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 「銀総会」という“闇社会”の組織を率いていたトップである著者の本。「カタギの世界で生活しているだけでは、永遠に知ることのできない世界を知る」ということは、社会の実態を知るという意味において重要なことである。このような本を読まずに、経済や社会を語ろうとするのは、ほぼ無意味と同じである。その点、ジャーナリストとしての ベンジャミン・フルフォードさんの著作群 は秀でているけれど、闇社会を実際に生きていた方の著作は、それなりのインパクトがあるだろうと思って読んでみた。2009年10月初版。

 

 

【「死闘」の日々】
 日本で「死闘」なんていってもピンこないだろうが、俺には、そんな過酷な日々を送っていた時期があった。・・・中略・・・。
 車に乗って停車していれば、ダンプが追突してくるし、歩いていれば、ナイフ、刀、チャカで襲いかかってくる。飯を食おうとすれば、毒物を混ぜられる、と犯行はさまざまだった。(p.25)
 「それって映画の話?」と言いたくなるような凄いことがテンコモリ書かれているのだけれど、これを読んだ人は、「だったら、何でそれらテンコモリの事件が報道されないの?」と思うはず。被害者が警察に被害届を出せば、事件扱いになるから報道されるけれど、裏社会の人々にとって互いの抗争が事件扱いされることはメリットどころかデメリットでしかないから、被害届を出さない。故に報道されないのである。
 また、裏社会vs警察のような事件の場合であっても、裏社会と警察は実は裏でつながっているから、たまに報道される警察の取り締まりは、一般人に対する偽善的茶番であり、結論としては成果なきままに看過され続けるのである。仮にヤクザさんが派手なことをやらかしてしまってマスコミ報道されてしまった場合は、末端の下っ端をダミーにしてケリをつけるのである。
 そう言うことは、下記リンクのような書籍を読めば、詳細かつ具体的に記述されている。
    《参照》   『日本の魔界』 リチャード・コシミズ (成甲書房) 《後編》
              【裏社会御用達の警察署】

 

 

【マフィアの世界】
 中国マフィアっていうのは恐ろしい存在だ。甘く見ていると、絶対に勝てない。・・・中略・・・。手打ちや引き分けという言葉がないから、いちど戦争が始まれば勝つまでやるしかない。マフィアの世界というのは、そういう生き方しかできない人間の集まりだ。(p.36)
 ヤクザ映画では「任侠」という言葉が出てくるけれど、マフィアの世界にはそんな言葉はない。「手打ちや引き分けと言う言葉がない」ということは、「皆殺し」ということである。つまり 「All or Nothing」 とか 「Winer takes all」 の世界。
 中国は日本と同じ東洋の国だから、任侠的な世界観が通用するんじゃないだろうか、と思うかもしれないけれど、大外れ。中国人の発想は日本人とはマルデ違う。
    《参照》   『小室直樹の中国原論』 小室直樹 (徳間書店) 《中編》
              【中国において粛清が皆殺しになる訳】

 中国を含む大陸諸国は押しなべて皆殺し文化である。だから、ヤクザは島国・日本の裏社会を意味する用語であり、マフィアは日本以外の裏社会を意味する用語である。
 日本発祥の柔道には、敗者復活の道があり、日本の将棋では、取った相手の駒を自分の戦力として用いることができるけれど、諸外国による「皆殺し」の文化が、そのような発想をすることなど決してない。
    《参照》   『歩を「と金」に変える人材活用術』 羽生善治・二宮清純 (日本経済新聞社)
              【駒の力を極端に弱くしている日本の将棋】

 

 

【体が自然と感じるのだ】
 何かおかしな空気を感じるときってあるだろう? その空気を感じるのさ。とくに、殺気だった空気はいちばん、感じやすいものだ。・・・中略・・・。
 なぜか、事前に何か変なことが起こるのがわかる。これは霊的なことでもないし、超能力でもない。体が自然と感じるのだ。(p.39-40)
 どのような世界であれ、組織のトップに立つような人は直観力に秀でているものだけれど、超危険な世界である裏社会や闇社会で組織のトップに立っていた著者のような人の直観力が尋常一様なものであるはずがない。その能力をカタギの世界で活かせば、大きな社会貢献ができるだろう。

 

 

【秘密兵器】
 外国人マフィアが恐ろしいのは、見えない部分から攻撃してくるところだ。こちらがどんなに探りを入れようが、秘密兵器みたいなものを隠し持っていて、瞬時に行動できるようになっているのだ。その点がヤクザとは違う。・・・中略・・・。
 では、秘密兵器とは、どんなものだろうか? マフィアの活動世界は、すべて水面下での出来事なので、世間を騒がせることは出来ない。目立つことができないのだから、音を立てることもならず、爆破することもならず、変に人を結集させて騒がすこともならないのだ。ならば、そのすべてをクリアしたうえに敵に対して大きなダメージを与えられることが秘密兵器の条件なのだ。まずガス類の使用だ。そして、高電圧の電流の類だ。(p.81-82)
 高電圧兵器は、一帯を水浸しにした上で使用する。
 その他の秘密兵器も当然あるだろうけれど、「裏切りという懸念がある以上、組織全体に伝えておくことなどできない」と書かれているから、今では足を洗っているとはいえ、敢えて書かないのだろう。
 多分、マフィアの秘密兵器もハイテク化しているだろうから、下記リンクにあるような「電磁波を用いたサイレント殺人兵器」が常用されているんじゃないだろうか。人口削減の枢要対象国である日本の国民も、危機に乗じてこのサイレント殺人兵器の餌食になる可能性がないわけではない。いや、既にかなりの数が餌食になっているだろう。
    《参照》   『ドラゴニアンvsレプティリアン これが《吸血と食人》の超絶生態だ!』 高山長房 《5/5》
              【スカイシャインに備えた多摩川防衛ライン】
              【人類完全コントロール兵器】

 

 

【指紋対策】
 手袋などしていては、見るからに怪しい。だから、そんな馬鹿なことはしない。ものに触っても普通に見えるように、指先に透明のマニキュアなどを塗って、指紋が付着しないようにもした。(p.98)
 へぇ~。でも、お肌が荒れそう。

 

 

【この世には存在しない男:「裏社会」と「闇社会」】
 ヤクザの世界では、身内で揉めることは禁止されているから、表立って行動することができない。そんなときに役立つのが、俺みたいな存在の男だ。この世には、存在しない男だからな。
 こうやってヤクザを食いものにしていくんだよ。だいたいは、食いものにするヤクザより目上の人間と組んで、自然な感じで食っていくことが多かった。(p.132-133)
 企業を食いものにしているヤクザさんでも、著者のような、この世に存在しない人物に食い物にされることがあるということ。
 この世に存在するヤクザさんたちは、その世界でさまざまな条件を背負っているけれど、この世に存在しない男には、いかなる条件もないから、ヤクザさんに勝ち目はないらしい。つまり、ヤクザvsマフィアでは、勝負にならないということ。この本のタイトルは、このことを意味しているのだろう。
 ヤクザ社会が世の中の裏社会であれば、マフィアの存在する世界は、闇社会とでもいうべきだろう。ヤクザの暮らす裏社会までは、掟やルールが存在するが、闇社会には、掟などいっさいない。あるとすれば、それは、俺がルールであり、掟だということだろう。(p.138)
 皮肉な話だが、仁義を重んじている人間ほど、食いものにするのには好都合だった。(p.152)
 これを読んで絶句したヤクザさんがいるとしたら、昔ながらの純日本人ヤクザさんなのだろう。

 

 

【企業支配の手法】
 恐喝じみたやり方をしていると、いずれパクられてしまうから、俺は、相手の企業などに、身内の人間を潜り込ませてしまうやり方をしていた。そうすれば、内部からガッツリいけるからだ。逃げられないところまで情報を握ってしまえば、どんなことだって、たいがいのことは通る。(p.170)
 総会屋のような形で寄生するのは、もう時代遅れの手法なのだろう。内部に潜入していれば、潜入している側にとって、その企業の用途は多い。
 地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教のサティアンにあった物を、捜査前に運び出し保管した所は、このような内部潜入によってコントロールされた企業の倉庫だったことが、『日本の魔界』 に書かれている。

 

 

【ヤクザさんの買物】
 取引するブツが普通のチャカくらいなら、末端で売っても大した額にならないから、馬鹿くさくて、危険を冒す気にならない。しかし、俺たちが取引するものといったら、半端じゃない武器ばかりだったから、売買する時の金額も、目玉が飛び出るくらいだ。・・・中略・・・。
 そんなもの、日本で使いもしないのに、よく高い金を出して買う奴がいるなと思うが、飛ぶように売れた。おそらく、そういう武器を持っていると、業界での噂話や自慢のネタになるのだろう。(p.173)
 一般的には、「自慢の種」が慣用表現だけれど、この本では「自慢のネタ」と書かれている。
 カタギの人間は高級外車に乗っていれば自慢のネタになるだろうけど、ヤクザさんの場合、防弾ガラス付きの車は国内生産されていないから、敢えて国内で改装して足が付かないよう、高級輸入外車を購入するのが普通のことになる。そんなヤクザさんにとって自慢のネタというのは、マシンガンから上の大量殺人兵器らしいけれど、その究極は、「ワシんとこでは、小型核兵器持ってまっせ」ということだろうか。
 で、そのようなヤバイ兵器は、フィリピンから調達されるらしい。

 

 

【フィリピン軍の商売】
 ブツをフィリピンから持ち出して、日本の領域まで持ってきたら、それでOKということにした。ヤツらがフィリピンからブツを出すのは、そんなにむずかしいことではない。軍の飛行機でもヘリでも使えるからな。そして、どこかの海上で、日本行きの貨物船に拾わせればいい。軍の基地から、税関なんか簡単に飛び越えてしまえるな。フィリピンは、いまだに軍に力があるからな。(p.188)
 「いまだに軍に力があるからな」という記述だけを読んだら、誰だって中国を想定してしまうだろう。尖閣や小笠原に海上保安庁を釘づけにしている間に、兵器やドラッグなどがこの方法で中国から日本にかなり来ているのかもしれない。

 

 

【ブツの日本上陸まで】
 上記の続き
 ところが、そこから先は、簡単な話しではなくなる、日本に、武器を持ち込もうと思ったら、半端なことではない。税関、海上保安庁の目がギラギラしているのだから。まずは、途中で海に落として、用意された船で拾う。それも、二通りあって、特攻船と呼ばれている超高速の船で気合を入れて拾うか、漁船で拾い、特殊な方法で海の中を引っ張ってくるかのどちらかだ。(p.188-189)
 この方法で、過去に一度も失敗したことはない、と書かれている。
 海上保安庁がどう頑張ったって、海は広すぎるから、密輸なんてチョロイものなのだろう。

 

 

【使うため】
 我々、銀総会がどれだけの金を稼いだかというと、全体的に考えれば、4年間で数百億円は優にあったであろう。まあ、これだけの悪さをしてきているのだから、金など稼げて当たり前というレベルの話だ。(p.191)
 一般人に、「何のために働いて金を稼ぐのか」と聞けば、「生活のため」とか「家族のため」とか、わけのわからないことをいうだろう? 俺の場合は、迷わず「つかうため」と答えるぞ。じゃあ、何につかうのかと聞かれれば、100%遊びにだ。稼いだ金なんて、遊びでパーッとつかってナンボだろ? 置いておいたら、ただの紙切れだ。金は、つかうから稼げるわけで、循環しているんだよ。自分のところに溜め込もうとすれば、悪臭を放つようになるのさ。(p.195)
 俺は、飽きっぽいから、今まで乗っていた車を若い衆にやって、また、新たな車を買うというようなことをくり返していた。そうでもしないと、毎月一億円以上の金など使い切れなくなってしまうからだ。(p.197)
 循環の説明は当を得ているだろう。テンコモリ食べた人は、テンコモリ出すのである。もし便秘だったら食べられないだろうし死んでしまう。
 一日の飲み代で一千万円以上の金をつかったこともあった。(p.199)
 稼ぐ額が桁違いだと、誰であれ必然的に羽振りが良くなってしまらしい。
    《参照》   『ホテルカリフォルニア』 丸山隆三 (ルー出版)
              【豪遊】

 

 

【北風から南風へ】
 今まで悪いことをしてきた分、これからは、いいことをしていかなければならないと本気で思っている。償いというわけではないが、人生の中でバランスっていうものがあると思っているのだ。
 俺は、過去に人の心を寒くさせてしまうような北風を吹かせ、人の心を壊してしまう突風という風を吹かせてきた。過去は、どんなことをしても変えることはできないので、この先の未来は、人の心を暖かくする南風を吹かせ、人の心を穏やかにさせ、心地よい気持ちにさせるそよ風を吹かせられる人間になりたいと思っている。思うだけでなら誰でもできるという考え方をするタイプの俺は、すでに行動を始めている。(p.217-218)
 で、どんなことを始めたのかというと、うつ病バスターズ。

 

 

【うつ病バスターズ】
 遊び目的で覚えた催眠術を使うことで、うつ病を改善させることができることに気付いたという。
 うつ病とは、ガン、切り傷、骨折というような形のある病気ではなく、100%本人の思い込みからくる病気なのだ。催眠術とは、我々が魔法をかけるわけでもなく、相手の思い込みの力を利用して、その人が思う方向を変えてあげるだけなのだ。その人の考え方を変えるのは、無理だが、思う方向を変えてあげることは簡単なことなのだ。うつ病の人というのは、悪い方向になら、どんなにでも妄想を膨らませて考えられるのだが、いい方向に考えるようにしてくださいといっても、それができない状況になるから、うつ病になってしまうのだ。それならば、俺が、いい方向にしか考えられないようにしてあげればいいのだ。そうすれば、簡単にうつ病を改善させられるのだ。実際、今までに俺の施術を受けて、うつ病が再発した人はいない。しかも、施術にかかる時間は、たったの1時間もあれば十分だ。(p.219-220)
 闇社会とはいえ、銀総会のトップをやっていたような人なのだから、その念力は優に常人を超えたレベルの人なのだろう。その力を善用すれば、確かにうつ病も治せることだろう。
 少なくとも、精神科の医師にかかり、処方された向精神薬を服用して廃人になるくらいなら、催眠治療の方を選択すべきである。
 精神科が処方する「抗うつ剤」は、人類の人口削減と人類の脳の劣化を目的とした「闇の支配者」たちが経営権を持つ製薬会社で作られているのだと言うことを念頭に置いて、下記のリンクを必ず読んでおくこと。
    《参照》   『これが[人殺し医療サギ]の実態だ!』 船瀬俊介×ベンジャミン・フルフォード 《1/3》
              【「抗うつ剤」その他の処方例】

 向精神薬に支配されていた華原朋美の事例を下記リンクのコメントに書いておいたから、これに紐付くリンク先も必ず全部読んでおくように。
    《参照》   『大和物語 第2巻 アメノウズメの語る』 山内光雲 (たま出版) 《前編》
              【医薬品依存への警告】


 


 

<了>