仕組み」が再編された、ということなのだけれど、それと剣神界に関することの概略を書いておけば、以下のようになる。
 日本神話に出てくる剣、神武天皇が使ったフツヌシの剣や、ヤマトタケルが使ったクサナギの剣は、アマテラスゆかりの剣であり、地球世界を支配するために使用された父神系統の剣。それに対して、今回人間世界に降された神剣は、白山神界の「光の剣」と呼ばれるものであり、それは母神系統の剣であるという。
 ついでに、母神系統の神界に関して、その頂上神のいる所は、
 オオクニヌシ神界では出雲の神が、クニトコタチ神界では木曽の御嶽山に立つ神が、それぞれトップの神格を持たれていることを明らかにしておこう。(p.336)

 

 

【世界各地に残されている父神と母神の争い】
 父神イザナギは天上に、母神イザナミは地底に落ちていった話である。ギリシャ神話では、この構図は天空のウラノスと大地母神ガイアで語られているし、エジプト神話では、天上の王ラーと大地の母イシス、インド神話では、最高神ヴィシュヌと世界の母ドルガーとして語られている。
 ギリシャ神話の大地母神ガイアが自分の末子クロノスと結託し、エジプトのイシスが死者の王オシリスと夫婦になり、インドのドルガーが破壊神シヴァと結びついているように、日本神話では、父神の子スサノヲが母神イザナミを慕って泣きわめいている。こうした母と子の結びつきをとがめられて、母神は地底に落ち、子神は死者の王、あるいは冥界の王に変貌してしまったのである。
 父神(天系) vs 母神(地系) という構図を、日本神界の神名に当て嵌めれば、
 イザナギ - アマテラス vs イザナミ - スサノヲ(クニトコタチ) ということになる。
 欧米の神霊界において、地系のスサノヲに対応するのはルシファー、クニトコタチに対応するのは魔王になる。
 天系のアマテラスに対応するのはミカエルか。

 

 

【クニトコタチの復権】
 役の小角は富士山をはじめとして、各地の山々を開いたと伝えられているが、それは蔵王権現とよばれたクニトコタチ大神を呼び起こすためであった。彼が末法日本に新しい時代を開こうとして、各地の山々をめぐり歩いたのは、神界の秘められた役目を果たすためであった。修験道として仏教化したことで、神の仕組みは隠されてしまったけれども、仏教で表面を覆われたその陰には、日本の神々による世界変革の秘めごとがあったのである。しかし、役の小角は役目を完成することができなかった。役の小角が果たせなかった役目を21世紀末の現在に引き継いで、あらためてその神の仕組みに取り組んでいるのが、立山山上で「光の剣」を授かった人物なのである。(p.66)
 立山山上で「光の剣」を授かった人物とは、著者(佐田氏)のことであるけれど、日本神界再編に関わり、それぞれに次元界を異にして活躍しているシャーマンさんたちは、著者以外に幾人もいるはずである。

 

 

【ハイラーキー】
 ハイラーキーについては、ロシアの神秘主義者ブラバッキーが起こした神智学や、ドイツ人のルドルフ・シュタイナーによる人智学関係の書物に説かれていたので、それらを参照してもらいたいが、要するにこの組織が所属する世界は、中国や日本では神仙界として考えられてきたものである。インドではヨガとして広まっているが、その思想が欧米では神智学とか人智学として紹介されたのである。
 ・・・(中略)・・・ 。そしてこのグループは、ただ単に地球にかかわるのみではなく、太陽系、さらには大宇宙にまで組織を広げて存在している、だからと言って、彼らが神であるというわけではない。彼らはあくまでも超人なのである。(p.68-69)
 明窓出版を母体としているグループは、下記リンクに示すように、その著書内にハイラーキーという単語が直接記述されているくらいだから、この系統だろう。中村天風や安岡正篤といった人々もこの霊統の叡智を語ってきた方々である。
   《参照》   『天の岩戸開き アセンション・スターゲイト』 Ai (明窓出版) 《中編》
             【アセンションの度合い】

 ハイラーキーは神仙界という霊統であって、決して日本正神界の霊統ではない。正神界の神々は自然神であって超人ではない。アセンション系列のことを語っているのは、終末思想をもつ西洋の宗教と、洋の東西に跨るハイラーキーの人々だろう。繊細な波動を審霊(さにわ)するシャーマンさんによると、超人系列の波動は、自然神系列の波動と違って、かなり電気的な波動だと言う。
   《参照》   『神霊界』 深見東州 (たちばな出版) 《前編》
             【新時代のニュー中間役の神 : UFO】

 

 

【宗教の4系列】
 現在人間世界にはさまざまな宗教があるが、それを大別すると次の4種類に分けられる。まづ最初に、古代より続いてきた神々を信仰するもの。それに続いて一神教と呼ばれるもの。このなかにユダヤ教、キリスト教、イスラム教が入る。そして、多神教と一神教を混合したような仏教。そのほかに、神仙界をめざす密教的な教え、つまりヨガとか神仙道、あるいは神智学系の西洋神秘主義の流れをくむもの。その4系列である。
 キリスト教系列と仏教系列を「霊界宗教」という括りで語る人もいるけれど、それは神界の領域とは違うという意味で語られていたのであって、キリスト教も仏教も「創造神」や「空の概念」を極に据えて霊界を無視していたのが始まりである。しかし実在する霊界を無視できなかったので、天使(デーヴァ)とか如来・菩薩・明王とかの表現で、霊界領域を語っている。
 われわれは物質世界を越えた異次元を霊界として一くくりにしてしまうけれども、異次元にはさまざまな世界、さまざまな次元があって、簡単にそれらを一まとめにすることは難しい。 ・・・(中略)・・・ 多神教も神々にしても、神界の神々と自然神とでは住む世界が違うし、それらの神々と霊界にいる神々とは、また次元が違うのである。そしてそれらの神々と神仙界の存在とは、また住む世界、次元が違うし、仏教の説く如来とか菩薩とも違いがあるのである。(p.73)
 仏教系の人に言わせれば「仏界が上で、神界が下」ということなり、神道系の人に言わせればその逆になる。どうであるにせよ、次元が「違う」のである。
   《参照》   『人類が生まれた秘密をあかす』 深見東州 (たちばな出版)
             【日本神界の特異性 と 次元界スライドシステム】

 

 

【根元界】
 創造主が最初にその意思を降ろす世界を根元界と言う。無の形が基本を生み出す形相の世界である。(p.263)
 根元界に至るには、5つのコースがあるという。
 最下層にある第5段階は霊界コース。第4段階は神仙界コース。第3段階は仏界コース。
 そして第2段階はプラトンが使者となって開いた道で、術界(技能界)コースとでも言う道。これはひとつの目的をとことん貫いた者がたどる道である。たとえば学術、芸術、武術、技術などといった専門分野を貫くコース。プラトンやプロティノスは哲学でこの道を昇った。そして、最上階層が神界コースである。この道は人間が神に進化して辿っていく道で、過去にこの道は開かれてはいなかったが、今回の神の仕組みはこの道筋を開くためのものである。(p.263-264)
 「根元界なんて、われわれ凡人にはぜんぜん無関係だろう」って思いやすい。けれど・・・
 宇宙最高神を越えるとか、神界を超越するというようなことがどうしてできるのか、と不審に思う読者もあることだろう。だが次元を越えた根元界には、プラトンや釈迦やモーゼスのほかにも、名の知られていない人間が死後かなり入っている。人間が神界をこえることは十分可能なのである。(p.321)


 

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